晴れ、ときどき映画三昧

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「天国から来たチャンピオン」(78・米) 70点

2017-01-08 15:23:11 | 外国映画 1960~79


 ・ 戦前の作品をリメイクしたW・ベイティのファンタジック・コメディ。


   

 ハリー・シーガルの戯曲「天国は待ってくれる」を映画化した「幽霊紐育を歩く」(41)のリメイクを、ウォーレン・ベイテイが製作・監督・脚本・主演している。

 ベイティは、主人公を原作同様ボクシングのチャンピオンで企画。モハメッド・アリをキャスティングしようとしたが実現せず、テーマを自分が好きなアメフトに書き換えた。

 怪我から復帰しようとしていたフットボール選手・ジョー(W・ベイティ)が交通事故で亡くなったが、原因は新米天使のミスで余命はあと50年だった。

 困った天使長(ジェイムズ・メイソン)は、彼の魂を殺されたばかりの若い実業家・ファーンズワースに移り込ませようとする。気が進まなかったジョーだが、公害問題を抗議にきた教師ベティ(ジュリー・クリスティ)に一目惚れして同意する。

 妻と愛人の秘書は殺したはずの男が蘇り焦って何度も殺そうとするが失敗する。ファンズワースに成り切ったジョーは再びフットボールの世界へ乗り出す・・・。

 天国から蘇る作品は良くある設定だが、シリアスなものよりこういったファンタジーのほうが多く「オールウェイズ」(89)、「ゴースト ニューヨークの幻」(90)あたりが代表作か。

 「俺たちに明日はない」(67)でブレークしたW・ベイティはその後も第一線で活躍、女性との交際ぶりでも話題にこと欠かない大スター。本作では「ギャンブラー」(71)、「シャンプー」(75)で共演し浮名も流したJ・クリスティを指名して息の合ったファンタジック・コメディに仕上げた。

 脇を固めた天使長のJ・メイソンが、のほほんとした雰囲気で存在感を見せ、ファンズワースの妻に扮したダイアン・キャノンと愛人で秘書のチャールズ・グローディンがコメディ・メーカーとして迷コンビぶりを発揮。

 ジョーのトレーナー・マックス役のジャック・ウォーデンが、丁度クリント・イーストウッド主演のモーガン・フリーマンのような役柄で、熱い男の友情と喪失感を演じてシンミリさせてくれる。

 ご都合主義的なストーリーながら、ベイティが吹くソプラノ・サックスの音色が程よいアクセントとなって「あなたクォターバックね!」というベティの言葉に安堵したラストシーンだった。
 


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