あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

瀬戸内シーカヤック日記: しまなみ海道カヤック&バイク、YB125SPで蒲刈タンデムツーリング

2013年02月10日 | 旅するシーカヤック
木曜~金曜は久し振りに横浜&東京出張であった。

木曜日の夜、銀座にあるホテルにチェックイン。 『今日は、来期に向けた協同での取り組みに付いて良い合意ができたなあ。 いやあ、好い気分。 ちょっと一杯飲みに出るか』 ビール好きの私が向かったのは、『銀座ライオン』

『一人でも大丈夫ですか?』 『ええ、もちろん。 1階のビアホールと2階のレストラン、どちらがよろしいでしょうか? 静かなのは2階です』 『じゃあ2階で』

4人がけのテーブルに案内され、席に着き、生ビールを注文。 『お待たせしました』
心の中で一人乾杯。 『ゴクッ、ゴクッ、ゴクーリ』 おお、これこれ! やっぱ仕事が上手くいった後のビールは美味いなあ!

食事は、この後ホテルに戻り、デパ地下で買っておいた惣菜で済ませる予定なので、ここではビールをゆっくり楽しむつもり。

静かなお店の雰囲気を楽しみながらしばし飲んでいると、隣のテーブルから声をかけられた。 『What kind of food will you order?』 え、俺に話し掛けたのか?
見ると隣は、外国人女性二人組。 見た目からの印象では、60歳前後のアラ還トラベラーである。

*** ここからは、英語を日本語に翻訳して記載 ***

『あなたは、食べるものは何を注文するの?』 『ここではビールを飲むだけなんで、食事は注文しないんです』 『そう、残念。 おススメ料理を教えてもらおうと思ったんだけど』 『すみません』と笑顔で返し、再び独り静かにビールを楽しむ。

しばらくすると、『ねえ、このビールは日本製なの?』 え、また俺?

人生基本は単独行の俺ではあるが、実は人と話すのはそんなに嫌いではないので、気を取り直し、『ええ、そうですよ』
『このビール、美味しいわね』 『そうですか。 貴方が飲んでいるビールは、メニューには無濾過って書いてありますよ』

『どちらから来られたんですか?』 『私はキウィ。 こっちはアメリカ人なの』 『なるほど、ニュージーランドから』 『それで、他はよくわからないから、フィッシュ&チップスを注文して食べているの』

『ニュージーランドと言っても、今は韓国に住んでいるの』 『韓国のどこですか? ソウル、それとも釜山?』 『釜山。 二人とも、釜山で英語を教えているのよ』

『日本は初めてですか?』 『いいえ、二回目。 最初は京都へ行ったの』 『そうですか。 京都には、今うちの次男が学生として住んでいるんです』 『へえ、そう』

『ところであなた、英語はどこで習ったの? 仕事で英語を使うの?』
『いいえ、仕事で使うことはほとんどないですね。 日本では、英語は中学校、高校で習いますから』 『たしかにそうだけど、それを忘れて話せない人も多いようよ。 じゃあ、外国へは行ったことあるの?』
『はい、3回だけ。 でもそれも最初は”ミクロネシア”、そして”釜山”と”ソウル”ですから、あまり英語は関係ないですね』

***

『今回は出張で広島から来たんです。 広島には来たことありますか?』 『いいえ、ないわ』
ということだったので、iphone5で自分のブログを開き、写真を見せながら『どうですかこの海、きれいでしょう。 瀬戸内海って言うんです』 『本当ね、とてもきれい』

『私は趣味がシーカヤックや自転車旅なんですよ。 年に40-50日ほど海で遊んでいるんです』 『家族は怒らないの?』 『ええ、子供達はもう23歳と20歳なので一緒に遊ぶことは無くなったけれど、昔は家族でカヤックやキャンプを楽しんでいたし、今でも妻とは時々シーカヤックを楽しんだり、自転車を一緒に漕いだりしてるんです』

