遊び人親子の日記

親子で綴る気まぐれ日記です。

せき越えぬ

2020年06月15日 12時28分34秒 | 読書

   せき越えぬ   西條奈加(著)2019年11月発行

  とても清々しく心地よい読後感。

  天下の剣と言われる箱根の関所を舞台に、小田原藩の下級武士武藤家家督

  武藤一之介、通称「武一」を主人公とし、関所番士の仕事内容、生活を描き

  つつ、武一と「騎一」との深い友情、武一が淡い恋心を抱く「理世」の過去、 

  父親の深慮について、同僚たちとの関わり、など興味深く面白く話が進む。

  『せき越えぬ』から始まり六編からなる連作で、いずれも面白く、終盤には

  頁をめくる速度が早くなるような思いがけない展開も。

  武一は、考えるより先に行動してしまう粗忽者な反面、正義感が強く正直。

  信じたことは迷わず進む行動力が魅力。

  一方、友の「騎一」はそんな武一を思慮深く支え、二人の友情の絆の強さが

  さりげなく描かれ、なんとも気持ちよい。

  スピード感溢れる展開で、意外な終盤を迎えるのだが、もしかして続編も? 

  と期待してしまう。

   わがまま母

  

  

  

コメント
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