旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

例年に4,50日遅れて咲いた庭の紅梅

2018-03-03 15:26:14 | 時局雑感


 わが家の庭で、一年で一番最初に花をつけてくれるのが紅梅だ。年が明けると早々に咲き始め、一月末には盛りを迎えるのが例年だ。実はこの紅梅は、娘の生誕を記念して植えたもので、すでに40数年の歴史を持つ。こういえば娘の年齢がばれるが…。
 その清楚な花弁が、小さいながら咲き競い、娘の誕生日である1月31日に向かって咲き誇る姿を、私は書斎の窓から眺めながら年初を過ごすのが常だった。ところが今年は、年が明けても全く咲く気配がない。2月を迎えても咲かないので、例年にない異常な寒さで、咲くのをやめたのだろうとあきらめていた。ところが、2月下旬から時折訪れた、これまた異常な温かさのせいか、ある日、気が付けば、数こそ少ないが花をつけている。
 ようやく暖かくなって、春の準備を始めたのだろう。気温などの時節の変化に敏感な自然界の営みを、あらためて思い知らされた。もう一つ思いつくことがある。それは、昨年暮れより隣接地に3階建ての住宅建設が始まった。それまで温かい日差しを送ってくれていた空間が見るみるなくなり、加えて、毎日建築工事の喧騒な音が鳴り響く。おそらくこの人工的な環境変化に驚いて、とても花びらをのぞかせる気持ちになれなかったのではないか?
 その工事は2月中旬でほぼ終わった。それを待っていたかのように一斉につぼみを開いた。自然の変化と人口の騒音…、しかし、全てに堪えて、時期こそ遅れたが、ちゃんと務めは果たすのだ。
 紅梅さん、ゴメンネ。そして、咲いてくれてアリガトウ。

   
      
          


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