なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

今日は内科新患

2014年02月18日 | Weblog

 内科学会の実践的障害教育プログラムの申し込みをした。なかなかつながらず(申し込みが殺到したのだろう)、結局希望するセッションには申し込めなかったので、違うセッションに申し込んだ。皆さん相当に積極的なんだと思った。

 午前中は内科新患を診ていた。先月肺炎が治って退院した89歳男性がまた発熱で受診した。施設に入所していて、職員が連れてきた。施設でインフルエンザに罹った入所者がいて、それを心配してきたが、この方は発熱があれば肺炎だ。胸部単純X線では見づらいが、右下肺野にかなりの浸潤影を認めた。前回、前々回はユナシンで治癒したが、はたして今回はどうか。

 やはり80歳台の男性が隣の市にある公立病院からの紹介で受診した。海苔巻を詰まらせて、救急搬入されたそうだ。住所は当市と隣の市の境にある。大雪の日で当院での受け入れができなかったらしいが、詳しい事情はわからない。誤嚥性肺炎の治療をしたとあるが、認知症で通常の治療が難しかったらしい。今日はおとなしく車いすに乗っていた。胸部X線とCTで2-3cmの陰影を認めたが、今回の誤嚥性肺炎か以前からの陰影か不明だ。食事はとれるという。抑制して入院させるよりは、経口抗菌薬で経過をみて、回復しない時に入院を考慮することにした。認知症でかなり暴れた時期があったそうだが、今はおとなしい(年齢的にしだいに弱ってきたというべきか)。ただし、環境が変わると不穏が目立ってしまう。

 まだ通読できていない「電解質輸液塾」を読んでいる。慶応大学の医学生向けの講義をベースにしているので読みやすい。購入したままになっている糖尿病の本は次に読むことにしよう。TSUTAYAでレンタルした「Body of Proof」が面白い。

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また骨髄穿刺ーMDS疑い

2014年02月17日 | Weblog

 内科医院から84歳男性が直腸癌で当院の外科に紹介された。入院して手術前の精査を開始したが、いろいろと問題だあった。もともと当院に呼吸器科があったころ、間質性肺炎で経過観察されていた。CT上は気腫性変化も多少あるが、確かに間質性肺炎だった。貧血と白血球減少もあった(血小板数も正常下限からやや減少へ)。これまでの経過が不明だが、大量の消化管出血はないのに正球性から大球性の貧血だった。骨髄疾患(MDS)が疑われた。

 外科医から相談された時は、血液内科と呼吸器内科のあるがんセンターに紹介してはと答えたが、がんセンターはむしろこのような症例の手術はしない。手術できるかどうかはわからないが、まず精査ということで、今日骨髄穿刺を行った。今月2例目だ。入院後すでに輸血がなされていた。

 肺炎で入院後に腎不全が進行して意識障害に陥った高齢男性は金曜日の夜に、心不全・腎不全で入院したこさらに高齢の男性は今朝方に亡くなった。治癒退院した高齢女性もいて、20名だった入院患者数は少し減った。

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地方会教育講演会

2014年02月15日 | Weblog

 内科地方会の教育講演会を聴きに行った。本当は午前中の地方会の症例発表から聴くべきだが、いつも午後の教育講演会にだけ行っていた。珍しい症例は参考にならないと思っていたからだが、最近は症例検討が一番参考になると思い直すようになった。今日は午前中用事があったが、次回は症例発表から出席しようと思う。

 大雪のせいで出席者は少なかった。九州からの講師は飛行機の欠航で来れなかった。骨髄異形成症候群(MDS)とウイルス性肝炎の講演が興味深かった。MDSは時々診ていて、昨日も外科に直腸癌で入院した80歳台の男性が貧血と白血球減少があり、軽度の大球性貧血でMDSが疑われて、月曜日に骨髄穿刺をする予定だ。年齢的に輸血しか治療はなさそうだが、まず診断を確定する必要がある。ウイルス肝炎、とくにC型肝炎の治療は治療薬の進歩で専門医に紹介しないとできなくなってきた。

 200回の記念講演として、名誉教授の講演があった。話自体よりも、80歳を過ぎても今だに検診協会の会長を務めていて、骨髄バンクや病院ボランティアの育成の仕事をしていることがすごいと思った。唯我独尊の教授が多い中で人格者の先生だったが、退官後の人生が充実しているのはそれゆえなのだろう。