『まあ、そう。 いいわね。 あなたはまるでキウィ、ニュージーランド人みたいね』 それを聞いて私はニコリ。

『うちも子供はもう大きくて、主人もエンジニアなの』 『韓国にはご主人と一緒に住んでおられるんですか?』
すると笑顔で、『主人とはバイバイしたの。 私は世界中を見て回りたかったから、もう子供も大きいしバイバイして、行きたい国を廻って英語を教えて、人生を楽しんでいるの』

韓国での仕事や生活、日本の話、ニュージーランドの事などなど。 その後もしばし四方山話で盛り上がる。

『じゃあ、そろそろ行くわ』 『今日は、あなた方とお話しできてとても楽しい一時でした。 良い旅を!』
『今度はニュージーランドで会いましょう!』

*** 以上、和訳は終り (あー、疲れた) ***

初めて訪れた銀座のビアホールでの、思い掛けないふとした出会い。 広い地球の永い時間の中で、ピンポイントでのほんの一瞬のすれ違い、かつ中学生レベルの英語でのつたないコミュニケーションではあったが、とても楽しく充実した時間を過ごすことができた。

いやあ、ほんとうに楽しかったなあ。

金曜日の夜、出張から戻って妻にこの楽しい一時の事を話すと、『へえ、そんな事があったんだ』
『うん、とても楽しかった。 それにしても、なんで俺みたいな坊主頭の怪しい輩に話し掛けるのかな? 俺が外国に行っても、絶対俺みたいなのには話し掛けないけどなあ』 『それにしても、あれがアラ還じゃなくて30歳くらいの外国人女性だったらもっと良かったんだけどね』

『何言ってんのよ。 そんな若い人は、あんたに話し掛けるわけないじゃない』と笑いながら妻が言う。
俺も苦笑いしながら、『そりゃそうだ。 島に行っても俺が話し掛けられるのはおばあちゃん、おじいさんばかりだもんなあ』 でもそれが楽しいのである。

しまなみでも、銀座でも、そして ”韓国” でも、旅の楽しさは『あるくみるきく』

***

2013年2月9日(土) 出張から戻った翌日、朝6時に起きて出発の準備。 『じゃあ、行ってくる。 今日は大三島で漕ぐつもり。 明日は午前中には戻ると思うよ』 『はい、気をつけて』

忠海からフェリーに乗り、大三島の盛港へ。

大三島では台海水浴場から出艇する予定。

春一番のような南風が強く吹き暖かかった木曜日と、打って変わって北風が吹いて冷え込んだ金曜日からまたまた一転し、風も弱く穏やかな冬の晴れ間で最高のツーリング日和である。


カヤックを降ろし、あったか下着の上に直接ドライスーツを着て、出艇準備は完了である。 今日の出艇時の気温は5℃

『ようし、久し振りの大横島を、のんびりまったり楽しむとするか』


ほぼ潮止まりの時刻。 気持ちのよい瀬戸内海を、快適に漕ぎ進む。

今日は、大横島を一周するつもり。

まずは南端に向けて漕ぎ進み、

そこからバウを北に向ける。

横島と大横島との間の水路を抜けて、

いつものお気に入りの浜に上陸した。


***

お昼前。 今日のランチは高級カップラーメン。

ストームクッカーを取り出し、お湯を沸かす。


大きめの角材の流木を拾ってベンチにし、穏やかな冬の瀬戸内海の”芸予諸島”らしい絶景を眺めながら、おいしいラーメンで体を暖める。

こんな美しい海辺の景色を眺めながら独り静かに過ごす一時は、私にとって本当に宝物の様な貴重な時間。


食後は、ポットに詰めてきた温かい紅茶。 『あー、ホッとする』

『さて、そろそろ戻るとするか』

大横島から台海水浴場まで、気持ち良いパドリング。


***

カヤックをカートップし、道具とカヤックを潮抜きしていると、船で魚釣りに行かれた方が戻って来られた。
『こんにちは』 『おお、こんにちは』 『どうです、釣れましたか?』 すると船からバケツを持って来られ、中を見せながら『いやあ、今は寒いけん食いが悪い。 多いときなら、このバケツに一杯釣れるんじゃが』

