analog player & Vacuum valve amplifier (Electron Tube Amp)

こちらの記事は製作・修理・改造を推奨するものではありません。
故障・事故等が起きても当方責任は負いかねます。

ラインアンプの低域を伸ばす方法(5) NFB再調整と出力IMP

2020-05-28 18:04:10 | LfD-1

先日カソードパスコンをタンタルに交換したとき、NFBを10kΩに戻した。その後30kΩを2パラにして2dB程を狙った時はいい加減な取り付けをしたので他の信号を拾ってしまったのかな? 上手く行かなかった。

今回はもう一度挑戦する。 抵抗値は100kΩと18kΩのパラで15kΩちょいとした。

これで出力インピーダンスが600Ω程にするのが今回の狙い。NFBゼロで出力インピーダンスが1300Ω位だが、ちょっと掛けただけで半分以下に下がってしまうんだ。 F特は悪くなるが、インピーダンスのマッチングが最良になるはず。この音も聴いて見たかった。 インピーダンスマッチングは多少の融通が利くらしいのでまあ、問題無いかもしれないが、一度聴いて確認しておきたかった。 此れなら手持ちに有りそうだ。 ちょうどタクマンかな?小さい抵抗が有った。 取付。

夜遅いので音が出るかだけ試す。これをやらないと気になって眠れなくなる。 音は出た。 のだが、ラジヲが聴こえる。しかも二つ。英語の奴と日本語のやつ。 ま、いいか。小音量だが、音が痩せずしっかりしてそう。

っと、また一個思いついた。 パワーの入力トランス、二次側に20kΩの抵抗抱かせてたっけ? あれ外したらどうなるんだろう? 前にはずしたときに感度が上がったから、何かしらこうかはあるとおもうのだが、今入力インピーダンス600Ωだし、次段の12AU7に何か影響しちゃうのかな? どんななるか、試してもいいかも?

 

 

 

 

 

 

20200609

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NFB・インピーダンスについて思うこと

2020-05-28 12:01:36 | アンプ

私がオーディオ関係の雑誌を読み始めた’90頃は、NFBについては良く言われて無かったように思う。

「NFBを掛けなければならないアンプは・・・」などとも読んだような記憶がある。

 

 

「音のバランスが良くなるが、音抜けが悪くなるというか、元気がなくなって平面的な描写になりがち」

というのはNFBを掛けたアンプについての記述だが、我が意を得たり、と思った。きっとこの人はNON‐NFBアンプばかり作っているんだ、と期待したが、ほかの製作記事を見るとほとんどNFBが掛かってがっかり。三百BアンプにまでNFBを掛けていた。

 

 

3年ほど前、発振に苦労した事が有った。ミューラード型位相反転を使ったパワーアンプでだ。

もうどうにもならなくて、NFBを外したら私好みの音が出た。それ以来アンプからNFBを外した。故上杉氏は、NFBは14dBと言ってたらしい。ただ、晩年はNON NFBも作っていたので私は得意になっていた。

 

それ以降、NFBはいらない、と思うようになった。

 

 

今のアンプは、パワーの入力側に、プリの出力側にトランスを使っている。どうしてもF特の低域が良くない。それがNFBを掛けると改善される。ただし、どうも人工的のような、CDのような音になる感じだ。そこが気に入らない。

と思っていたが、コメントを頂いた方に教わり、調整をしながら音が良くなっていく。

ある時、NFBを掛けても、「これだったらいいんじゃね?」というとこまで来た。NFBを掛け、終端抵抗をあれこれやって、忘れてたOPT二次側のアースを取った時だ。

 

 

少し前、パワーアンプの出力段には、すっとカソードパスコンを付けてなかった。つけると全体に電解コンデンサーの音になり、それが許せなかった。なぜみんなこのコンデンサー付けるのだろう?と不思議だった。

最近パワーアンプでカソードパスコンを取り付けたら出力インピーダンスが下がったことが有った。これでスピーカーが鳴りだした。電解の音が残ったが。此れって回路インピーダンスを下げることではないか?

https://blog.goo.ne.jp/soruboseinn/e/ae92a15dca3727cfc25240807748ba5b

 

そんな訳で、NFBを掛けて、適正な回路インピーダンスにする必要が有るのではないか?と、最近は考える。いくら電解の音が嫌だと言っても、適正な回路定数でなければそれは不良・欠陥だ。

 

今、プリアンプの調整をしているが、OPTを換えたら低音が出なくなった。低音の伸びるNP‐126はRIAAカーブを出来るだけ正確に作るためにフォノイコに持って行った。中音のきれいなTSMのトランスは、プリに使う。

NFB量を変え、高域補正をして音を聴く。それはプリの出力インピーダンスを無視してきたやり方だった。6dBほどかけると、F特は良い感じになるのは分かった。

 

あとやり残したのは、最近パワーアンプの入力インピーダンスが見えてきたのでプリの出力インピーダンスを600Ωに近付けたい。のだが、それが難しい。

トランスはある程度融通が利く。プリの出力インピーダンスが300Ωでも音は出る。黙っていればこれが一番良い音、そう思うことが有る。

しかしだいぶ前パワーアンプの入力にトランスを付けた後、低音が出なくて苦労した事が有った。位相ずれのような広がりが出て、それに目がくらんだ。OPT付きのプリにして以降、インピーダンスが気になるようになった。目の敵、そんな気もする。

最近は前ほどインピーダンスの意味が分からない、という事は無く、何となく見えてきた。と言っても前のインピーダンスに対する嫌悪感が無くなった、って程度。

 

 

 

「NFBは万能ではない」

素性の悪いアンプはNFBを掛けても良くならない。・・・そういう事か。なんとなく分かった気がする。

 

 

 

歪率が良くたって、音に影響ないだろ。真空管アンプは歪の集まりなんだから・・・

F特が伸びてなくても、聴いて判んないだろ。どうせ人間の聴覚は・・・。

インピーダンスってナニ?音に関係するの?