 昨日は若手医師セミナー(中継)に行った。佐藤雅史先生の胸部X線の講演だった。肺癌初期の陰影の話は良かった。ケアネットDVDを持っているので、改めてまた見ることにした。会場に行ってのセミナーはこれが最後で、今後はネット配信になるそうだ。通常は中継で見ていたが、東京の学会に行った時や講師を直接見たい時(林寛之先生)はベルサール神田に行った。若手医師に混じって参加するのは気恥ずかしいので、ネット配信はありがたい。

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今日は入院がない

2014年02月14日 | Weblog

 昨夜入院した17歳女性は、病室に行くとなんでもないような顔をしていた。母親が来て、午後から退院になった。かかりつけの精神科医院に明日連れて行くという。心因性というのはわかっているようだ。母親の理解としては、学校で何かあるとこうなるというものだった。家庭の問題もありますよと、余計なことを言う必要はない。当直で診た外科医は、(先月赴任したので)初めて見てびっくりした様子だった。今後来たら、ドルミカムを使うことにした。ヒステリー性てんかんという病名でいいですがと、事務で聞いてきた。ヒステリー発作という病名では入力できないそうだ。ヒステリー性てんかんとは、心因性にてんかん発作様の症状を呈するということでいいのだろうか。この患者さんは、間代性けいれん様の動きをする時と、舞踏病のようなゆっくりとした動きをする時がある。

 5~6年前に他院でてんかんの処方を受けている30歳台の女性が、てんかん発作として入院した。良くなって退院する日にまたけいれん発作(強直性)を起こした。主治医が用事で帰った後だったので、代わりに診察した。抗けいれん剤を点滴静注しようとしているうちに、発作は治まり、急に携帯電話のメールを打ち出した。これは心因性だと思って、「これはてんかんではなくて、心因性の症状だねえ」と看護師さんに向かって言ってみた。その後は何事もなく、退院していった。昨年てんかんの講演会で、てんかんとされている心因性の発作を一晩ビデオ撮影して診断する様子を見せてもらった。

 今週初めに入院した78歳男性は肺炎の悪化はそれほどでないものの、もともと悪かった腎機能が悪化してきた。意識レベルも低下して、嚥下もできない。外来で診た時から年齢以上老化している印象があったが、予想通りの展開になりそうだ。抗菌薬と変更したり、できる範囲で治療してみるが、むずかしそうだ。

 今日は内科新患を診ていたが、施設に勤務している30歳女性が嘔吐下痢で受診して外来で点滴をしたが、それ以外は外来処方のみで入院はなかった。施設の入所者にノロウイルス感染がみられるので検査したが、意外に陰性だった。ノロウイルス神速試験の精度はどのくらいなのだろう。

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いろいろ取り混ぜて

2014年02月13日 | Weblog

 循環器科に心房細動・心不全・糖尿病で通院している86歳男性が、数ヶ月前から食欲が低下して体重が5kg減少して内科新患を受診した。胃の大部分が胸腔内にある食道裂孔ヘルニアがあるので、そのためかと思ったが、4年前からあったものだった。ざっとCTで見たところでは、明らかな悪性腫瘍はない。一人暮らしをしているという。食事の支度もままならないのではないがと思われる。利尿剤が効きすぎて脱水気味になって、血清クレアチニンが1ケ月で少し上昇している。生活と年齢の問題のようだ。連れてきた親族が入院させてほしいというので(まあそうだろう)、入院して経過をみることにした。認知症はない方なので助かった。

 精神科病院に認知症で通院している90歳女性が発熱と嘔吐で救急搬入された。右肺炎を認めて入院になった。お嫁さん(といっても、それなりに高齢)は、付き添いのことだけ気にしていた。病院で預かるので基本的に付き添いは不要と伝えると喜んでいた。病棟に上がるとさっそく動き始め、点滴を抜かれないように看護師さんに抑制されていた。

 家に帰って、ココイチにカレーを食べに行っていた。当直の外科医から電話がきた。17歳女性(高校2年生)がけいれん様の発作で救急搬入されたという。セルシン静注が効かず、ドルミカム点滴静注で治まったという。昨年に何度か同じ症状で救急搬入されていて、9か月ぶりだった。当初はてんかんを疑われて、神経内科で脳波検査を3回行ったが、異常はなかった。てんかん専門医にも紹介されたが、てんかんではないでしょう(心因性)と判断された。首を左右に振るので、てんかんではないのだろう。動きが治まった後の動きも良すぎる。救急搬入された時に、さまざまな医師が対応していて、どれに従ったらよいか外科医は迷ったらしい。小児神経が専門の小児科医がドルミカムを使用していて、その対応が一番いいらしいということになった。とりあえず、一晩点滴を継続して経過をみて、また動くときはドルミカム使用で対応することで短期入院となった。

