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なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

アナフィラキシー

2025年04月22日 | アレルギー

 4月19日(土)の日直当直は外部の先生(アルバイト)だった。元々は常勤医で日直当直を組んでいたが、急遽来てもらえることになった。当方はその日の当直だったが、その時間帯で入院がある時の内科当番に変更となっていた。

 夕方に連絡が来て、30歳代前半の男性の急性アルコール中毒を入院させたいという。点滴で翌日まで経過をみてもらうことにした。

 

 午後9時ごろにまた連絡が来て、アナフィラキシー疑いの80歳女性を入院させたいという。その日の午後に急に舌の奥がイガイガして腫れたように感じた。様子をみていたが、症状が続くので救急要請した(一人暮らしの方で自分で要請)。

 3つ隣の町在住で、近くの内科医院に高血圧症などで通院している。血圧は165/93とむしろ高めだった。体温が37.0℃と微熱があるが、他のバイタルは酸素飽和度を含めて正常域だった。

 喘鳴はなく呼吸困難感はない。嗄声もないので、病変は主に咽頭で喉頭には少なくともひどくは及んでいないようだ。

 「アナフィラキシーとは確定できないが、それに準じてアドレナリン筋注(0.3mg)を行って、症状は軽快している」といっていた。(H1ブロッカー、H2ブロッカー静注も行っていたが、ステロイドは入れていなかった)

 

 翌日の日曜日に病院に診に行くと、急性アルコール中毒の患者さんは朝食後に退院になっていた(入院させた先生が朝に診て、退院を許可していた)。もともとアルコールが弱い人だそうだが、バーベキューをしてつい飲んでしまったという経緯だった。

 アナフィラキシー疑いの患者さんは咽頭症状は消失していたが、食欲が出ないといってた。おかずは匂いが気になって食べる気がしないという。ご飯は食べられるというので、食べやすいようにペースト(梅や海苔)をつけてもらうことにした。その時は嘔気、腹痛、下痢はないといっていた。

 東京在住の娘さんが、翌月曜日の午後に病院に来て、そのまま自宅まで連れて行く段取りができていた。では明日まで病院にいて下さい、と伝えた。

 

 月曜日に病室に診にいくと、その日の朝食は半分食べたという。日曜日は昼食を食べた後、午後になってから嘔吐していた。夕食は食べず、水分だけとっていたそうだ。

 時間差はあるが、消化器症状も伴ったことになる。アナフィラキシーは皮膚・粘膜症状 +(気道・呼吸症状 or 循環器症状 or 消化器症状)なので、定義を満たす。

 診てくれた先生が、アレルギーの病歴を詳しくとってくれていた。この患者さんは、食物(セリ、フキノトウ、キク)や薬剤(複数)にアレルギー症状(具体的な症状までは不明)があり、アレルゲンの検査でスギ、ブタクサが陽性だった。

 症状が出た日は、特に新規の薬剤はなく、昼食は自分で作ったチャーハン(卵だけで肉やハムは使用していない)とスライスした生の玉ねぎを食べた。

 新玉ねぎなので、普段はスライスして水にさらしているが、その日は水にさらさないまま食べたという。これが悪かったのでしょうか、といっていた。

 

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