シルバラード
1985年/アメリカ
マカロニから戻ったウェスタン
shinakamさん
男性
総合 75点
ストーリー 70点
キャスト 80点
演出 70点
ビジュアル 75点
音楽 70点
ローレンス・カスダンが製作・監督した正統派西部劇。マカロニから戻ったウェスタンという雰囲気。西部の街シルバラードに集結した4人の男が悪徳牧場主を倒すため決闘するストーリー。歴代西部劇の名シーンを連想させるシークエンスが随所にあって往年の西部劇ファンが喜びそう。
マカロニ・ウェスタンが一人のヒーローが圧倒的に多かったのに対し、本作はケビン・クライン、スコット・グレン、ケビン・コスナー、ダニー・クローバーの4人がほぼ均等に出てくる。なかでも冷静だが実は人情家ペイドンのC・クライン、家族愛溢れる正義漢エメットのS・グレンが中心。それに若くて無鉄砲なエメットの弟C・コスナー、故郷へ戻る黒人ガンマンのマルのD・クローバーが絡む。友情・裏切り・家族愛・恋愛など盛り沢山だが、その分散漫な感じも否めず133分はちょっとまどろっこしい。
インパクトに欠けたのは、悪役のボス・マッケンドリック役のレイ・ベイカー。見せ場が少なく他人の土地を乗っ取り放火殺人という悪行の割に目立たない。むしろ街の顔役で保安官役コッブのブライアン・デネヒーが用心棒の仲代達也のような存在で小悪人として目立つが、肝心の決闘が盛り上がらず平盤だ。
荒涼とした大地を疾走する馬や幌馬車・酒場など舞台設定は充分なだけに、シナリオをもうひと工夫しスリム化すれば、テンポの良い西部劇の佳作として記憶に残る作品となったことだろう。
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