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ヘルペス脳炎、タバコ10本

2014年02月12日 | Weblog

 84歳女性が小規模病院から不明熱として紹介されてきて、内科の若い女性医師が診察した。意識障害があり、発熱だけでは説明できなかった。炎症反応は中等度に上昇していた。頭部CTが添付されてきたが、右側頭葉が低濃度になっていた。脳炎髄膜炎の疑いということで、救急室に診に行った。

 高齢だがADLは自立していたそうだ。1週間前から言動がおかしくなり、発熱もあり、近くの病院に入院した。発熱が続いて、意識障害が進行してきて今日当院に転送された。頭部MRIをみると。右前頭葉と側頭葉に拡散強調画像で高信号を認めた。脳梗塞にしたはおかしい。神経内科医(当院1名のみ)に診てもらうと、ヘルペス脳炎と診断された。たまたま当地域の基幹病院の神経内科医が、外来の手伝いに来ていた。そのまま、転院をお願いして、救急搬送となった。(神経内科医が4名常勤だが、担当は一番若い先生になるようだ)

 ヘルペス脳炎を診る機会はほとんどないので、貴重な経験だった。初診の先生の診断が正解だったことになる。診断治療は神経内科にお任せになるが、今日は相談の流れがいつにないくらいスムーズだった。ただ、脳炎としては結構進行しているそうで、予後はきびしいという話だった。

 昨日の祝日は日直だったが、当直の循環器科医にバトンタッチして1時間くらいで、隣の地域の救急隊から搬入依頼の連絡がきた。統合失調症の患者さんが、タバコを10本飲み込んで(吐いていない)、意識消失しているというものだった。その地域にある基幹病院も手に負えないと判断されたらしい。もう3時間以上経過していて、緊急にできる処置はないので全身管理となる。まだ中年であきらめる年齢ではなかった。これは大学病院救急部か医療センター(精神科もある)しか対応できないので、そちらに直接連絡するように伝えたそうだ。今日他の先生にその話をすると、助からないよと言われた。

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今日は日直ーインフルエンザ多し

2014年02月11日 | Weblog

 今日(建国記念日)は日直で病院に出ていた。救急外来は子供のインフルエンザ(A型とB型が混在)が多かった。救急搬入は2名で、どちらも悪寒・高熱だった。歯がガチガチはなかったが、手が震えて茶碗が持てないというので悪寒戦慄でいいのかもしれない。そのうち76歳女性は急性腎盂腎炎だった。

 もう一人の82歳女性はよくわからなかった。C型肝炎があるが、肝機能は過去の検査を見るとほぼ正常域だった。今回はAST・ALTが情報していた。炎症反応上昇があり、肺炎ではないが、尿混濁は軽度だった。腹部エコーとCTで胆嚢は拡張しているが、胆嚢壁肥厚はなく、結石もない。胆嚢内にdebrisが少しある。胆道系の拡張はない。これで胆嚢炎どしていいかどうか。まず腹痛がない。肝機能の悪化が肝炎というより、胆道感染症らしい気がするが、確定できない。腎臓辺縁のケバ立ちや腎臓周囲脂肪織の炎症像はない。

 当院では、当直明けは次の日に半日の休みがもらえるが、日直には特にない。日直はずっと休みなく外来を診て、救急搬入も診るので、かなり疲れる。特に内科はそのまま主治医になるので、入院患者の負担も増えてしまう。せっかく若い先生が入って、3人態勢になったので日直の時も半日の休みをとりたいものだ。

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セフトリアキソン三連発

2014年02月10日 | Weblog

 72歳男性が高熱で受診した。昨日からふらふらして、食欲も低下していた。尿失禁してしまったそうだ。妻の話では、悪寒もあった。今日は昨日の雪が積もっていたが、雪かきをしようとしたのか外に出た。しりもちをついて動けなくなっているのに妻が気づいた。近寄ると、そのまま仰向けに倒れてしまった。意識はあった。息子を呼んで、かかりつけの内科医院に連れて行った。38.9℃の高熱があり、インフルエンザ迅速試験は陰性だった。経過がおかしいので、当院に紹介されて、家族の車で受診した。

