なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

ヘルペス脳炎、タバコ10本

2014年02月12日 | Weblog

 84歳女性が小規模病院から不明熱として紹介されてきて、内科の若い女性医師が診察した。意識障害があり、発熱だけでは説明できなかった。炎症反応は中等度に上昇していた。頭部CTが添付されてきたが、右側頭葉が低濃度になっていた。脳炎髄膜炎の疑いということで、救急室に診に行った。

 高齢だがADLは自立していたそうだ。1週間前から言動がおかしくなり、発熱もあり、近くの病院に入院した。発熱が続いて、意識障害が進行してきて今日当院に転送された。頭部MRIをみると。右前頭葉と側頭葉に拡散強調画像で高信号を認めた。脳梗塞にしたはおかしい。神経内科医(当院1名のみ)に診てもらうと、ヘルペス脳炎と診断された。たまたま当地域の基幹病院の神経内科医が、外来の手伝いに来ていた。そのまま、転院をお願いして、救急搬送となった。(神経内科医が4名常勤だが、担当は一番若い先生になるようだ)

 ヘルペス脳炎を診る機会はほとんどないので、貴重な経験だった。初診の先生の診断が正解だったことになる。診断治療は神経内科にお任せになるが、今日は相談の流れがいつにないくらいスムーズだった。ただ、脳炎としては結構進行しているそうで、予後はきびしいという話だった。

 昨日の祝日は日直だったが、当直の循環器科医にバトンタッチして1時間くらいで、隣の地域の救急隊から搬入依頼の連絡がきた。統合失調症の患者さんが、タバコを10本飲み込んで(吐いていない)、意識消失しているというものだった。その地域にある基幹病院も手に負えないと判断されたらしい。もう3時間以上経過していて、緊急にできる処置はないので全身管理となる。まだ中年であきらめる年齢ではなかった。これは大学病院救急部か医療センター(精神科もある)しか対応できないので、そちらに直接連絡するように伝えたそうだ。今日他の先生にその話をすると、助からないよと言われた。

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