晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
マイペースで備忘録はまだまだ続きます。

『フランシスコの2人の息子』 85点

2007-03-25 17:32:06 | (欧州・アジア他) 2000~09

フランシスコの2人の息子

2005年/ブラジル

思わず涙腺を刺激する、感動の家族愛

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shinakamさん

男性

総合★★★★☆ 85

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★★☆85点

ビジュアル ★★★★☆80点

音楽 ★★★★☆85点

ブラジル映画の興行記録を作った実在のミュージシャン「ゼゼ・ジ・カマルゴ&ルシアーーノ」をモデルにした家族愛の物語。貧しい小作人のフランシスコ(アンジェロ・アントニオ)とエレーナ(ジラ・バエス)夫妻が奮闘する家族愛が思わず涙腺を刺激する。
監督のブレノ・シウヴェイラはあくまでブラジルの国民的スターの伝記映画になるのを嫌って、事実をもとに作ることに拘ったらしいが、それが見事に成功した。とくにオーディションで見つけたミロスマルとエミヴァウの兄弟の純粋さ無くして、この映画は有り得ないとまで思わせるほどの素晴らしさ。
バス・ターミナルでライブをするシーンやエージェントに騙されて巡業先で唄うところは感動的。悲惨な事実と違って、変に暗い話に写らなかったのはブラジルの青い空と広い大地のせいだろうか?父親の狂人的な兄弟への想い入れを影で支え「私は子育てをした」という母エレーナの言葉が印象的。
全編に流れる音楽を監修したカエターノ・ヴェローゾのセルタネージョが情緒たっぷりにいつまでも耳に残っている。


『パリ、ジュテーム』 80点

2007-03-25 13:52:47 | (欧州・アジア他) 2000~09

パリ、ジュテーム

2006年/フランス=ドイツ

40年ぶりパリ賛歌のオムニバス

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shinakamさん

男性

総合★★★★☆ 80

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★★☆85点

ビジュアル ★★★★☆80点

音楽 ★★★★☆80点

クローディ・オサールのプロデュースによるパリを舞台に18人の監督が5分間づつ受け持ったオムニバス。「パリところどころ」以来40年ぶりの試みで、何れも甲乙付けがたい出来で楽しめた。その原因は、パリが持つ色々な顔の魅力とそこに出てくるサマザマな人々の想いがバランス良く描かれていること。話はバラバラなのにひとつの物語として纏まっている。
先ず「パヒューム・ある人殺しの物語」のトム・ティクヴァ監督で、ナタリー・ポートマン作品が作られパイロット版となった。なかなかお洒落なミニ・ストーリーが見本となって、コーエン兄弟が異色俳優、スティーヴ・ブシェミを起用した2作目を完成。ガス・ヴァンサントなど世界各国の監督が顔揃えした。
お気に入りはイザベル・コイシェ監督のバスティーユ編。白血病の妻(ミランダ・リチャードソン)と別れようとした夫(セルジオ・カステリット)。同じ料理しか作らない平凡な繰り返しの日常生活に新鮮味を感じなくなっていたのに、死を迎えようとしている妻を改めて見直す。お洒落なレストラン・赤いコートに隠れた夫婦の物語だ。
もうひとつ、アルソンフォ・キュアロン監督のモンソー公園編。いかにも訳ありな初老の男(ニック・ノルディ)と若い女(リュディヴィーヌ・サニエ)の出会い。会話に出てくるギャスパールという男が何者なのか?とてもウィットのある作品だ。