 昨年9月に、前立腺癌で当院の泌尿器科から県立がんセンターに紹介されて、前立腺全摘術を受けていた。所見に乏しいので、前立腺炎かという見込みは外れた、胸部X線で肺炎はなかった。気道症状がまったくないが、念のためもう1回インフルエンザ迅速試験をして陰性だった(不要かと思うが病棟を納得させるためもある)。尿はかなり混濁していて、腹部CTで尿路閉塞はなかったが、両側腎臓の辺縁のケバ立ちと周囲脂肪織のdirty fat signがあるようだ。当然前立腺はなく、膀胱壁が肥厚していた。元消防士で身体がごついせいもあるのか、CVA tendernessはない。 尿培養と血液培養2セットを提出して、点滴とセフトリアキソン点滴静注を開始した。血圧は正常域でショックではない。もっとも本人は受診する気がなく、妻が受診させていて、明日まで待つと敗血症性ショックになった可能性はある。」

 今日はその他に、78歳男性と85歳女性が肺炎で入院した。両者とも明らかな誤嚥はないということで、市中肺炎として(もっとも女性は施設入所者でNHCAPではある。食欲は良好。)、セフトリアキソンを使用した。3人とも同じ抗菌薬で、何だか芸がない気もする。

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「症例から学ぶ循環器救急疾患」

2014年02月09日 | Weblog

 昨日購入した「症例から学ぶ循環器救急疾患」を読んでいる。院外心肺停止はあまり他の本にはない項目だ。月刊レジデントの特集に症例を追加して99症例が記載されているらしい。非専門医の循環器疾患の習得に適しているのではないか。左主幹部病変でaVRにST上昇が出現するのは、以前の症例で読めなかったものだ。同じ著者による「循環器・救急医のための心電図症例集」も購入しよう。医学出版の本だが、本文に比べて図や表の文字が極端に細かくて読みづらい。紙質もあまり良くない。症例ごとに1ページか、見開き2ページにすればもっと見やすくなるはずだ。医学書院だったら、もっと気のきいた装丁になるのだろうが、いかにも地味だ。ただし、4500円と値段は安い。

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漢方のセミナー

2014年02月08日 | Weblog

 今日は午後から漢方のセミナーに行ってきた。「サイエンス漢方処方セミナー」の2回目で、1回目の案内が来なかったが、何故か2回目の案内のはがきが病院宛に来た。内容はよくわからなかったが、3時間のセミナー(実際は2時間半で終わったが)なので、勉強になりそうだと思って申し込んだ。今から20年くらい前に漢方のブームがあって、よく漢方の講演会に行ったものだが、その後はあまり関心を持たなかった。

 行ってよかった。講師は北海道にある静内病院の井齋偉夫先生で、元々は外科医だというが、実践的で面白い講演だった。1回目のセミナーで詳しく話されたらしいが、前回出なかった今回の出席者のために、導入として少し話された。いわゆる西洋薬には、炎症を抑える薬としては、NSAIDとステロイドしかないというもので、確かにその通りだった。たとえば肺炎の治療には抗菌薬を使用するが、肺炎の炎症自体は自分の免疫力・修復力にお任せになっている。場合によっては抗菌薬で起炎菌は消失したものの、炎症が激しすぎてARDSになったりする。肝炎もウイルスを排除しようとして免疫が働きすぎて、悪化してしまう。漢方薬には炎症を抑える働きがあり、内臓の炎症には効果的だ。

 また頭痛や頭蓋内血腫に五苓散が良く効くが、脳内のアクアポリンに働くことが分かっている。全身の余分な水分を除去するには利尿剤が効くが、居所的な水分を除去する薬は西洋薬にはない。

 西洋薬で普通に治療して、漢方薬が効果を発揮する場面では使用するという立場だが、西洋薬では治療できない疾患は意外に多い。改めて、漢方薬の勉強をすることにした。講師の先生は著書は出していないようた。古典的な漢方の理論に拘る漢方医の本ではない方がいい。

 ちなみに、肝硬変で腹水がたまって入院した患者さんに茵陳五苓散を処方して、次の日に腹水がすっかりとれたことがある。腹膜の吸収力(500ml/日)で説明できない効果だが、これもアクアポリン?

 

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