・ 多忙な日常から、癒しの空間を与えてくれる。
女性に人気がある作家でエッセイストである群ようこが書き下ろし、「バーバー吉野」で注目された新鋭・荻上直子の監督3作目。
フィンランドの静かな港町・ヘルシンキにある日本食堂を、ひとりで経営するさちえ(小林聡美)。日本のソウル・フード(おにぎり)を始め食文化を丁寧に映し出している。おにぎりもコーヒーも他人が作って(煎れて)くれたほうが美味しいというのに納得させられる。
異国で出会った3人の女性は訳ありのようだが、ここでの出会いで癒されて行く。日頃悩みを抱えている孤独な女性の共感が得られるような作品。
共演のもたいまさこ、片桐はいりも独特の存在感を持った女優だが、今回は小林聡美の清潔な美しさが際立ってみえた。全てフィンランド・ロケの醸し出す、ゆっくりと時間が過ぎる雰囲気が画面から伝わってくる。
「過去のない男」を始めとするカウリスマキ監督の常連俳優であるマルック・ベルトラが出演してるのもファンには堪らない魅力。彼が煎れた死ぬまでに一度飲みたいというコーヒーを飲んでみたくなる。
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