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【ガソリン代リッター170円!】高騰石油代が揺るがす円安誘導の妥当性①

2014-06-23 00:04:55 | 日本

 原油価格が高騰しています。6月20日時点で1バーレル約107ドル(WTI)と、昨年9月に記録したこの2年間の最高値である同約110ドルに迫ってきました。北海ブレントに至っては先物価格が同114ドル台と、9か月ぶりに高値を更新しています。

 以前から書いているように、原油価格の上昇が続いている背景には、2008年秋に起きたリーマン・ショック後のデフレ深化をくい止めるため、アメリカの中銀FRBが同年11月に開始し、いまも継続している量的緩和策(QE)があると考えています。これによってドル、つまり「石油引換券」がマーケットに大量散布され、石油の値段が上がった(というよりは、ドルの価値がそのぶん、減価した)ということです。

 実際、QEスタート直後の2009年初は1バーレル約40ドル台前半だった原油価格が現在は上記のとおりです。この5年あまりの間でなんと2.4倍以上になったことになります。これに対し、世界の石油消費量は2008年の約39.9億トンから2012年は41.3億トンと4年間で3.4%ほどの伸びにとどまります。下記グラフのとおり、石油はいかに実需とは無関係に価格だけが上がっているか(つまりそれだけドルの価値が下がった)ということがよくわかります。結局、欧米諸国の不動産価格や株価などと同じく、石油価格もまたバブルなのでしょうね・・・(だから、産油国にデカい顔をさせるようなこと[≒QE]をしてはいけないよ、ホント・・・)。

 もっとも今年に入ってからの原油価格の上昇には地政学的な要因、つまり2月以降のウクライナの混乱とか直近のイラク情勢の悪化にともなう供給懸念があるものとみられます。その懸念が世界実体経済の現実なのか、そして現実になるのかどうかはわかりませんが、少なくとも商品市場ではそのように解釈され、QEマネーの多くが石油に向かった結果、上記の高騰がもたらされた、ということなのでしょう。

 わが国においてもこの石油価格の上昇の影響がはっきり感じられるようになっています(まあこちらの記事等に書いたように、基本的にはアベノミクス開始以降はずっとそんな状態ですが・・・)。たびたび取り上げている電気料金は高止まり状態が続くほか、足元ではガソリン代の値上がりぶりが際立ってきました。つい先日「1リットル160円」に驚いたばかりなのに、あっという間に同170円台に乗ってきました。イラク情勢が混迷の度を深めるなか、いったいこの先、ガソリン価格はどこまで上がるのか、と戦々恐々としている国民も多いはず・・・。

 これに対し、安倍政権・黒田日銀はガソリン代に象徴されるこの原油価格の高騰を大いに歓迎しているものと推察されます。なぜならそれは、エネルギーコストの上昇を促してわが国の物価上昇幅をいっそう拡大する効果を発揮してくれるからです。

(続く)


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