ジャッカル
1997年/アメリカ
ハリウッドらしい展開を楽しむ
shinakamさん
男性
総合 70点
ストーリー 70点
キャスト 80点
演出 70点
ビジュアル 70点
音楽 75点
フレデリック・フォーサイスの小説を映画化した「ジャッカルの日」のハリウッド版。随所にリメイクを感じさせるが、別物として観た方が楽しめる。
最大の売りはブルース・ウィリスとリチャード・ギアの2大スターの共演。いまではそれほどでもないが、当時は大物暗殺者ジャッカルにB・ウィリス、ジャッカルに恨みを持ち顔をしっているIRAテロリストにR・ギアという役の意外性が新鮮だった。モスクワ・ヘルシンキ・モントリオール・ヴァージニア州・ワシントンD・Cと舞台は移るがストーリーは割とストレート。弟をFBIに殺害されたチェチェン・マフィアのドンの依頼で米要人殺害を引き受けたジャッカルの殺害計画とそれを阻止するためFBIの取った措置が交互に映されクライマックスへと進む。
主演の2人ではB・ウィリスが静かな大物暗殺者らしい雰囲気が出ていた。カツラ・髭・メガネの変装がいまいちだが観客には分かり易い?。これを機に敵役が続く彼にはダイハード・シリーズで沁みついたイメージを払しょくしたかったのだろう。対するR・ギアは何でも器用にこなす俳優だが、IRAテロリストには見えなかった。その分元恋人マチルダ・メイやロシア内務省の女性ダイアン・ヴェノーラを絡ませその優しげな風貌を活かす役ドコロとなっている。おまけにジャッカルに「お前は女を守れない男だ」といわれこれがキイ・ワードとなる。
適役だったのはベテラン、シドニー・ポアチエ。FBI副長官が現場のリーダーとなって大活躍するのは不自然とはいえなくもないが、彼が演じると納得してしまう。
シナリオには突っ込みどころが多々あるもののリモコン付きのマシンガンといい、派手なアクションもあって飽きさせない展開の124分だった。気の毒だったのは台座づくりを請け負ったジャック・ブラック。試し撃ちの標的にされるシーンが妙に印象に残った。
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