北北西に進路を取れ
1959年/アメリカ
エンターテインメントのテンコ盛り
shinakamさん
男性
総合
80点
ストーリー
85点
キャスト
80点
演出
85点
ビジュアル
80点
音楽
80点
A・ヒッチコック監督の<巻き込まれ型サスペンス>。唯一のMGM作品だけにフンダンにサービス・ショットがあり、エンターテインメントのテンコ盛り状態。アーネスト・リーマンのオリジナル脚本が上手く出来ていて140分の長さもあっという間。
ジョージ・キャプランと人違いされた広告代理業の男が、命を狙われ孤軍奮闘。随所に見られるユーモア、ロマンスが場所を変えテンポ良く次々登場して観客をハラハラさせてくれる。
「午前10時の映画祭」の予告編にも登場する主人公ロジャー(ケーリー・グラント)がトウモロコシ畑で複葉機に襲撃される名シーンは前半のハイライトで申し分ない。訳も分からず拉致され酒を飲まされ車を運転させられたり、国連本部で会った男の殺人容疑者にされながら謎の女イヴ(エヴァ・マリー・セイント)に豪華列車で助けられたり息つく暇もない展開のあげくだから、一層何もないバス停でこれからどうなるのだろうと思わせるところが何ともいいタイミングだ。
後半ロジャーとイヴのロマンスへウェイトが移ってから快調さが失せてしまってヒッチがやりたかったラッシュモア山でのアクションはサービス過剰気味。有名なエンディングに至ってはとてもお洒落だと絶賛する人も多いが「考え落ち」すぎて取り残された気分。
主演はJ・スチュアートから売り込みがあったがヒッチは年を取りすぎているからと断ったらしい。実際はC・グラントのほうが年上だが、55歳ながらマザコンのプレイ・ボーイを頑張ってこなし、「泥棒成金」を上回る好演だった。母親役のジェシー・ロイズ・ランディスが年下で最初は妻だと勘違いしたほどアンバラスなのが気になった。ヒロインE・M・セイントは監督が好きな金髪美女といえるが、個人的には魅力を感じなかった。これは好みの問題。
ソール・バスのタイトル、国連ビルの無許可撮影、ラッシュモア山のセットなどスタッフの苦労をものともせず職人ぶりを発揮したヒッチコックのワンマンぶりが目に浮かぶ。
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