アフリカの女王
1951年/イギリス
アフリカ・ロケと2人芝居の魅力
shinakamさん
男性
総合 80点
ストーリー 75点
キャスト 85点
演出 80点
ビジュアル 85点
音楽 75点
C・S・フォレスターの原作をジョン・ヒューストンが監督、ジェムズ・エイジイと脚色した逸話の多い冒険活劇ドラマ。製作費がかさむ割に「男と女が川を下るだけの航海ドラマ」で紆余曲折があって難航したが、サム・スピーゲルがJ・ヒューストンと共同で設立した「ホライズン・プロ」が映画化に漕ぎ付けた。
男はカナダ生まれの飲んだくれで食糧・郵便を配達する川蒸気・アフリカの女王号のひとり船長。女は兄とともに独領コンゴへイギリスから渡ってきた宣教師。生まれも育ちも違う2人がドイツ砲艦「ルイザ」をお手製の魚雷で撃沈に挑むという途方もないハナシ。
キャスティングが命ともいえる作品だが、「キーラーゴ」「黄金」でJ・ヒューストンによって従来のハードボイルド・イメージ脱却に成功したハンフリー・ボガートと、イメージどおりのキャサリーン・ペップバーンに落着。見事に2人芝居の魅力あるアドベンチャー・ロマンスへと結実した。
いまでは珍しくもないが、8週間にわたるアフリカでのロケは難航を極め無事撮影できたのは奇跡と言われた。のちにK・ペップバーンは「アフリカの女王とわたし」という本を出版し憂さ晴らし。J・エイジイが倒れ代役で起用されたピーター・ヴィアテルは映画より像狩りに夢中になったJ・ヒューストンをモデルに「ホワイトハンター・ブラックハート」を書きクリント・イーストウッド主演で映画化されたほど。
主演したH・ボガートがよれよれの作業服と髭面でユーモアたっぷりにヒーローを演じたことで念願のオスカーを獲得。ライバルが「欲望という名の電車」のマーロン・ブランドだったのも驚きで、何から何までハリウッド映画史に残る作品である。
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