なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

セフトリアキソン三連発

2014年02月10日 | Weblog

 72歳男性が高熱で受診した。昨日からふらふらして、食欲も低下していた。尿失禁してしまったそうだ。妻の話では、悪寒もあった。今日は昨日の雪が積もっていたが、雪かきをしようとしたのか外に出た。しりもちをついて動けなくなっているのに妻が気づいた。近寄ると、そのまま仰向けに倒れてしまった。意識はあった。息子を呼んで、かかりつけの内科医院に連れて行った。38.9℃の高熱があり、インフルエンザ迅速試験は陰性だった。経過がおかしいので、当院に紹介されて、家族の車で受診した。

 昨年9月に、前立腺癌で当院の泌尿器科から県立がんセンターに紹介されて、前立腺全摘術を受けていた。所見に乏しいので、前立腺炎かという見込みは外れた、胸部X線で肺炎はなかった。気道症状がまったくないが、念のためもう1回インフルエンザ迅速試験をして陰性だった(不要かと思うが病棟を納得させるためもある)。尿はかなり混濁していて、腹部CTで尿路閉塞はなかったが、両側腎臓の辺縁のケバ立ちと周囲脂肪織のdirty fat signがあるようだ。当然前立腺はなく、膀胱壁が肥厚していた。元消防士で身体がごついせいもあるのか、CVA tendernessはない。 尿培養と血液培養2セットを提出して、点滴とセフトリアキソン点滴静注を開始した。血圧は正常域でショックではない。もっとも本人は受診する気がなく、妻が受診させていて、明日まで待つと敗血症性ショックになった可能性はある。」

 今日はその他に、78歳男性と85歳女性が肺炎で入院した。両者とも明らかな誤嚥はないということで、市中肺炎として(もっとも女性は施設入所者でNHCAPではある。食欲は良好。)、セフトリアキソンを使用した。3人とも同じ抗菌薬で、何だか芸がない気もする。

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