朝日新聞の夕刊に”人生の贈りもの”という数回の連載物がある。今週は時代劇で活躍した斬られ役、と言えばこの人「福本清三」さんの記事。真実を突いてなかなか面白い。元来引っ込み思案の性格で表に出て演じるなんて考えも及ばない性質だったらしい。ところがひょんな事から映画界入り。大部屋俳優を長い間務めたが、あまりの斬られ役の多さかつ上手さに隠れたファンに囲まれての役者人生。そのうちの熱烈な一女性ファンによってあのハリウッドムービーにも出演したのだから凄い。”ラストサムライ”では主人公の護衛兼見張り役の侍。セリフは最後にたったひとこと。それでもこの映画に出たのは一生の思い出だそうで。そりゃそうだ。多くの映画人が夢見ても叶わない事なのだから。興味深かったのはそこでのスタッフのプロ意識。「これで食ってるという強烈な思い。映画が大好きで徹夜でも文句は言わなかった。準備と自信が凄い」と。そんな世界で好きな事に没頭出来るのはなんと幸せな事か!
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