「筋肉」よりも「骨」を使え!
甲野善紀・松村卓(著)2014年5月発行
8月、成田空港で飛行機に乗る直前、機内で読む「本」を持ってこなかったこと
に気付いて、慌てて空港内の書店で手に取った一冊。
なかなか興味深く読ませてもらいました。
筆者について、私は全く知らなかったので、記載されている紹介文を添付
しておきます。
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甲野氏は、松聲館道場を設立し、日本古来の武術の身体操法を古伝書と実技の両面
から実践的に研究し、各地で武術に関する講座などを行う。
松村氏は、陸上短距離選手の走者として活躍後、スポーツトレーナーに転身。
ケガが多かった現役時代のトレーニングを見直し、筋肉ではなく骨の活用に重点を
置いた「骨ストレッチ」「松村式ランニング」を考案、多くのアスリートの指導に
あたる。
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個人的には、筋トレ嫌いの母ではありますが、水泳の短距離記録を狙った3年ほど前、
タイムアップを計る為、トレーナーさんの指導で、仕方なく(母に出来る範囲で)
筋トレに励んだ時期がありました。
その結果、確かに自己ベストのタイムは出せたのですが、身体的なダメージが大きく
大会の後に、体調を崩してしまいました。
以来、筋トレに対して疑問を抱いているところです。
筋トレを全くしていなかった頃の泳ぎの方が、スムーズに体が動き、気持ちよかった、
という思いがあるんです。
間違いなくパワーはつきますが、同時に体がガチッと固くなる感じ、というか、、、。
筋トレしてた時は、ストレッチもそれまでの倍の時間をかけなければならないほどで
大変でした。
しかも、競技中、自由にノビノビした動きができなくなり、
頭で考えてコントロールしている感覚で、
筋トレ以前に感じていた「土壇場での馬鹿力」というか「一発」が消えてしまい、
自分の泳ぎに対する楽しみが減ってしまったことが残念でした。
そんな経験から、本書はとても興味深く、共感する部分と未知の分野とに出会えた感じ。
母のような、ど素人おばちゃんスイマーでさえ、こんな経験をしているのだから、
選手やプロ達は、さぞ悩みが大きく深刻なことでしょう。
その点からも、本書の、通説とは全く違った角度からの身体へのアプローチと実践に、
可能性と希望を感じることができるのでは?
母も、機会があれば、「骨ストレッチ」を体験してみたいものです。
わがまま母
内容
第1章 常識を根本から疑ってみる
— 精妙な身体の動きが「科学」でわかるはずがない
第2章 ここ一番の力をいかに出すか
— 大事なのは筋肉に頼らず「骨」を上手に使うこと
第3章 窮屈な社会で自由に生きる
— 「勝ち負け」よりも「生き延びる」ことを考える!
第4章 日本人の潜在能力を取り戻す
— 昔の日本人の「身体感覚」のすごさをしろう!
第5章 スポーツから日本が変わる時
— 筋トレもストレッチも、プロテインもいらない?
第6章 イメージを力に変えるコツ
— 「内観する力」が豊かで自由な動きを引き出す
第7章 気骨ある自分になるために
— 目に見えない「骨」があなたの生き方を支えている