晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
マイペースで備忘録はまだまだ続きます。

『絶対の愛』 80点

2007-04-19 15:31:11 | (欧州・アジア他) 2000~09

絶対の愛

2006年/韓国=日本

キム・ギトクならではのラヴ・ストーリー

プロフィール画像

shinakamさん

男性

総合★★★★☆ 80

ストーリー ★★★★☆85点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★★☆85点

ビジュアル ★★★★☆80点

音楽 ★★★★☆75点

韓国の鬼才キム・ギトク製作・監督・脚本による、整形を警告したラヴ・ストーリー。年1作ペースのキム・ギトクが引退宣言したことも起因して韓国では大ヒットしたとか。原題はTIMEだが邦題のほうがぴったりくる。
韓国で大ブームの整形をこんな形で映画化するとは流石だ。まずイキナリの整形手術シーンにドギモを抜かれ、正視できなかった。女性は勇気があるなと改めて実感する。
セヒ(パク・チヨン)はジウ(ハ・ジョンウ)が2年経って愛情が冷めていないか、不安のあまり落ち着かない。突然姿を消して別人(スェヒ=ソン・ヒョナ)となって現れる。唐突な物語もギトク・ワールドに引き込まれ、2人の恋の行方の結末がどうなるか?興味深々。お互いが本当は姿・形と心が一致しない恋は成立するか確信がないまま、衝撃のラスト・シーンを迎える。
韓国マニアには2人が出会う喫茶店・彫刻公園など見所がいっぱい。ウエイトレス役で杉野希妃(ソ・ヨンファ)が出ているのも要チェック。


『ツォツィ』 90点

2007-04-19 11:40:39 | (欧州・アジア他) 2000~09

ツォツィ

2005年/イギリス=南アフリカ

心に染み入る感動的なラストシーン

プロフィール画像

shinakamさん

男性

総合★★★★☆ 90

ストーリー ★★★★☆90点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★★☆90点

ビジュアル ★★★★☆90点

音楽 ★★★★☆90点

ツォツィとは不良のことで、あのマンデラもツォツィだったという南ア共和国の現在が舞台となっている。アルソ・フガートの原作、ギャヴィン・フッド監督・脚本によるアカデミー賞外国映画賞受賞作品。
アパルトへイトの後遺症の残るヨハネスブルグで、窃盗を重ね殺人をすることも平気な少年ギャングのリーダーは、本名を名乗らずツォツィと呼ばれていた。車を盗みその中にいた赤ん坊を持て余しながらも自分の生い立ちがオーバーラップして行く。数々の映画祭で観客賞を受賞しただけあって、命の大切さを訴えるまさに感動的なエンターテインメントに仕上がっていて、R-15なのが残念だ。
埃まみれのスラム街と高層ビルの周辺にある高級住宅街の対比が鮮やかに映し出される。そこには黒人エリートも住んでいる皮肉な現実がある。その中間にドラム缶に暮らすストリート・チルドレンが自分の住みかだったという伏線が、心に染み入る感動的なラスト・シーンに繋がっていて、思わず涙が滲み出てくる。
G・フッド監督の「どんな人生にも救済とセカンドチャンスがあることを描きたかった」というコンセプトが明確に表現されていた。
出演陣も主演のプレスリー・チュエニヤハエを始め南ア人。本人もカージャックのリーダー役で出演しているヒップホップのスター・ZORAの音楽が、現地の臨場感にぴったりの雰囲気を醸し出していて秀逸。特筆すべきは赤ん坊の愛くるしさで、この映画の主役とも云える。