旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

秋の香り

2007-08-28 17:22:23 | 

 

 数々の記録を塗り替えた今年の猛暑も、季節の移ろいという自然の営みには勝てないようだ。例年になく視聴率を上げたのではないかと思われる天気予報番組も、「暑さは今日まで」と一斉に報じている。夏の空気と秋の空気がせめぎ合う前線が、日本列島に広くかかり、秋のはじまりを知らせる雨を降らせる……同時に、冷たい空気が流れ込んで、日本を秋が包み込むのだ。
 
その雨雲が、数年ぶりの皆既月食をさえぎるのは悔しいが、今年ばかりは月食どころではない暑さであった、というのが実感である。

 秋の空気とともに、秋の香りが昨夜届いた。
 
ふるさと臼杵からかぼすが送られてきたのである。思えば子供の頃からかぼすとともに育ってきた。刺身、焼き魚、てんぷら、鍋物などはもとより、毎日の味噌汁からおしんこに至るまで、すべてかぼすをたらして食べた。
 
子供の頃は、かぼすなどというものはどこにでも有り、全国どこでも自分達と同じように食べているものだと思っていたが、やがてこれが大分県特有の柑橘類であることを知った。「他所には育たない」と言うことが当初は信じられなかったが、どうも真実であり「かぼすは大分県の特産物」とわかると、やたら無造作に食べるのはいけないことではないかと思ったりしたものだ。

 そのかぼすが大量に送られてきた。
 
ほんとうに秋が来るのだ!
 
何か上等の刺身を買ってこよう。
 
それに合わせる山廃純米吟醸酒を何にするか?…
 ちょっぴり悩んでいる。
                             


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