スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

棋王戦&第一部定理三二の意味

2007-02-24 22:20:13 | 将棋
 棋王戦五番勝負第二局。互いに角道を開けた後、先手の森内棋王は飛車先、後手の佐藤棋聖は9筋の歩を伸ばして▲7八金。これを見て後手は四間飛車に。先手は飛車先の歩を交換しました。ここまでは王座戦第三局と同じ。羽生王座は△6二玉でしたが、佐藤棋聖は角交換して飛車をぶつけると、森内棋王は飛車交換。第一局以上に派手な序盤になりました。この後、互いに自陣飛車を打ち、21手目の▲5六角と引いた局面で昼休み。僕はここから観戦したのですが、上述のそれまでの手順は驚きでした。この局面、先手は飛車先が直通していることと一歩を取れそうなこと、後手は端を詰めていることと角を手持ちにしていることが主張といえそうです。その後、先手は歩得を果たして右銀を縦歩棒銀の要領で3六に繰り出し、後手は2筋の傷を消してから再び四間飛車に振って美濃囲いへ。31手目の▲6八玉としたのが2時半頃で、残念ながら観戦はここまで。ただこの局面、後手が2度も飛車を振った(こういうのは僕は初めて見ました。きわめて珍しいと思います)関係から手損をしている感じで、玉は囲えているもののいかにも立ち遅れていて攻め味に乏しい感じがしました。それが影響したかどうか分かりませんが、73手目の▲3四銀成の只捨てから▲6三角成の角切りという、結果的に角の丸損の強襲が決まり、森内棋王が1勝を返しました。終了局面だけをみても、どうも一方的な将棋だったように思えます。これで1勝1敗。ついでに通算成績も24勝24敗。このふたりはどこまでいってもいい勝負のようです。第三局は3月10日です。
 明日は東西王座戦が決勝。まず西。中部は別れて小嶋-浜口と山田-山口。村上-前田の近畿。小野-加倉-紫原の九州は小嶋の後ろで番手戦。ここは小嶋選手◎が中心。山田選手○を相手に浜口選手▲と小野選手△。続いて。こちらも北日本は別れて、佐藤友和-有坂-佐藤慎太郎と岡部-斎藤、神山-飯嶋の地元栃木、白戸-渡辺の南関東。こちらは佐藤友和選手◎に期待。有坂選手○を相手に、岡部選手▲と渡辺選手△。

 これで第一部定理三二の意味が明らかになったと思います。つまり、意志というのは、あるいは一般的な意志は個々の意志作用の総体のことですから、意志作用というのは、それ自身の本性によって存在と働きに決定される自由なものではなく、むしろ、それ以外の外部の原因によって存在と作用に決定されるという意味の、強制されたものであるということです。もっとも、僕たちの普通のことばの使い方からすれば、この場合には意志とか意志作用自体を主語に置くのではなく、むしろそうした意志作用の主体となるものを想定して、そうした主体を主語に考えるべきかもしれません。したがってこの場合には、この定理の意味というのは、ある意志作用というのは、それがどんな意志作用であると仮定しても、この意志作用をする主体の本性の必然性から生じる自由なものではなく、むしろその主体とは別の外部の原因によって生じる強制されたものであるということになります。もちろんこのとき、この主体というのは、人間であろうと三角形であろうと、あるいは神であろうと同様であるということになります。なお、このことに関しては、スピノザがここで意志というとき、どのような意味の思惟の様態としてそれを想定しているのかという観点から、僕には別の疑問があるのですが、これは今回の責任論とは無関係ですので取り扱わず、いずれ別の機会に考察してみたいと思っています。
コメント
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