食道癌・多発性肝転移・多発性骨転移の患者さんが入院しているので、「間違いだらけの緩和薬選びVer.4」を読み返していた。第1版から第2版、第3版、第4版と購入してきた。
緩和ケアは主にこの本に従って行っている。予後週単位から日単位になった時のステロイド(当院はデキサメサゾン)使用で、効果を実感できたのはこの本のおかげだ。第4版では大津先生はクリニック(早期緩和ケア大津秀一クリニック)に転身されていた。
以前(10年前)に比べると、癌患者さんの緩和ケアを担当することは随分減ってしまった。医療用麻薬の使い方(特に静注薬)の馴染んだころに患者さんが亡くなると、いうのを繰り返している。
食道癌の患者さんは、ロキソプロフェン3錠分3、アセトアミノフェン500mg4錠+トラマドール25mg4錠分4で、かなり疼痛が治まっていて、強オピオイドにしないままで来ている。
大津先生に本によれば、トラマドールはオピオイド換算表でモルヒネ(内服)の1/5だが、実際の効果は1/10ということだ。トラマドール100mg=モルヒネ(経口)10mg相当になる。
別の患者さんで多発性骨髄腫の高齢男性も入院してる。疼痛はないが、倦怠感・食欲不振が悪化して、こちらはステロイド投与の適応になる。