ITバブル崩壊~サブプライム・ローン・バブル崩壊~リーマン・ショック・・・と延々と続いてきた危機の連鎖がいよいよ最終章に入った、と考えてもよろしいのかと・・・?
先月中旬、アメリカの短期金融市場で緊急事態が発生し、この状態が現在も継続しています。それはレポ金利の急騰。レポ市場とは翌日から3日程度の超短期間でおカネの貸し借りをする金融市場のことで、レポ金利とはそこで適用される金利のこと。この場合、おカネを借りたい側はおカネを貸す側に担保を差し出すのですが、たいていの場合は米国債で、日経新聞の関連記事によると、その割合は6割強、あとは不動産担保証券が2割弱などとなっているとのこと。
で、そのレポ市場で先月16日から17日にかけて突如、金利が急騰し、17日には一時10%!?にまで跳ね上がりました。上記のように、レポ市場ではおもに米国債が担保として使われるから、通常であればその金利は低位で安定的に推移するものと考えられますが、瞬間的とはいえ、この突き抜け具合はどう見ても異常であり、その原因究明と対策が求められるところでしょう。
で、そのあたりについては、2つの偶然が重なったため、とするニューヨーク連邦銀行(NY連銀:FRB傘下の連銀の一行)の見方が一般的なようです。1つめは、各企業がアメリカ年度末の法人税の支払いに充てるおカネをレポ市場から回収したこと。2つめが、同時期に米国債の大量入札があり、780億ドル相当の発行に対して償還が240億ドルと、これだけで差し引き500億ドル以上のおカネが国債に吸収されたこと。たまたまこの2つの要因が同じタイミングになったので市場では一時的に流動性不足が発生し、金利が急騰した、という解釈です。ふ~ん、これをホントに信じていいのなら、こんな偶然、そうはないから?あのときはビックリしたけれど、もう大丈夫、何もしなくていいんだね・・・
・・・って、市場では誰一人として(?)そうは思っていない感じです。事実、そのNY連銀からして、市場に対して疑心暗鬼になったのか(?)、金利急騰のあった17日には532億ドルもの巨額の資金を短期金融市場に供給しました。これ、同市場対象としては、じつに10年ぶりの異例の対応です。さらに同行はこの措置を少なくとも750億ドル規模にして、当初は今月10日まで・・・としていたのを、つい先ほど(今月4日付)延長して11月4日(月)まで継続すると表明、市場の鎮静化に努めています。
そんなことで、足元のレポ金利は今月4日時点で1.92%(翌日物)と、表面上は落ち着いている印象です。が、それは市場が冷静さを取り戻した・・・からではなく、あくまでもNY連銀がサポートをしているから、とみるべきでしょう。ということは、これが終わることになっている?11月以降はいったいどうなる!?・・・と皆がおびえて、レポ金利がまたまた跳ねてしまう可能性が非常に高い・・・から、結局、同行は、なし崩し的に上記措置を継続するしかないだろう・・・というのが個人的な予想です。
・・・ってこれ、事実上のQE(量的緩和策)じゃん?