・ S・サランドン迫真の演技とキュートなC・マリガンのハートフル・ドラマ
日本未公開ながら、ピアース・ブロスナン、スーザン・サランドン、キャリー・マリガンという豪華キャストで描かれたハートフル・ドラマ。P・ブロスナンが製作総指揮していて監督・脚本はシャナ・フエスタ。
交通事故で突然長男・ベネットを失った家族と、彼の恋人の<苦悩と再生の物語>。
母・グレースは、深い悲しみのなか死の直前どんな様子だったかを知りたくて、入院中の追突した運転手の意識が回復するまで病院へ通い詰める。
父・アーロンは、哀しみを隠し毅然とした態度を取り続ける。弟・ライアンは、ドラッグ中毒へ逆戻り。
そんな家族にベネットの恋人だというローズが現れ、妊娠しているという。
突然の事故で家族が崩壊の危機に陥るというドラマはよくあるストーリーだけに、出演者の演技力が成否に係るきらいがあり勝ち。
本作ではS・サランドンの母親役が迫真の演技で、物語を引っ張っている。最後にどんな言葉を残したか?をケジメとして息子の死を受け止めたいという執念が伝わってくる。
ローズ役のC・マリガンは24歳ながら童顔で、キュートなティーンの役柄に不自然さがない。同年「17歳の肖像」でブレークした売り出し中の若手女優。日本なら宮あおいタイプか?
5代目ボンド役のP・ブロスナンは得意のアクションを封印、一度の過ちを悔い善き父・夫ぶりを演じている。前年「マンマ・ミーア」でゴールデン・ラズベリー賞・最低助演男優賞の名誉挽回作として挑んだ。最後に泣き崩れるシーンが見せどころだったが、好演ながら007のイメージが足を引っ張っていた。
ヒロインの引き立て役に徹しながらシッカリ存在感を魅せ続けるS・サランドンと、キュートなC・マリガンの演技比べを楽しんだ。
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