拝見すると、カワハギが7-8匹。 『お、ハゲですね。 大きいのもおるし、これくらいありゃあ、晩のつまみには充分じゃないですか。 今は肝はどうなんです?』
『今は結構肝は入っとるよ』 『ええですねえ』

『今日は大横島まで行って、昼ご飯を食べて戻ってきたんです』 『ほうね。 こりゃあ早いんじゃろう』 『だいたい、時速6-7kmくらいです』 『ほう、やっぱり早いね。 動力船のスローくらいじゃ』

『じゃあ、帰るわい』 『はい、ありがとうございました』

***

今日の宿泊は、いつもお世話になっている生名島のキャンプ場。

夕方3時過ぎにキャンプ場に到着し、手続きを済ませ、管理人さんとしばし四方山話。 『今日は、大三島で漕いできたんです。 今から生名を自転車で一周して、それから風呂に入りに行きますよ』

着替えると、MTBをクルマから下し、島一周へ出発。

時計回りで、夕方の生名島を一周。

少し風が出てきたが、眺めも良く、快適なペダリング。





『ああ、ええ脚の運動になった』

昼間はカヤックで楽しみ、夕方は自転車でお散歩。 瀬戸内らしい絶景のロケーションで楽しむ『カヤック&バイク』は、最高に気持ち良い。

その後、フェスパでお風呂に入り、キャンプ場に戻るとバカラのグラスでエビスビールをグビリ。
独り静かに、ビールを楽しむ至福の一時。

***

2013年2月10日(日) 翌朝、朝8時前にキャンプ場を出発。

『お世話になりました。 また遊びに来ます!』

生名島を8時に出て、しまなみ海道と山陽自動車道を走ると10時前には家に到着。 僅か2時間である!
いつもは山陽自動車道は使わないのだが、こんなに早く戻れるとは驚き。 しまなみ海道も近いもんだ。

『ただいまー。 今戻ったよ。 どう、これからバイクで蒲刈にランチに行かないか? 前から気になっている店があるんだよ』
『私、バイクは大丈夫かねえ?』 『大丈夫! 任せとけ!』

結婚前には一度、当時持っていた250ccのバイクでタンデムツーリングをしたことがあるのだが、このYB125Pにしてからは初めての、そしてほぼ25年振り(すなわち四半世紀振り!)となる妻とのタンデムバイクツーリングである。 楽しみだ!

原付二種は50円也の安芸灘大橋を渡り、目的の『花美月』さんに到着。


『ここ、前から気になっていた店なんだ』


そのランチは、

と、

いつものように妻と分け合いながら、違うメニューを楽しむ。

それにしても、この店のカウンターからの景色はなかなか良い。

この景色も、この店のランチの一品のようなものである。


今回は、アフターケーキセットでお願いしたので、食後のコーヒーとデザート付きである。

『ここ、好いね。 お気に入りになったよ』

『ごちそうさまでした。 ランチもケーキも美味しかったです』 『ありがとうございます。 バイク、気をつけて』


***

『じゃあ、連れて行って見せたい所があるんだ。 行ってみようか』 しばしバイクで狭い山道を走る。
バイクを停め、エンジンを切り、『あそこの細い道を下るんだ』

『あー、きれいねえ』 『だろう。 前にアテンザで来て、気に入ったんだ。 それで、バイクを買ったらお前を連れてきてやろうと思っていたんだよ』





『いやあ、ここに来て良かったなあ』

木曜金曜の東京&横浜出張での外国人旅行客との偶然の出会い、土曜日の絶景大横島シーカヤックツーリング、生名島一周サイクリング、そして今日の妻とのYB125SPタンデムツーリング。

なんだかとても充実して楽しい週末だったなあ。 2012年は辛く苦しい一年だったが、2013年は良い年になりそうな予感。
ほんと、人生ってなんて楽しいんだろう、最高!

さてさて、来週はどこ行こう?
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 瀬戸内シーカヤック日記: ... | トップ | 瀬戸内シーカヤック日記: ... »
最新の画像もっと見る

旅するシーカヤック」カテゴリの最新記事