なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

総胆管結石・急性胆管炎

2022年07月21日 | Weblog

 土曜日の日直の時に、夕方になって発熱の94歳男性が救急搬入された。超高齢者だが、一人暮らしをしていて、家族は1日1回か2回様子を見に行くようにしていたそうだ。

 その日訪問すると、高熱があって倒れていたところを発見した。気温は高くはない日で、熱中症ではなさそうだ。初めて診る患者さんだったが、ざっと既往歴を確認してすぐに診断はついた。まず、総胆管結石・急性胆管炎だろう。

 

 2017年に総胆管結石・急性胆管炎で当院に入院した。内科の別の先生が担当していた。当院で総胆管結石の処置はできないので、地域の基幹病院消化器内科に転院依頼をした。ベットの問題ですぐに受け入れできず、当院に4日入院してから転送となった。胆管ステントが留置されて、軽快していた。

 2021年6月に胆管ステント閉塞によると思われる急性胆管炎になった。外来から地域の基幹病院に搬送となった。胆管ステントを入れ替えて治療したが、遺残結石が残ったそうだ。

 2021年12月にまた胆管ステント閉塞・急性胆管炎になった。基幹病院の消化器内科からは、多忙を極めていて対応できないといわれた。遠方になるが消化器病センターのある専門病院に搬送した。ステントは抜去されて、無事退院となっていた。

 

 そして今回だが、総胆管内に結石を認めた。血液検査で炎症反応上昇と肝機能障害があった。血圧は正常域でショックではないが、早急に胆管結石除去の処置ができる病院へ搬送する必要がある。

 

 基幹病院に上記の経過を伝えると、幸いに今回は受けてくれた。ありがたく、たぶん当院に搬入した救急隊にまた来てもらって、搬送した。(受け入れできなかった時の、他院での治療経過のコピーを同封した)

 乳頭切開はしているので、通常は把持して引っ張ればとれるが、サイズの問題で砕かないと取れないこともあるらしい。3連休の初日だったが、内視鏡処置はどのタイミングで行うのだろうか。

 

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フルニエ壊疽後

2022年07月20日 | Weblog

 先週の土曜日は日直だった。76歳女性が発熱で受診した。何度もそれも長期で入院していた患者さんで、担当したことはないが、ベットボードで名前を見たことがある患者さんだった。

 

 これまで経緯をみると、かなり大変なものだった。もともと糖尿病があり、神経因性膀胱で尿カテーテルが留置されていた。

 2015年に血圧低下・頻呼吸で救急搬入された。最初に対応したのは、当時いた内科の若い先生だった。仙骨部の褥瘡から感染が広がり、会陰部から大腿部まで及んでいた。

 CTでみると、背部から会陰部~大腿部までガス像を認める。会陰部の壊死性筋膜炎、現在の言い方だと壊死性皮膚軟部組織感染症で、炎症は内臓自体にも及んでいる。 

 デブリドマンが必要で、外科医に治療を依頼して、外科入院となった。当時は外科医が5名くらいいたが、病状的にはそのまま大学病院などの高次医療機関へ搬送でもよかったと思う。

 会陰部切開・抗菌薬投与だけでは病状が悪化して、壊死部切除・直腸切断・人工肛門造設術を行った。その後、筋皮弁による創閉鎖のために大学病院へ転院となっていた。大学病院に半年以上入院して、当院に戻ってからも長期で入院した。

 結局会陰部は皮膚で覆われることはなく、膀胱がそのまま露出した格好になっている。

 

 直近では2か月前まで仙骨部褥瘡の治療で皮膚科に入院していた。その後、経済的な問題で療養型病床転院・施設入所は難しく、週5回のデイサービスでの対応となった。

 今回は褥瘡からの浸出液が緑色で、尿混濁もあった。褥瘡感染and/or尿路感染症として入院とした。尿培養と血液培養2セット(動脈から採取)を提出した。褥瘡からの培養はどうしたものかと思ったが、適切な提出がわからず結局出さなかった。

 

 フルニエ壊疽は中年男性の症例を見たことがある。救急室で救急担当の先生といっしょに診て、そのまま地域の基幹病院に搬送したので、その後の経過はわからない。

 

