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【サウジアラムコ本日上場!さて初値は?】原油価格低下を素直に歓迎しよう①

2019-12-11 00:00:37 | 世界共通

 新しい時代を前に、古い時代を象徴するものがこうして退出していくのでしょうね・・・

 6日の会合で「OPECプラス」(石油輸出国機構及び非加盟産油国で構成されるグループ)は、日量120万バレルとしている現行の原油の協調減産の規模を50万バレル拡大して170万バレルにすることで合意しました。来年1月から3月まで実施されるとのことです。さらにサウジアラビアは、同合意に基づく減産目標に上乗せして、自発的に同40万バレルの減産を継続すると表明しました。これでOPECプラス全体の減産規模は同210万バレルとなり、事前の市場予測を上回るスケールになったようですが・・・

 上記合意を主導したのは、もちろんOPECの盟主サウジアラビアです。で、この局面で同国がこれらを決めた理由は・・・何といっても、国営石油会社の「サウジアラムコ」の株式が11日(って、今日です!)、サウジ証券取引所に新規上場(IPO)されるに当たり、その市場価値をできるだけ大きくするために石油の値段をつり上げたい、ということ。この点、いまのサウジはどの産油国よりも原油価格の上昇に期待・・・どころか、上がってくれないとマジでヤバい!くらいの危機感に迫られているものと推測されます。よって同国は他のメンバーを必死になって説得し、今回の合意を取りまとめたのでしょう・・・が、これに対する市場の反応がイマイチなのを感知するや、上記の自発的な追加減産という「サプライズ」をこのギリのタイミングで放って原油価格の押上げ、すなわちアラムコ株の売り出し価格の押上げを試みた、といったあたりでしょう・・・ 

 で、そのアラムコですが、当初、サウジの皇太子は2兆ドル(時価総額で世界最大の「アップル」の倍近く)の企業価値がある、なんておっしゃっていたみたいですが、上場直前の先月、サウジはその評価額目標について、これを大きく下回る1.6~1.7兆ドルに設定しました。また今回公開する株式の比率も全体の1.5%と、事前検討時の半分程度になるとのことです。いずれもマーケットの現実をふまえてコンサバに見積もりなおした、ということなのでしょうか?

 アラムコIPOの最大の狙いは、これによってサウジ政府系の「パブリック・インベストメント・ファンド」の投資原資を確保すること。当初構想ではこれで最大1千億ドルを調達する算段だったそうですが、マーケットの現状を踏まえ、その目標を下げて国内市場での256億ドル程度にしたようです。それでもこの額、中国のネット通販最大手「アリババ」IPO時の250億ドルを超えて過去最大になる見通しです。まあともかくサウジとしては、この投資マネーが可能な限り増えるよう、アラムコ株が高値で取引されてほしいところ・・・

 その予定価格は、先月の目論見書では1株30~32リヤル。そして足元の原油価格は1バレル58ドル台(WTI先物)と、大規模な減産合意の発表直後のためか、少し前と比べると同2~3ドル程度上がってきました・・・というより、にもかかわらず値上がり幅はその程度にとどまっています、というほうが適切かも(?)。

 こうした状況のもと、今後の原油価格の動きを占う意味でも、本日11日、アラムコの初値がいくらをつけるのか、まずは注目ですね・・・

(続く)

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