晴れ、ときどき映画三昧

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「地平線から来た男」(71・米) 60点

2014-05-25 17:22:32 | 外国映画 1960~79

 ・ B・ケネディ、J・ガーナーコンビのウェスタン・コメディ第2弾。


                    

 西部劇のコメディといえばボブ・ホープ主演「腰抜け二丁拳銃」(48)を思い出す。本作は、西部劇がピークを過ぎイタリアン西部劇が取って替わろうとしている時期で、それをギャグとして使われてもいる。バート・ケネディ監督、ジェームズ・ガーナー主演でヒットした「夕陽に立つ保安官」(68)に続いての2匹目のドジョウ狙い。

 西部にある鉱山の街に迷い込んだラティゴ・スミス。出迎えたのは鉱山主で実力者のテイラー・バートンで、凄腕のガンマン・スウィフティと間違えられる。5000ドルという条件に目がくらんだラティゴは、偶然知り合ったジャグ・メイをスウィフティに仕立て上げ契約してしまう。

 ライバルであるエームズ大佐とのイザコザ、バートンの娘ペイシャスとの触れ合い、酒場での乱痴気騒ぎ、本物のガンマン、スウィフティとラディゴの決闘など盛り沢山。

 主人公のラディゴのキャラクターは、J・ガーナーが演じたTVシリーズ「マーべリック」のパロディ。口先だけで乗り越えるギャンブラーで、ルーレットの23番がトラウマ。

 「墓石と決闘」(67)で主人公ワイアット・アープを演じたJ・ガーナーは、まるっきり違うキャラクターを飄々と演じている。その後もコンスタントに映画・TVに出演して「スペース・カウボーイ」(00)、「きみに読む物語」(04)など健在ぶりを示しているのは驚き。

 コンビのジャグ・メイ役のジャック・イーラムは悪役でお馴染みの俳優だが、藪睨みの表情がコミカルな雰囲気を醸し出し、真面目にやっているだけで面白い。前作「夕陽に立つ保安官」に引き続き、テイラー役のハリーモーガンともども盛り立て役に貢献している。

 ヒロイン・ペイシャス役のスザンヌ・プレシェットはエリザベス・テイラーに似た風貌で、トロイ・ドナヒュー共演の「恋愛専科」(62)が代表作。本作では33歳だったが、じゃじゃ馬の娘役に何の違和感もないほど若々しさを魅せている。

 懐かしいといえばTVで「ライフルマン」を観ていた筆者にとって、ガンマン・スウィフティ役のチャック・コナーズが、ユル・ブリンナーばりの黒ずくめの衣装でスキンヘッドで現れたのがとても嬉しかった。

 このあと第三弾ができなかったのは、あまりにも楽屋落ちのギャグ満載だったためネタ切れになってしまったのかも。