・ 重いテーマながらサスペンス・ドラマとして楽しめる。
アラン・パーカー監督による<死刑と冤罪>をテーマにしたサスペンス。社会派として重いテーマを取り上げているが、むしろ死刑の是非は観客に委ね、サスペンス・ドラマとして仕上がっている。
死刑囚に扮したケヴィン・スペイシーは、死刑廃止運動家で大学教授でありながら妻とは上手く行かず、酒におぼれ女学生の誘いに乗って裁判を起こしてしまう不安定な男を情感たっぷりに演じている。その分彼の個性が、この死刑囚は只者ではないと思わせてしまって、最後の展開に意外性を感じさせない。
雑誌記者のケイト・ウィンスレットは、メディアの正義を信じるこのドラマのキーになるが、頑張っているもののK・スペイシーにおされ気味。謎のカウボーイ・ハットの男(マット・クレイヴィン)が存在感たっぷりで、このサスペンスを盛り上げている。
テキサスは死刑が最も多い州で、ブッシュ大統領が州知事時代に最も多かったとか。そんな背景を知っているうえでこの映画を観ると、視点が違って見えるのかも。
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