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なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

腸閉塞

2025年06月16日 | 外科疾患

 6月14日(日)は内科の当番だった。日当直は外部の先生(バイト)で、入院が必要な患者さんがいれば連絡が来る。

 その日の先生は数年前から来ている。入院でもおかしくない患者さんでも、外来治療をして週明けの月曜日に受診させることが多い。従って入院させたいという連絡はめったに来ない。

 14日は午前11時半に電話連絡が来た。患者さんは70歳代後半の男性で、当院の消化器内科(早期胃癌ESD後、施行は他院)と脳神経内科(脳梗塞後遺症)に通院している。

 先日から腹部膨満があり、食事がとれなかった。腹部CTで小腸が全体的に拡張して・消化液とガスの貯留があった。「イレウスで入院させたい」という。

 腹部手術の既往はないという。(総胆管結石の既往があり、ラパ胆もしているかもしれない)。さらに血液検査でCRPが23.0と著明に上昇している。

 当院は外科常勤医がいないので、腸閉塞は保存的に経過をみれそうな術後腸閉塞でも現在は紹介している。さらに今回は炎症反応からみて腸管壊死の可能性がある。腹痛は自制可で嘔気は訴えていないというが、絞扼性腸閉塞の可能性もある、地域の基幹病院外科に紹介搬送してもらうことにした。

 

 今日患者さんの検査結果と画像を確認した。小腸の拡張・消化液の貯留があり、腸閉塞は間違いない。虫垂炎の穿孔などは指摘できなかった。腸間膜にwhirl sign(血管の渦巻き)も疑われた。腹腔内の腹水が貯留して、腸間膜の炎症像も目立つ。

 絞扼性腸閉塞を来している可能性があり、当院では単純CTだけなので、造影CTで腸管の血流障害の有無を確認するはずだ。そしておそらく緊急手術になったのではないか。

 検査結果は肝機能障害・腎機能障害はなかった。白血球は5300と上昇してないが、やはりCRP23.0は高値は炎症の進行を示している。Hb18.9は脱水症の結果だが、血小板が9900と低下していた。これは担当した外科医もびっくりしたと思う。

 血圧も90mmHg台で、高血圧症で降圧薬を使用している患者さんとしてはショック状態だろう。搬送してもらってよかった。

 

 

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