晴れ、ときどき映画三昧

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「バックドラフト」(91・米 )60点

2018-07-10 17:35:43 | (米国) 1980~99 

・ 消防士兄弟の葛藤と火災現場の臨場感を描いて大ヒットしたエンタテインメント。




消防士経験もあるグレゴリー・ワイデン脚本を「スプラッシュ」(84)のロン・ハワードが監督。

当時最先端の特撮技術を駆使して、シカゴ消防署17小隊の男たちの火災との戦いを描いたエンタテインメント・ドラマ。

題名は消防用語で密閉した室内で不完全燃焼の一酸化炭素ガスが外の酸素が入り化学反応で爆発する現象のこと。

父が17小隊の消防士だったスティーヴンとブライアンの兄弟。殉職した父の跡を継いだ兄・スティーヴンは小隊長で英雄的存在。弟が放浪ののちシカゴへ戻り消防士になる。

新入り消防士にことさら厳しく指導する兄の心中と弟の苦悩は夫々の葛藤となって行く・・・。

兄を演じたカート・ラッセルが男らしくはまり役だ。(父と二役)仕事一筋の命知らずで家庭を顧みることに欠け家を出てボート・ハウスの独り暮らし。

弟(ウィリアム・ボールドウィン)は少年時代ヒーローだった父の死の現場にいたトラウマから消防士になることを避けていたが、20年後シカゴへ戻った消防署には小隊長の兄や父の盟友アドコック(スコット・グレン)もいた。

シリアスなドラマ進行が放火犯探しや市議会議員とブライアンの恋人である秘書の登場などが絡みサスペンスやラブストーリー色が出始め収拾がつかなくなってきた。

辛うじてドラマを締めたのが放火捜査官のロバート・デ・ニーロ、服役中の常習放火犯のドナルド・サザーランドの登場。放火犯のカギは薬品<トリクティコラレイト>。

最大のハイライトは終盤の火災現場の炎とスタントマンを使わず頑張った消防士たち。監督は結局このシーンを魅せるために最大のエネルギーをつぎ込んだ感がある。

ハンス・ジマーのテーマ曲による消防士賛歌で強引にエンディングへ持っていったが、犯罪ドラマや恋愛ものが中途半端な印象は拭えない。

4半世紀ぶりに続編ができるそうだが、最新のSFXなどで魅せ場は格段に進歩した映像や音声で驚かせてくれることだろう。シナリオの破綻がないことを願うのみ。



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