ワーロック(1959)
1959年/アメリカ
正統派3大スターによる異色西部劇
shinakamさん
男性
総合 80点
ストーリー 80点
キャスト 85点
演出 80点
ビジュアル 85点
音楽 80点
リチャード・ウィドマーク、ヘンリー・フォンダ、アンソニー・クインの3大スターが出演した異色西部劇。原作がピューリッツア賞候補となったオークリー・ホールで監督が赤狩りでイギリスへ逃れていたエドワード・ドミトリクで本作が復帰作。
無法のカウボーイたちに悩まされて連邦保安官が定着しない町・ワーロック。町の人たちは自衛手段として、西部を渡り歩くクレイ(H・フォンダ)を雇うことにした。問題は10年来の友賭博師のモーガン(A・クイン)が一緒であること。騒ぎの要因になることを心配するが背に腹は代えられない。何となく黒澤映画に似た展開だったが、カウボーイ仲間だったジョニー(R・ウィドマーク)が連邦保安官補に名乗りを上げ、新しい流れになる。マーシャルのクレイとシェリフのジョニーがカウボーイに対処するがその処方は食い違いがあった。
正義と悪がハッキリしていて正義が悪を決闘で倒すという正統派ウェスタンとは毛色が大分違う。人間関係も若干複雑でカウボーイにはジョニーの弟ビリーがいるし、秩序を重んじる奴もいる。クレイとモーガンは刎頚の友だがクレイに恨みをもつリリー(ドロシー・マローン)とモーガンは恋仲だった。さらにクレイが町の女鉱山主ジェシー(ドロレス・マイケルズ)と結婚を決意する。嫌われ者のモーガンの居場所がなくなってしまうことで、事件が起こる。
黄金の拳銃を持つ凄腕のクレイが颯爽としているが、ワイアットアープのようなヒーローとしては描かれていないところに評価が分かれる。時代は強いものが力ずくで統治するのではなく法と秩序のもと民意を尊重する時代に変わろうとしているのだということが根底にあるようだ。社会派で鳴らした監督らしいがその分、何回かある決闘シーンに今ひとつ歯切れが良くない印象が残ってしまったのが残念だ。
3大スターがバランスよく配置された割に、タイトルで筆頭に名前が出てきたR・ウィドマークがベテラン2人に喰われてしまったのも計算外だったかも。
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