旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

今年も終わる … 最悪だった政治、経済

2015-12-11 15:13:23 | 政治経済

 

 戦後70年を経て、国の内外ともにかつてない不穏な情勢になってきた。
 外にあっては、ソ連によるクリミヤ半島一部の力による強奪や、イスラム国をはじめとしたテロの万延に対処するうえで、東西陣営や各国の足並みがそろわないなど、第三次大戦へのきな臭いにおいが滲み出してきた。内にあっては、安倍自公政権がいよいよその右翼的側面を強権的に表してきた。
 何度も書いてきたように、20世紀という戦争の世紀を終えて迎えた21世紀は、人類は平和に向かって巨歩を進めるものと信じていたが、事態はその様に甘くはないようだ。背景には、長期に続く経済停滞に見られるように、資本主義経済の行き詰まりがあるのであろう。マルクス経済学者だけでなく多くの知識人が「資本主義の終焉」を叫んでいるが(たとえば水野和夫氏『資本主義の終焉と歴史の危機』など)、人類はかつてない歴史的危機(混乱)を迎えつつあるのかもしれない。

 イスラム国なるもののテロは、いよいよ拡大し世界中がその脅威にさらされつつある。問題は、その最大の標的とされる世界の大国が、その原因を解決しようとするのでなく、力により壊滅しようと軍事力を前面に打ち出していることである。なぜテロを行わねばならないのか? その原因を解決することなく、テロ、特に自爆テロなどを力で壊滅しようと思うなど愚の典型である。全く分からないように起こすのがテロであり、特に自爆テロなどを空爆などで除去できると本当に思っているのだろうか? イスラム人をすべて殺そうというのなら話は別だが、それこそテロどころか最大の悪事である。
 資本主義はこれらの国々(とアジア、アフリカ、中南米の国々を含め)を長く植民地支配して自国の糧としてきた。その後これらの国々が苦難の末自立したが、資本主義はそれらの国々を成長させ、支援することを怠った。というよりそもそも資本主義は、自国の成長こそ大事で、他国を支援する体質はないのかもしれない。こうして生まれた貧困と格差の問題は、簡単には片付かない。いわんや軍事力では片付かない。
 安倍自公内閣は、戦後日本国民が瞳のように大事にし育て上げてきた立憲主義、民主主義、平和主義を踏みにじり、憲法の平和条項を一内閣の閣議決定で変更するという暴挙により集団的自衛権の行使を推し進め、アメリカを中心とした世界の大国の、これらの戦争政策に協力できる体制を整えようとしている。
 またアベノミクスなるものにより、大企業の空前の儲け(内部留保史上最高300兆円突破)と貧困層の拡大(ワーキングプア史上最多1139万人)を強力に推し進めている。
 日本国民は将来、この2015年を「政治、経済とも最悪の年だった」と記憶することになるだろう。


投票ボタン

blogram投票ボタン