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麻痺が出て1か月後の受診

2022年07月19日 | Weblog

 先週の金曜日に、保健所の依頼でCOVID-19の外来アセスメントを行った。患者さんは、療養施設に入所予定の高齢女性だった。胸部CTと血液検査をして、問題なければそのまま入院ではなく施設療養になる。

 下肺野背側に線状影とすりガラス様陰影がわずかにある。放射線科医が来ていたので、読影室に相談に行った。以前当院の常勤医だった先生で、定年延長で長く仕事を続けていた。現在は非常勤で週に2~3日来ている。

 線状影は以前から間質性陰影で、すりガラス様陰影はコロナの肺炎ではないとは言えないので、初期像の可能性はあるという結果にした。報告書にその旨記載した。

 

 読影室に行った時に、終わったばかりの頭部MRIの読影をされていた。脳幹部(橋)のそれなりに大きい脳梗塞を認める。神経内科の検査なのだろうと、その時は思った。

 後で確認してみると、内科クリニックからの画像診断だけの依頼だった。患者さんは73歳男性で、1か月前(6月16日)に構語障害と右上肢の脱力(不全麻痺)が発症していた。

 医療機関は受診せず、そのまま様子をいていた。脱力は軽減してきたが、症状が残るので前日にクリニックを受診していた。左中大脳動脈領域の脳梗塞疑いとして、頭部MRI検査だけ依頼していた。画像診断は、「亜急性橋梗塞」とされた。

 降圧薬(アムロジピン)とバイアスピリンが処方されていた。今更入院にはならないので(本人もその気はない)、そのまま外来治療になるのだろう。

 

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COVID-19で胃癌?

2022年07月18日 | Weblog

 木曜日に保健所から依頼があり、COVID-19の83歳女性が入院した。年齢と食欲不振があることで、ホテル療養ではなく入院になった。

 昨年10月に地域の基幹病院で甲状腺癌の手術を受けていた。胸部CTで、両側肺野に結節影が散在して、甲状腺癌の肺転移と判断された。COVID-19 としての肺炎像はなかった。結節はまだ小さく、今回の入院には影響はない。

 胸部CTだが、上腹部も描出される。胃底部~体部の胃壁は正常でも肥厚して写るが、不整肥厚が目立つようだ。そして胃の近傍(小弯側)にリンパ節腫脹と判断される腫瘤があった。一個のリンパ節というより、一塊になっているのかもしれない。

 放射線科の読影では進行胃癌疑い・胃周囲リンパ節腫大・肺転移となっていた。(甲状腺癌術後は後でわかったので、CT依頼の病名に記載していなかった)

 腫瘍マーカー(CEA・CA19-9 )は正常域だった。胃癌の場合は両者が上昇しないこともあるが、胃癌ではないのだろうか。胃悪性リンパ腫?。

 発症10日経過しないと隔離解除にならないので、精査はできない。入院日にまったく食事摂取できず、点滴をしたが、翌日からは少し食べられるようになった。食欲不振は数日前からで胃疾患の影響というより、コロナ関連と判断されるような経過ではある。

 甲状腺癌術後で外科フォロー中なので、退院後は基幹病院の消化器内科に紹介することにした。このまま無事に隔離期間を過ごしてほしい。

(後日記) 無事に退院となって、2週間後に基幹病院消化器内科の外来を予約した。返事が来て、胃癌(スキルス胃癌)・腹腔内リンパ節転移と診断されていた。手術適応はなく、腫瘍内科に紹介となるそうだ。

 

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胸部X線で分かりにくい肺炎

2022年07月17日 | Weblog

 先々週週の金曜日(7月8日)に、前日からの発熱で83歳男性が受診した。発熱外来でコロナの検査をして陰性と出て、内科新患に回されていた。

 症状は発熱としゃっくり(吃逆)が続くというもので、咳も少しある。胸部X線で肺炎はなし、と判定された。総合感冒薬が処方さえた。

 発熱としゃっくりが続いて、食欲も低下していたが、律儀に土日は受診しなかった。月曜日(7月11日)の午後に再受診した。

 発熱外来担当の先生(大学病院総合診療科からバイト)が発熱患者2名を診ていて手が回らないので、診てほしいと連絡がきた。またコロナの検査を繰り返して、陰性確認後に検査を行った。

