どーしようかなぁと迷いつつ、迷った時にはとりあえず観ておけ、と勝手に思い込んで新宿のちっこい映画館に「天皇ごっこ」を観に行った。ロビーに入った途端、こりゃ来るとこ間違ったとやや後悔。上映時間まで30分以上あるのにいかにも、といった方々(主に中年以降のおじさんたち)が我が物顔で椅子に腰かけていたのだ。次回上映予定のパンフなどを眺めつつその人たちも観察。連れ立って来ていたのは30代のカップルが一組だけ。あとは各自、自分の世界に入り込んでいるような感じ。で、はじまって直ぐに眠くなった。仕事帰りに寄ったこともあり疲れていたのかとも思うが実際には映画の内容そのものが退屈だったのだ。左翼、右翼というけれどどちらの主張もイマイチ分からない。と言うか分かりたくはない。見沢知廉その人のことを知らないのだから言いたいことを言ってしまえば、革命を唱えるなら個人的にやってみろよと思う。違うの? 左も右も結局は烏合の衆。そうじゃないと革命なんて起こせないから? ずっと昔「革命」に憧れていた者のひとりとしてはそんな風に思うが間違ってんの、それって。ただ、同士が仲間を殺害した事をとうとうと話していた場面や見沢さんが晩年近く、両手の小指をナイフで切り落とした時のことを楽しげ(?)に語る母親の語り口には違和感が増した。彼を含めて彼の周りにいた人たちってどこかが普通じゃない。人はそれぞれとはいうもののやっぱりどっか狂っている。恐怖を感じ、逃げ出したくなった。
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