気がつけば9月は早くも2日になっていた。選挙騒動と季節の異変で、何が何だかわからないうちに時だけが過ぎていた。
総選挙は歴史的な政権移動で世の中はゆれている。自公政権の敗退、民主の勝利は当然であったろうが、これほどの激変(300対100議席)は異常と言えば異常だ。しかしこれは「小選挙区制」という極めて激烈(言い方によれば非民主的)な選挙制度のせいであり、現実の民意が「これだけの大差」をもっているわけではなかろう。
小選挙区の得票率は、民主47%、自民38%であるから、そのとおりに配分されれば小選挙区の議席は、民主141議席、自民114議席ぐらいであろうが、実際の獲得議席は民主221議席、自民64議席であった。世間は221対64で民主圧勝と言うが、民意は47対38で、それほどの差は無いのだ。つまり自民の票は多く死票となったのであり、これが小選挙区制の怖いところ(非民主的なところ)だ。
もちろん自民党自らがこの小選挙区制を好んできたのであるから(それにより前回の小泉圧勝もあったのだから)、当然の報いであるのだ。何故、国民はこのような選挙制度を望むのだろうか? 民意を正確に反映する「比例代表制」ではなぜつまらないのだろうか? なぜ激越な変化をそれほどまでに望むのだろうか?
とにかく刺激が欲しいのであろう。刺激と言えば麻薬も同じことか? だから何とか言う芸能人の麻薬騒動でマスコミは毎日騒いでいるのだろう。
季節はそれに反して全く刺激が無い。これも困ったものだ。何時までが梅雨で、何時までが夏で、何時から秋が始まったのかさっぱりわからない。気象庁はついに「梅雨の終わりが何時であったか不明」という地域があったことを発表した。
何が何だかわからないうちに、とにかく9月は始まっていた。