未来を写した子どもたち
2004年/アメリカ
ドキュメンタリーの持つ重み
総合 85点
ストーリー 85点
キャスト 90点
演出 85点
ビジュアル 85点
音楽 85点
NYの写真家ザナ・ブリスキがインド・カルカッタの売春窟で出会った子供達を救うため、写真教室を開いた経緯を写真仲間のロス・カウフマンと一緒に映画化。’05年米アカデミー賞最優秀ドキュメント賞を受賞している。
ここで生まれた子供達は親の仕事、即ち女の子は客を取り、男の子は世話をする以外生きる道がなく、末来を夢見ることがあってもそれを実現する道は閉ざされている。10歳から14歳の子供達はそれぞれ個性豊か。みんな家族を愛し何処か自分をあきらめている。
部外者のザナに心を開いてくれた子供達を何とか救いたいと思い立ち写真教室を開く。カメラを持った子供達はイキイキと街の様子を撮りまくる。
NYでの写真展で一躍評判となりカルカッタでもマスコミの注目を浴びるが、彼らの生活は何も変らない。ザナは教育の大切さを実感し、学校へ行かせるために家族の説得や手続きを粘り強く努力する。
写真家らしく丁寧な映像で子供達の表情もそれぞれ個性的。キルダン(ヒンズー教の詠唱)は売春窟の音楽には相応しくないという論議があったようだが、インドの感性を伝えるのに充分効果的。
カースト制が根強く、折りしもムンバイでテロ行為があったインドで、この映画の子供達は今も生活している。
8人の子供の行く末は、フィクションのようにはゆかないのがドキュメンタリーの持つ重み。是非10年後、20年後の彼らを追いかけて観てみたい。
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