・ 米国独立戦争時代を舞台に夫婦愛を描いた、J・フォード初のカラー作品。
’39は西部開拓時代の西部劇「駅馬車」、南北戦争を舞台にした「風と共に去りぬ」という不朽の名作が作られた年。
「駅馬車」のあと巨匠・ジョン・フォードが監督したのは、ヘンリー・フォンダを起用したフィクション「若き日のリンカーン」。
その2人の次回作が独立戦争時代の開拓者を描いた本作で、翌年製作された名作「怒りの葡萄」の狭間で脚光を浴びることがあまりなく、監督初のカラー作品なのに本邦公開時(49)にはモノクロだった。
NY州オルバニーで育ったラナとモホーク渓谷で農場を開拓したギルの新婚夫婦。環境の異なった2人が独立戦争の最中苦難を乗り越えて行くさまを描いた夫婦愛の物語。
ギルを演じたH・フォンダはこのとき34歳。舞台から映画デビューしたのが4年前なので、ブレイク寸前のとき。役柄も、妻を愛し農場を開墾するため懸命に働き村を守るため兵役に出征するという、ヒロインの相手役というイメージ。
ヒロインのラナに扮したのはクローデッド・コルベールでクレジットも最初に出てくる。どちらかというとロマンチック・コメディ風の女優さんなので可愛いが、「風と共に・・」のヒロインと比較されて割を喰ってしまったかも。
好演が目立ったのは、マクレナー夫人役のエドナ・メイ・オリバー。亡き夫を偲びながら気丈に農場を守る好人物を見事にこなしていた。
英軍にやとわれた先住民たちと戦う戦闘シーンはJ・フォードらしい迫力だが、最大の見どころはバート・クレイン、レイ・レナハンによるテクニカラーの美しい自然の風景。18世紀のアメリカ東部はこんな風景だったことだろう。
意外と少ない独立戦争時代を背景にしたJ・フォード監督、H・フォンダ主演の貴重な作品だ。
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