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【「原油」だけの国・ロシアを追い詰めるもの】米QE終了が演出した逆オイルショック①

2014-12-25 00:02:47 | 世界共通

 まさに「逆オイルショック」―――エネルギー資源「だけ」の国・ロシアが追い詰められています

 18日、通貨安と原油安の双方に苦しめられているロシアのプーチン大統領は会見で、原油価格が1バーレル40ドルになった場合の備えをしなければならない、と述べています。現時点の原油価格は60バーレル前後だから、それよりさらに30%程度も下がることになります。

 先日も書きましたが、いまのロシアにとって財政が成り立つラインとなる原油価格は100ドルを軽く上回るレベル。ここ5年くらいの原油価格の上昇ですっかり「ぜいたく」感覚が身についてしまったのでしょう。だから、いまの原油価格の水準でも相当厳しいはず。なのに、40ドルでも耐えられる国にするなんて強がりとしか思えない。少なくとも今後数年間のうちはどう考えても無理でしょう。それまでのどこかでロシア国民の緊縮財政とかインフレに対する我慢の限界が来てしまうような気が・・・。親日家・プーチン氏の権力基盤のこの先が心配になります(同氏にかわってヘンな人[対日強硬派]が台頭しませんように・・・)。

 もっともこのあたり、あまり大きな声では言えないけれど、対ロ関係の進展に向けた交渉上、日本にとっては有利な状況といえそうですね。つまり、わが国としてはロシアを手助けする用意がある―――かの国のほとんど唯一の外貨獲得源であるエネルギー資源の開発協力とか購入量を拡大する用意がある、でもその前に・・・肝心の「こちら」を解決しないとね!といった具合です。なので、来年の春(?)に予定されているプーチン大統領の訪日までいまの原油安がぜひ続いてほしいものだ、と願っています。もっともこのへんはロシアに「人の弱みにつけ込みやがって!」と逆ギレされないよう、慎重にコトを進める必要がありますが・・・。

 ところで目下の原油安ですが、このわずか2~3か月程度の短い間に急激に進みました。WTI原油価格で見ると、半年前の6月中旬時点では1バーレル100ドル台後半、そして10月初旬でも90ドル台前半をキープしていましたが、その後急落し、直近(12/19)では約55ドル(先物価格)と、2か月あまりで4割近くも下がっています。

 で、この背景にあるのは・・・中国をはじめとする世界経済の減速にともなう原油需要の減退見通しとか、米シェール革命の広がりなどを受けた世界的な原油の過剰感の高まり・・・などなど、もっともらしい理由はいろいろ考えられるし、どれもそのとおりだとは思います。しかし・・・これらは中長期的な原油の実需面に立った見方であり、目の前の激しい価格下落を十分に説明する理屈にはなっていない感じです。

 したがってこれはやはり・・・金融要因と考えるのが自然なのではないでしょうか。つまり、これまでの原油高を演出した金融面での支援材料が失われつつあるということ。それこそ―――米FRBの量的緩和策(QE)の縮小・停止だと思っています。

(続く)

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