 高齢者が風邪で高熱ということはない。胸部CTで肺炎の陰影を確認することにした。左肺上葉に明らかな浸潤影を認めた。初診時の胸部X線では肺炎と指摘することが難しい。

 さすがにもう陰影が出ているだろうと思って、胸部単純X線も撮影した。左肺炎を指摘できるかというと案外難しい。肺炎ありの目で見てしまうので、異常がありそうとは思うが。

 呼吸器科外来に来ている先生にも初診時の胸部X線をみてもらったが、これで肺炎と驚いていた。

 

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B群溶連菌の尿路感染症・菌血症

2022年07月16日 | Weblog

 脳出血で地域の基幹病院から転院してきた89歳女性は、当院に来てから高カロリー輸液を開始していた。

 通常は2~3か月くらいに入院で、病状が安定していれば療養型病床のある病院にお願いしている。家族が療養型病床の面接に行ったが、面会のことなどで気に入らないことがあり、転院拒否となった。

 カテーテル関連血流感染症でカテーテルを抜去して、入れ替えたりしていた。尿路感染症の治療をしたりと、単純に点滴をするだけではなく、手をかけていかないと維持できない。

 

 先々週に発熱があり、尿が混濁しているという報告もあって、尿路感染症が疑われた。しかしCVカテーテルが挿入されているので、血液培養2セットと尿培養の提出が必要になる。

 前回の尿培養では、大腸菌とB群溶連菌が検出されていた。それに合わせて、セフトリアキソンで開始したが、翌日には解熱した。尿感染症でよさそうだ、後は培養の結果待ちだ、と一安心していた。

 

 血液培養提出の4本中3本からグラム陽性球菌が検出された、と報告がきた。菌名確定まではもう少しかかる。グラム陽性球菌だとカテーテル関連血流感染症が疑われる。実際、前回はコアグラーゼ陰性ブドウ球菌が検出されて、カテーテルを抜去している。

 その時は微熱が続いていたが、今回ははっきりと解熱している。前回の尿培養でB群溶連菌が検出されているので、それかもしれない。

 グラム陽性球菌で菌名不明の時は、正しくはグラム陽性球菌フルカバーのバンコマイシン使用になる。しかし今回はそのままで待てると判断しした。セフトリアキソン投与でも発熱があれば、すぐにバンコマイシンに切り替えることにして経過をみていた。発熱はなかった。

 血液培養2セットと尿培養からB群溶連菌が検出されたので、同菌による尿路感染症・菌血症と確定した。今回はCVカテーテルを抜去しなくて済むようだ。

 

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器質化肺炎、肺癌

2022年07月15日 | Weblog

 火曜日に、地域の基幹病院呼吸器内科から86歳男性が当院呼吸器科外来(非常勤医)に紹介されてきた。

 2017年に市内の内科クリニックから、肺野異常影で基幹病院に紹介されていた。右肺に非区域性の陰影が胸膜直下をスペアする形でぐるりと前から後ろに回ったようだ分布だった。

 気管支鏡検査の結果、器質化肺炎と診断された。プレドニン30mg/日から開始して軽快していた。6mg/日まで漸減して再燃して、増量後の漸減でも8mg/日で再燃して、プレドニン10mg/日で継続となっていた。

 また右肺上葉に結節影があり、「肺癌と判断されたが、精査・治療対象にならず、緩和ケアのみの方針になった」、と記載されていた。

 もともと糖尿病があり、ステロイド糖尿病も加わっていた。糖尿病科で診ていたが、DPP4阻害薬とグリニドの投与でHbA1cが10%だった。これはインスリンを要するようだ。

 6月から食欲も低下して、歩行も困難となって通院が難しくなってきたので、後は当院で診てほしいという紹介だった。

 

 呼吸器外来を診ていた先生から連絡がきた。ストレッチャー(介護タクシー)で受診したが、まったく動けない状態で褥瘡もあるので入院で診てほしいという。

 先方の画像が3月までのものしかなかったので、胸部CTで確認した。右肺上葉の肺癌(CEA8.8)はやや増大していた。器質化肺炎と指摘されるまでは喫煙していて(60年以上)、ベースに気腫性変化があった。

