晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
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『赤と黒(1954)』 75点

2012-04-20 17:55:06 | 外国映画 1946~59

赤と黒(1954)

1954年/フランス

2枚目スターJ・フィリップの代表作

プロフィール画像

shinakamさん

男性

総合★★★★☆ 75

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★☆☆70点

ビジュアル ★★★☆☆70点

音楽 ★★★☆☆70点

50年代フランスの2枚目・ジェラール・フィリップ<没後50年記念デジタルマスター完全版>はスタンダールの長編小説の映画化で192分の長尺もの。有名な小説を映画化するのは大変なことだがクロード・オ-タン=ララは脚本を忠実に映像化しているため幾分冗長さは否めない。20歳の役を当時32歳の2枚目スターであるJ・フィリップ起用を熱望しただけあって、主人公ジュリアン・ソレルを単なる野心家ではなく知性溢れる内面の弱さも併せ持つナイーヴな面を引きだし、彼の代表作に仕立て上げた。色鮮やかな赤の軍服と黒の聖職服がいっそう蘇って映えていた。相手役は清楚で気品あるレナール夫人にダニエル・ダリューと利溌で若々しいマルチドにアントネッラ・ルアルディ。とくにD・ダリューは当時43歳とは思えぬ若き美貌の持ち主として存在感を見せていた。21世紀になっても「8人の女」で元気な姿を見せているのは驚きだ。
<貧しくとも卑しくはない>というジュリアンを見守る2人の神父ピラールとシェランがとても人間味があって善き師であったことが救いとなっている。
時代が変わっても女性にとって<命懸けの恋>は素晴らしいものだろうが、筆者には貧しさから這い上がろうとして誰でも利用しようとして夢破れた主人公に同情を禁じ得ない。



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