今回まで行ったラインアンプの低域対策を挙げてみる
① 組み上げた最初はNFBの配線を間違えたので NFB 0dBで聴いて見た。最初なんで特に印象が無い。
② その後NFBを掛ける。NFB抵抗 Rf 3.9kΩ、補正 200pFにてNFB 5.8dB。出力インピーダンスZoが252Ω。
③ 次にRfを10kΩにした。補正は200pのまま。これでNFB 2.8dB。Zo 420Ω。まあ、いい感じかも。でもだんだん低音がもう少し欲しくなる。
④ そしてOPTをNP‐126からTSMに入れ替える。トランスの一次インピーダンスを10kΩから5kに下げることによって出力インピーダンスが少し上がらないかな?と目論んだ。NFBは2.8dBのままなのだが、出力インピーダンスは576Ωとさほど上がらなかった。
⑤ 続いてカップリングコンデンサーを0.047μFから0.1μFにしてみたが、音もF特も変わらなかった。
⑥ ここで初段12AU7のカソードパスコンを取り付けてみた。ゲインが少し上がってNFB量が少し増えたようだ、聴いて見ると低音がほんの少し増えたようだ。 この辺が限界かなと思った。
⑦ 後は試しに5687の方のパスコンを外し、出力インピーダンスを見ながらNFBを増やそうと思ったが、出力インピーダンスはほとんど変わらなかった。音は良くなったが、低音は変わらなかった。
⑧ 5687のカソードパスコンを取り付け、NFBの量を少し増やそうと思いRfを10kΩから15kΩに増やした。ここで発信してしまい、NFB抵抗をはずし、5687のカソードパスコンをそのまま残した。発信は修まり音は大まかに言って変わらないのだが、F特が悪くなってしまった。
試しにカップリングコンデンサーを0,2μFにしてみた。F特の低域が全く変わらなかったので外してしまった。
下グラフ低域の一番悪い緑線。
ここでやっと現実に戻る。気を取り直してRfを30kΩ×2から、100kΩ+180kΩパラ≒ 15kΩ に変更した。出力インピーダンスを600Ωに近付けたらどうなるか?これを前から試してみたかった。補正も100pF二本パラだったのを一本外して100pFにした。NFBは2dB程になる。これで通常の少し大きめの音を出すと結構良いんだなー。でも爆音に近付けると低音の無い・痩せた感じになる。 もう私の知る限りの手は打った。これだけやってもF特が変わらないので、OPTの問題かな?とも思う。
残るは仕方ない、NFBを増やそう。 手持ちの抵抗が無いので5.6kΩにした。これでNFB量は7.8dB程になった。 測定してみたら低い方が上がり、カーブが自然になった。
下図赤い線。
これで試聴する。
最初はアニメのサントラなんぞでアンプを暖める。普通の音量では低音はあまり変わらない。中高音は裏の方の楽器が聴こえ始めた。ただ、少し押さえつけられた気もしないではないが、先入観なしに聴くとこれはこれで良いのかもしれない。
春の祭典を爆音で聴いた。
低音が出た。これだ。少し中音に被ってる気もしないではないが、聴感上はほぼフラット。その下の低い方は聴こえない。多分出てるのだろうが前ほど気にならない。
そして音色が濃くなった気がする。マッチングが良くなった?これの前は、インプットトランス付きのパワーアンプをOPT無しのプリアンプで鳴らしたようであった。広がりが強調され、全体に薄くなったような音。ただし今回は低音が強い。
いやあ、久しぶりに手に汗握るような音を聴いた。近所に文句言われないか?ウーファー大丈夫か?アンプ気絶しないか?そんなハラハラもあったが、何年ぶりだろう。
いま、NFBは7.8dB程だ。抵抗を5.6kΩから10kΩ程かもう少し小さいモノにして・・・8kΩで多分NFB 6dB程か?にすればいいのではないか?
ミューラード型でNFBを外した時に出た音とは少し性格が違う。あのときは各楽器が好き放題鳴ってた。今回の春祭は統制が取れてる。
このシャイーという指揮者、すんごい潔癖な人みたい。一分の隙も無い。こういう機械的?な演奏でも快感は得られるんだ。
やっと先が見えてきたかも?
20200511