・ シネポエムというジャンルの開拓者、A・ラモリス。
フランス南部・カマルグ地帯を舞台に野生の馬と少年の交流を描いた短編。カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作品。
「白いたてがみ」と呼ばれる野生馬のリーダーは、カウボーイたちのターゲットにされる。勇猛果敢なリーダーは、なかなか捕らえられないが少年ファルコ(アラン・エムリー)には従順である。
アルベール・ラモリス監督は、ジャン=ピエール・グルニエのナレーション以外は台詞を最小限に抑え、モノクロの美しい映像でストーリー展開して、シネポエムというジャンルを切り開いて見せてくれた。野生馬の疾走シーンなど撮影には相当苦労しただろうが、その欠陥を見破られない映像に感嘆させられる。
主人公の弟役で女の子のような可愛いパスカルは、監督の息子で3年後「赤い風船」の主役となっているので、一緒に見るとその成長ぶりが感じられて楽しみが増す。
メルヘンなのにハッピーエンドではないのが消化不良に陥るが、幻の映画ともいわれた本作が映画館で上映され、DVD化されるのを喜ぶとともに、多くの人に観てもらいたいと願っている。
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