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西宮市議会議員 しぶや祐介の活動日記

「子育てするなら西宮」「文教住宅都市・西宮」「住み続けたいまち西宮」の実現を目指す西宮市会議員のブログ。

中央病院をどうするか?

2009-02-12 14:28:39 | すべての人にやさしいまちを実現するために

本日、「将来の中央病院のあり方と取り組み内容」についての
所管事務報告が行われました。
活動レポート最新号に掲載した話しの繰り返しになる部分も多いのですが、
あらためて。

病院が良質な医療を提供するために、
健全な病院経営が前提となることは言うまでもありません。
危機的な経営(財政)状況にあった中央病院は、平成15年度以降、
二次に渡る経営健全化計画を策定し、経営健全化に取り組んできました。
ところが、その結果はといいますと、

毎年市から7億円以上もの補助金を受けているにも関わらず、
年間・数億円単位の赤字を計上しつづけています。

また、経営健全化計画では
「単年度不良債務(現金支出のない費用を除いた単年度の収支)を
 プラスに!」
という目標を掲げていたにも関わらず、実際には過去二年連続、
3億円近い単年度不良債務を計上。
誰の目から見ても、もはや目標の達成が不可能なことは明らかでした。
そんな中、12月議会に提出されてきた議案はと言いますと、
「今年度、4億8千万円を市から中央病院に投入。
 今後3年間で、合計約20億円を中央病院に投入することで
 不良債務を一旦、ゼロにする。」
というものでした。
おいおい、そんな場当たりな対応でいいんかと。

私は、この話には、大きく二つの問題点があると考えています。一つは、
「今後3年間で、合計約20億円」の根拠が、毎年、
中央病院の入院・外来患者数、診療単価とも継続して増加する
という、楽観的過ぎる予測に基づいている
点です。
これは二次に渡る経営健全化計画で犯した間違いと、
全く同じものであると言えます。
(ついでに言うなら、総合計画の財政予測とも根は同じです。)
実際の投入金額は、もっと巨額なものになる可能性が
きわめて高いと考えています。

さらに問題なのは、この巨額の資金投入の目的は
「増えつづける一方の中央病院の借金を、一旦チャラにする」
ということでしかないという点です。
この対応策は、中央病院の事実上の経営破綻を避け、
病院を存続させるためだけのものでしかありません。

この巨額の資金を一旦つっこんでみたところで、
毎年巨額の資金が投入されているにも関わらず、
毎年多額の赤字を計上しつづけている、という病院の体質は、
なんら変わりません。

むしろ、個人的には、
「なんやかんや言ったって、やっぱり最後は、
 
役所は俺らを助けてくれるんや」
という感覚を助長し、財政規律が一層乱れるのではないかということを
強く懸念しています。

本来、地域医療の核となるべき公立病院の経営について、
財政的な見地からのみ、その当否を議論することに対しては、
批判もあります。
それだけに、本来あるべき地域医療の役割、
その中で中央病院が果たすべき役割、病院の必要性まで含めて
十分に考え、抜本的な対応を進めるべきだと考えています。

とは言うものの。
実際問題として、産科が存在せず、救急病院としての機能もきわめて
貧弱な現在の中央病院は、本来求められる地域医療の核としての
役割を果たせているとは到底思えません。
現状を放置していたのでは、こうした状況が今後大きく変わることも
ないでしょう。

繰り返しチックになりますが。
重要なのは「市立中央病院をどうするか?」ではなく、
「あの場所に病院は必要なのか?
 それは、どんな機能を持った病院なのか?
 そのためには、どんな手法が考えられるのか?」
といったところにあるはずです。
そこを考えずに、悲惨な経営状態にある中央病院のことを
あ~だこ~だ言ってみたところで、建設的な議論になるわけが
ありません。
今必要なのは、場当たりではない、抜本的な対応であり、
あそこにある病院の根本的な意義・必要性といった、
もっと根っこの部分の話なのです。

この話、もう少し続けます。