6月13日(金)に両下肢・左上肢の脱力で、20歳代前半の男性が救急搬入されていた。軽快・増悪を繰り返していたが、症状が悪化して救急要請した。
その日の救急外来は非常勤の若い外科医が診ていた(入院の時は常勤医に連絡)。意識は清明で、脱力も中枢神経疾患らしくないが、血液検査を提出した後に頭部MRIを行っていた。MRIでは異常はない。
38℃の発熱があり、上気道症状はないが、新型コロナとインフルエンザの迅速検査が自動的に提出されて両者陰性だった。白血球5400・CRP0.2と炎症反応は陰性だった。
血清カリウムが2.5と低下していて、低カリウム血症による脱力(筋力低下)と判断されていた。若い男性で低カリウムということで、甲状腺機能も追加で提出していた(院内で測定できる)。
周期性四肢麻痺を疑っていた。地域の基幹病院の脳神経内科に連絡して、受け入れOKで搬送となった。搬送直前に甲状腺機能検査の結果が出て、甲状腺機能亢進症(TSH<0.01・FT3 8.69・FT4 1.97)と判明して、診療情報提供書に記載に間に合った。
診断は、バセドウ病(甲状腺機能亢進症)による低カリウム血症性周期性四肢麻痺。神経疾患の項目にも記載されているが、脳神経内科で診るのか、それとも糖尿病・内分泌科の担当になるのか。
内分泌に詳しい内科の若い先生に訊くと、この疾患ではカリウム値の変動が過敏で、ちょっと補充すると急に上昇したりするそうだ。当院は土日は検査技師はいないので、簡易検査(試験紙法で誤差あり)しかできない。送って正解とのことだった。
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