若いころはそんな言い訳をしていた。

 

そんなことを言う前に、まともなアンプを作れ。今までの私のアンプは欠陥だらけだったんだ。ごくまれに製作記事に近いように組んだ時もあった。今のサブ機だ。今まで解体しないで手元にあるので、まともに出来た機器なのではないかと思う。音は良くないが、安定・まともな音がする。

いろいろ寄り道をして、まっとうなアンプを組んだことが少なかったように思う。なので今は測定・試聴を繰り返し、アンプの製作をする。まともなアンプを作るために。

 

音が良くても数値の良くない機器は、気に入らない。その逆もすぐ解体してしまう。

両方揃って納得がいく。そういうものを残していくと思う。

とにかく測定して音を聴き、「アンプとはこういうものか」というのを理解していきたい。まだまだ始まったばかり。

もうしばらく回路の勉強をしていこうと思う。

回路定数を変えたり、音作りをするのはそのあとだ。

 

 

 

 

 

 

20200507

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ラインアンプの低域を伸ばす方法(4)失敗

2020-05-28 00:01:20 | LfD-1

以前、低域改善のため、初段12AU7のカソードパスコンを取り付けた。これは上手くいった。

そして回路の出力インピーダンスを上げてNFBを増やそうと思い出力段5687のカソードパスコンを外したが、出力インピーダンスはあまり上がらなかった。

それで少し聴いていたが、低音が物足りない。中音はきれいなんだが。

 

そこで5687のカソードパスコンを復活させることにした。

U7はタンタルにしたので、こちらもタンタルにしようと思った。

今ついてるのが nichicon MUSE 35V220μF なのだが、220なんてタンタルの持ち合わせは無い。ストックを探したら、NCCとスプレイグの35V100μFが出てきた。

少し容量少ないがこれらをパラって使おう。25V100μFもあるが、これは初段に使うために取っておこう。

どうせならNFBも変えてしまえ、と少し焦ってしまったが、これが後にとんでもないことになった。

NFBはいま10kΩを使ってるので12kΩ位にしたい。しかし手持ちがなく18kΩと思った抵抗は180kΩでNFBが全然掛からなかった。次に30kΩをパラって15kΩにした。これはNFBが2dBほどに下がったが、出力インピーダンスが600Ω程になり、目論見が上手くいった。先日パワーアンプの入力インピーダンスを測ってから、一度ラインアンプの出力インピーダンスを600Ω辺りで鳴らしてみたかった。

では音出し。

最初パワーのスイッチを入れてすぐパキン?と変な音がした。そして10秒ほど経ちスタンバイOKとなるとノイズがひどい。発信してるかの様。一応音は出てるのを確認して電源を落とした。

さて原因は何だろう?

NFBとパスコンを同時に換えてしまったので原因探るのが大変。

 

 

以下、トラブル多発。

 

発振器で1kHz入れてみたが問題無さそう。

5687のカソード電圧を測ると30V。前は14V弱だったじゃないか!タンタルコンが死んじゃう。このコンデンサー、不良は短絡なんだ。真空管が暴走する。

すぐに電源切る。ってもさっきサイン波入れてしばらく電源入れてたんだ。25Vのコンデンサーにしなくて良かった。

少し観察すると、先日交換したカップリングコンデンサーに穴が開いている。はんだごてを当てちゃったな。

抵抗を測ると73Ω。

箔を溶かしてしまい短絡させたんだな。おかげで出力段にDCが流れた。

はんだごてを当ててもASCなら箔までは行かない。VISHAYのフィルムコンは、すごい熱に弱い。予備は無いのでASCを取り付ける。

ここで真空管ソケットのピンが出張ってるのに気が付いた。

ピンを押し込もうとしたらびくともしない。しかも二つ割のピンを広げてしまった。配線を外してピンをくるくる回したら戻った。多分中にナットが埋め込まれてて、振動か何かで回ってしまったんだな。・・・でもこのピンは真空管の足と繋げてたんで回るはずない。多分ソケット内部にナットが埋め込まれてて、それがなんかの拍子に回ったのかな?

 

 

タンタルコンデンサーを外して容量を測ったが、問題無さそう。私のDMMは100μFまでしか測れない。まあ、大丈夫だろう。

 

NFBは30kΩの抵抗をパラった方法がいい加減だったのでハムを拾ったかもしれない。ここは10kΩに戻した。

 

合わせてボリュームボックスの配置を変えた。その際ケースアースを繋いでみた。

 

これで音出ししたら上手くいった。と言っても電解コンデンサー有りの時の音に戻った感じ。低音の量感はもう少し欲しいが、まあ、聴けなくもないところへ来たかな?

ただ~し、中音が変わった。すごく丁寧な鳴り方になった。

麗しいとか華麗なとか装飾はないが、エネルギーが抑えなく出てくる感じ?音量を上げるときつい音も出すが、タンタルが馴染むまで様子見よう。

音場もクリーンになった。霞が取れたというより一音一音がはっきりした、そんな感じ。奥行き感も出てきた。春の祭典では暴力的な低音楽器があるが、ティンパニと大太鼓が聞き分けられるようになった!真ん中と左に位置が変わるのも分かる。へえ、こんなになってたんだ。今までは「ドンドン」しか認識してなかったようだ。

 

スプレイグとNCCのタンタルコンデンサーはそっくりだ。封の樹脂の色が違うが、製造は同じかな?なんて思う。

 

 

 

 

 

 

 

20200506

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