遊び人親子の日記

親子で綴る気まぐれ日記です。

紙の月

2013年05月20日 14時43分42秒 | 読書
         

   紙の月    角田光代(著)2012年3月発行

   書評の評価が高かったのですが、
   個人的には、前回読んだ『空の拳』の方が好きですね。
   『八日目の蝉』とかが好きな人には向いているかも、、、。
   私は『八日目の蝉』とか『紙の月』は苦手なタイプです。
   今まで読んだ角田作品の中で一番
   「いいな~、凄いな~」と感動したのが『ツリーハウス』だけど、
   これって、いわゆる角田ファンじゃないってことかな。

   『紙の月』も、ごく普通に自分の回りにいそうな女性達の内面や行動が
   すごく上手く描けていると思うんです。
   金融業、銀行営業の内部事情もすごく詳しく正しく調査してあって、
   「うん、あるある」「確かに、そういうことある」って、
   個人的には分かりすぎて目に浮かぶ状況ばかりでしたが、
   それでも、「分かる分かる」という心情と
   共感するということは別、違う気持ちですからねえ。
   こればかりは何ともなりません。
   主人公が、横領に手を染めるに到る状況や心理が、
   あまりに自然の流れのように描かれていて、
   恐らく、事の始まりって、そんな風な感じなんだろうな、
   とは想像するのですが、納得は出来なかった。
   素人の私からみても、これは買い物依存症でしょう、
   という友人女性の描き方も、
   彼女個人の性癖、環境の問題としてのみ語られ片付けられて
   いるのはどうしてなんだろう・・・。
   ほんの少しも心の病気として扱わないのは何故なのか?
   世の中に、普通にそういう問題で苦しんでる女性や家族が多いと
   考えテーマとして扱ったのなら、
   この流し方は理解しにくく、残念です。
   ・・・なんて不満を感じるのは私くらいなもんで、
   多分、働く女性や主婦から共感が得られる小説なんだろうとは
   思いますけれど、、、。
  
   とても上手くできた小説だとは思いますが、
   個人的には好みじゃなかった、というだけです。

      わがまま母

     
   
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