 器質化肺炎自体はプレドニン10mg/日で安定しているようだ。肺癌は経過をみるしかない。入院してリハビリをしても介助で車いす移乗くらいがやっとだろう。妻と二人暮らしで、在宅介護は困難だ。ある程度入院で経過をみて、施設入所を目指すことになる。

 

 木曜日に呼吸器外来に来てもらっている先生に、画像をみてもらった。肺気腫があり、胸膜直下の肺自体がダメージを受けている。胸膜直下をスペアする形になっているのは、器質化肺炎が比較的正常な胸膜内側の肺を非区域性に侵した、ということらしい。

 

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久々のCOVID-19肺炎

2022年07月14日 | Weblog

 火曜日に保健所から、COVID-19に罹患した患者さんの外来アセスメントに依頼がきた。82歳男性で、受診時には発熱はなかったが、酸素飽和度は92%(室内気)と低下していた。動くと息切れがある。

 外来アセスメントで問題がなければ、療養施設に入所の予定で、その準備もしてきていた。県で手配した車で来院した。

 胸部CT撮影は、2台あるCT室の普段は使用していない方を使って、COVID-19患者専用として行っている。待機する場所も外来にはないので、CT室で血液検査も行うことになっている。

 放射線技師さんから声が上がった。最近は入院になるような患者さんでも、肺炎をみることはずっとなかった。今回は胸膜直下にすりガラス陰影が散在していた。

 これまでもっと陰影が広がった患者さんも当院で診てはいた。悪化した時は高次医療機関に搬送となるが、低流量酸素でみれる場合は、抗ウイルス薬や抗炎症薬(デキサメサゾン)を使用して反応をみていた。

 

 この患者さんは気になる点があった。まずこの日発症5日目で、7日目~10日目にかけて悪化してゆく可能性がある。また血液検査で白血球11500・CRP18.7と炎症反応が高値だった。リンパ球も5.3%と大分低下している。

 細菌感染症ならば普通の値だが、COVID-19 としてはかなり悪い。COVID-19では大抵は白血球は減少か正常域で、上昇することは少ない。またCRPもCOVID-19としてはかなり高い。軽症だと1~2くらいで高くても5くらいだ。中等症以上だと10以上になるが、18は高い。

 酸素投与はまだ2L/分程度だが、進行が危惧される。このくらいで搬送かといわれるかもしれないが、悪化の予感を優先した。

 保健所に連絡して地域の基幹病院の感染病棟にお願いすることにした。(当院は、軽症だが介護の手がかかる超高齢者を引き受ける方が向いている)

 

 オミクロン株のBA.5は肺炎になりやすいというニュースが出ていた。ずっと肺炎のないCOVID-19症例が続いているので、典型的なコロナの肺炎像をみるのは久しぶりだった。

 

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ビプレッソ徐放剤

2022年07月13日 | Weblog

 先週の月曜日に、救急搬入が2件続いた。救急外来担当は,、バイトで来ている大学病院総合診療科の先生だった。最初の肺炎を引き受けて、2人目の急性腎盂腎炎の71歳女性を内科の別の先生に依頼した。

 血液培養2セットと尿培養を提出していたが、翌火曜日に血液培養2セットからグラム陰性桿菌が検出されていた。セフトリアキソンを開始している。その日も高熱があったが、食事摂取は良く、重症感はなかった。3日目の水曜日には解熱した。

 血液培養2セットから感受性良好な大腸菌が検出された。後は投与期間だけの問題になる。

 

 年齢はまだそれほどではないが、認知症で精神科病院に通院していた。処方は、ガランタミン24mg/日(最大量)・メマンチン20mg/日・ビプレッソ徐放剤50mg(就寝前)・リスペリドン1mg/日(昼)だった。ビプレッソ徐放剤が処方されているのは初めて見た。

 

 ビプレッソ徐放剤はクエチアピン(セロクエル)の徐放剤。セロクエルだと1日3回内服になるところを、1日1回内服で効果が持続する。

 ピプレッソ徐放剤は50mg/日で開始して、150mg/日~300mg/日と増量するとなっている。(この患者さんでは、リスペリドンと併用しているのがよくわからない) 

