晴れ、ときどき映画三昧

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『砲艦サンパブロ』 85点

2010-11-17 12:29:39 | 外国映画 1960~79

砲艦サンパブロ

1966年/アメリカ

ピュアな主人公の哀しいサガを好演したS・マックイーン

総合★★★★☆ 85

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆80点

演出 ★★★★☆85点

ビジュアル ★★★★☆85点

音楽 ★★★★☆85点

ロバート・ワイズといえば「ウェストサイド・ストーリー」「サウンド・オブ・ミュージック」のミュージカル映画に手腕を発揮した監督だが、レパートリーは広い。リチャード・マッケナの「サンパブロ号乗組員」をロバート・アンダーソンが脚色、R・ワイズが製作・監督した3時間を超える長編大作。
この時代の中国は統一に向かって国内紛争の最中。アメリカは権益と人命を守るためサンパブロ号を出動していた。1等機関兵のジェイク(スチーブ・マックイーン)が派遣されたときは、艦内は事実上中国人に支配され、ダレ切っていた。
無骨で正義感溢れるジェイクは仲間とも中国人とも上手く行かず周りを敵にしてしまう。親しくなったのはフレンチー(リチャード・アッテンボロー)だけで艦長も持て余すありさま。
国内紛争が激しくなるにつれ外国人の排斥運動が過激となり、親米の中国人も攻撃の対象となってゆく。乗組員ポ・ハン(マコ・岩松)も犠牲となり、ジェイクに射殺される。キリスト教普及のため訪れた伝道師やアシスタントのシャーリー(キャンデス・バーゲン)の立場も微妙に。
西洋文明を東洋に普及することの困難さは幕末の日本とオーバー・ラップする。なかでも悲劇は酒場の女・メイリーとフレンチーの悲恋。
この長編を最後まで迫力あるドラマにした功績は壮大な戦争シーンとともにS・マックイーンの好演が欠かせない。職務に忠実であればある程悲劇に見舞われるという哀しいサガの男を演じると右に出るものはいない。私生活とも重なっているのだろう。ジェリー・ゴールドスミスの音楽も独特の雰囲気で盛りたてている。



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