少しばかり前の記事ですが、12/6付・神戸新聞WEBニュースから引用。
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市職員の倫理意識アンケート7割が未回答
不祥事続く兵庫・西宮市
兵庫県西宮市の職員や教員の不祥事が相次いだため、同市が市職員と市立学校の教職員約6千人を対象に行った倫理意識を問うアンケートで、回収率が31%にとどまったことが5日、分かった。約7割が回答しない結果に、石井登志郎市長は同日の市議会本会議で「ショックだ」と落胆を隠さず、市は未回答者に対する再調査を始めた。
市は10月、市長部局や上下水道局、中央病院、教育委員会(市立高校教員も含む)などの職員と、県が人事権を持つ市立小中学校の教員を合わせた計6062人を対象にアンケートの記入を求めた。「公務員の倫理を意識しているか」「内部公益通報制度を知っているか」などの問いに匿名で答える内容だったが、回答者は1880人だった。
市議会本会議で矢野正史議員(政新会)に回答率の低さを問われた石井市長は「ショックを受けた。信頼回復に向けてやる以外にない」と述べた。(初鹿野俊)
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『約7割が回答しない結果に、石井登志郎市長は同日の市議会本会議で「ショックだ」と落胆を隠さ』なかったアンケート回収率の部署別実績は、以下の通り。
ダントツトップは消防職の82%で、さすが...
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ただ私、「市は未回答者に対する再調査を始めた」というところについては、重要なのは、そこか???と思ったりもするんですよね。
というのも、
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①これだけの回答があれば概ねの傾向は分かるのでは?
②むしろ高い意識を持って回答してくれた職員の意見にできるだけ早く、きちんと答えを出していくことこそが重要なのでは??
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と思うので。
まず①についてですが、市当局が行ったアンケートの実施結果は以下の通り。
ちょっと見にくくて申し訳ないのですが、ご容赦ください。
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こういう言い方はなんですが、
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●「常に公務員としての意識を持っているか?」という質問に対しては、多くの方が、程度の差はあれ「持っています」と回答。
●「あなたから見て公務員としての倫理が足りないと思える職員はいますか?」という質問に対しては、2/3の職員が程度の差はあれ「いる」と回答。
●内部公益通報などの制度をきちんと把握・理解している職員は全体の半数程度
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というのは、おそらく回答者数が増えたところで、そう大きくは変わらないのでは???と思うんですよね。
だったら、これで現状把握としては十分ですし、これ以上、回答者を増やしたところでなあ...と。
で更に引っかかっているのは、②の「大事なのは、せっかく回答した職員の問題意識に答えを出していくことでは???」という観点です。
私、ここをこそ重視するべきだと思ったので、アンケート実施の際に、自由記述欄の設置を求めたんですよね。
そこらへんの経緯については、こちら。
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【ご参照】
大切なのはあげられた意見を真摯に受け止め、組織として誠実に対応すること。これからの展開に期待しています!@2019年10月のブログ
で実際、自由意見はかなりの数が上がってきているようなんですよ。
一方で、そこについては整理がまだできておらず、当分、報告は出来ないそうな。
それに加えて、再調査を進めるということであれば、なおのこと対応は遅れるのでは???と思うわけで。
「回答率が低いので、回答期間を延長して再度、回答を求めていく!」というのは、対症療法でしかないと思うんですよね。
回答率が低い背景には「これに答えて、なんか意味あるの???」とか「忙しくて、それどころちゃうねん...」とか、いろんな思いがあると思うわけで。
だったら、やるべきなのは、せっかく、きちんと答えてきた職員さんが述べている自由意見をまとめ、整理し、開示も含めて速やかに対応して、「意見を出すことで変わるんや!」「きちんと反映されるんや!」という実感を持ってもらうことだと思うのですが、どないでしょ。
ここらへんの思いについては、以下のブログで取り上げている内容とも大きく通底するところかと思いますので、よろしければ是非ご覧ください。
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【ご参照】
組織を変えるためにやるべきこと。それを一番知っているのは、やる気のある、中の人であるはずです。@2019年9月のブログ
ここまで多くの問題を抱えた組織を一朝一夕に変える特効薬などありません。
だからこそ地道に意見や声をくみ上げ、それに真摯に対応していくこと。
そうした取組みを通じて、職員のモチベーションを上げていくこと。
こうした意識を持つことこそが大切なのだと思っています。
引き続き、そうした観点から声を上げてまいります。
それでは今日のブログは、これにて失礼いたします。