 セロクエルは適応が統合失調症で、ビプレッソ徐放剤は双極性障害におけるうつ状態の改善になっている。これは適応をとっているのがそうだということで、統合失調症にも、双極性障害のうつ症状にも躁状態にも効くそうだ。

 クエチアピンは多元受容体作用抗精神薬(MARTA)で、ドパミン受容体(幻覚や妄想の改善、躁状態の改善)、セロトニン受容体(陰性症状の改善、うつ・不安の改善)、ヒスタミン受容体(不眠の改善、食欲の改善)、アドレナリン受容体(興奮の抑制)、アセチルコリン受容体に作用する。

 MARTAでは、オランザピン(ジプレキサ)のほうがクエチアピン(セロクエル、ビプレッソ)より、効果・副作用ともに強いそうだ。

 内科では夜間不穏で使用するので、セロクエルを夕食後(か就寝前)に内服して、日中は効果が切れるようにすることが多い。現在使用している患者さんでは、最大75mg/日まで使用した。日中も効かせたい認知症の患者さんで、50gmg/日を分2(朝夕)で処方している。

 1回25mg1日2~3回から開始して、漸増して150~600mg/日まで(最大量750mg/日)とあるが、内科でそこまで使用することはないだろう。(100mg錠、200mg錠もある)

 

 向精神薬は、教科書の記載を見て使用するが、やはり精神科医が実際に使用しているのを見るのが参考になる。地域の基幹病院の精神科医は(重度の)夜間せん妄にロナセンテープを使用していた。転院してから、効きすぎで3枚/日を1枚ずつ減らしていったりする。

 デジレルも教科書の記載にはあるが、実際に使用しているのを見て、当院でもせん妄リスクのある患者さんの不眠に頻用するようになった。

 

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頭部の帯状疱疹

2022年07月12日 | Weblog

 6月27日に高血圧症などで通院している79歳男性が受診した(予約日)。前日からの頭痛があるという。頭痛は右側頭部にあり、突発したわけではなく、重苦感が続いているそうだ。

 意識清明で、特に神経症状はない。普段は頭痛はない方なので、頭部CTを行ったが、まったく異常はなかった。アセトアミノフェン(頭痛時400mg屯用)を処方して経過をみてもらうことにした。

 その後、7月1日には咽頭痛を訴えて耳鼻咽喉科外来を受診した。咽頭に軽度発赤ありとして、咽頭炎として処方が出た。

 7月4日(月)に右側頭部から後頭部にかけて水泡性病変が出現して皮膚科を受診した。帯状疱疹と診断されて、抗ヘルペスウイルス薬のアメナリーフが処方された。

 土日なので受診してなかったが、水疱は2日には出初めていたのではないか。頭痛が帯状疱疹の皮疹出現前に疼痛が先行したということになる。通常は、疼痛先行は2~3日くらいという印象があるが、今回は5~6日先行したことになる。

 皮疹はしだいに痂疲化していったが、血圧が低くくなり、100未満でふらふらするようになった。皮膚科医は処方薬のためかもしれないと気にしていたようだ。7日木曜日の時間外に自宅から、血圧が低いがどうしたらいいかと病院に連絡があった。翌朝の降圧薬を休止するように指示された。

 8日金曜日に、皮膚科外来の後に内科外来に回ってきた。確かに血圧が80台~100くらいになっている。心疾患などの発症によるものではなく、降圧薬の効きすぎだと判断された(降圧薬はARBとCa拮抗薬の合剤)。降圧薬はしばらく休止してもらうことにした。

 食欲がないので点滴してほしいと希望されたので、1本外来で行った(ソルデム1・500ml+サブビタン1A)。昨日も(11日)、皮膚科外来の後に内科に寄った。 

 血圧は100~110でふらつきはなかった。そのまま降圧薬は休止してもらうことにした。前回点滴してもらって良かった、助かりましたと、随分と喜んでいた。症状は軽快しているが、今日も受けたいと希望された。

 点滴の内容からいえば、たいしたものではないが、点滴をしたということが気分的にいい感じになったのだろう。頭痛の性状を改めて訊いてみたが、神経痛らしい電撃痛ではなく、重苦しかったという。

 

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