あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

『芸予ブルー』_テーマカラー of 印象派_”瀬戸内シーカヤック日記”

瀬戸内シーカヤック日記: 雨の『とびしま海道』ドライブ with 友人

2010年10月31日 | 旅するロードスター/アテンザ
2010年10月31日(日) 今日は、会社で最近知り合った友人夫婦と会う予定。 今朝の天気予報では、今日は曇りのはずだったのだが、なぜか朝から雨が降り始めた。
『おいおい、今日は曇りの予報だよ。 なんで雨なんだろう? やっぱり雨女の力かなあ!』

妻と二人で近くの駅まで迎えにいき、挨拶を交わしてクルマに乗り込む。 今日のお客さんは、トルコ人のご夫婦。 ご主人は、私よりだいぶ若く、30代前半である。

数ヶ月前、途中入社で同じ職場に配属され、日本語が堪能なご主人と時々会話を交わすようになった。 聞いてみると、これまで東京に住んでいたのだが、広島に来てまだあまり観光にも出掛けていないとの事だったので、『ぜひ一度、呉に遊びに来ればいいよ』と招待していたのである。
***
恥ずかしながら海外旅行の経験もほとんどなく、トルコの事はほとんど知らないのだが、広島と言えば、自慢できるのはやはり瀬戸内海でしょう! という事で、今回は、一も二もなく『とびしま海道』へのドライブと決めていた。

秋晴れなら最高の景色を楽しんでもらえるのだが、残念ながら今日は天気予報も外れた『雨』。 それでも、瀬戸内海の雰囲気だけでも味わってもらおうと、ドライブに出掛ける事にした。
***
まずは、安芸灘大橋を渡り、県民の浜へ。 この時だけはちょうど雨も上がり、浜を散策。 あいにくの雨の景色ではあったが、静かで美しい浜の雰囲気と海の美しさは気に入っていただけた様子。

聞いてみると、東京や神奈川の海は、地中海に比べて汚く、泳ぐ気にもならないほどだったとの事だが、蒲刈の海を見て、日本の海に対する印象が変わったとか!
いや、本当にうれしいな。 それだけでも、ここに案内した甲斐があったと言うものだ。 『でも、晴れると本当にここの景色はきれいなんですよ』

↑ 晴れた日の県民の浜の景色はこれである!
***
再び出発し、豊島を経由して大崎下島から岡村島へ。 途中の豊島では、漁港のそばにクルマを止め、瀬戸内でも珍しい『家船』についてお話しする。 どこまでディーテールが伝わるかは分からないが、やはり瀬戸内の中でも独特の海洋文化を有している豊島で、この話を避けて通る訳にはいかないな。

トルコからのお客さんに、瀬戸内の中でもディープな『豊島の家船文化』について語っている俺を見ながら、妻は『また始まった』って感じでニヤニヤ笑っている。

岡村島の浜から、対岸の御手洗を眺め、この辺りの海の事、御手洗の歴史に付いて説明。

『北前船』、『潮待ち、風待ち』 どこまで伝わったであろうか。
 
↑ この浜も、晴れていればこんなに美しい浜なのだが。。。 残念!

海の駅で、トルコでの生活や文化、日本での生活などのお話を伺いながらゆっくりと昼ご飯を食べ、御手洗(みたらい)の展望台へ。

もちろんここでも雨なのだが、雰囲気だけは気に入っていただいたようだ。
 
↑ 晴れていれば。。。
***
駐車場にクルマを止め、町をそぞろ歩き。
 
神社に参拝し、古い波止と灯台を見学。
 
『オチョロ船』の名物船大工さんの工房を訪れ、写真や模型を拝見しながら話しを伺う。 この『オチョロ船』を、海外からのお客さんに詳しく説明するのは、ちょっと難しい。
 
ご主人のお父さんが大工さんだったと言う事で、この船大工さんの手仕事にも興味を持って観察していたようだ。
じっと模型を観察していた彼が船大工さんに発した質問が、これまで俺が気づいていなかった視点での疑問点だったことに驚いた。 いやあ、やはりその道の経験がある人は、国が違っても本質が分かるんだなあ! 感心、感心。

なるほど、そういう事だったのか! 俺も良い勉強になった。
***
景観保存地区を歩き、昔ながらの時計店へ。 残念ながら今日は休業日だったので、以前ここで話しを伺った内容を説明する。

そうしていると、別の団体さんが時計店の前へ歩いて来られ、今日は閉まっていると言う事で話し掛けられたので、彼らにした説明を再び繰り返した。 『前に来た時に聞いた話しですが。。。 ここのご主人は、時計をチェックして、必要ならスイスに部品も発注して。。。 店の中には、昔のアナログ式デジタル時計や、とても古い貴重な時計が。。。』

フラリ風来坊の俺だが、これまでの経験を活かし、こんなときには『なんちゃって地元の観光ガイド』に変身するのである。
 
瀬戸内の島らしい狭い路地を散策し、神社にお参りして、昔の家を改造した展示室を見学させていただく。
 
東京や横浜など、日本の中でも特殊な都会に住んでいた彼らは、この『とびしま海道』や『御手洗』そして『瀬戸内海』は、まったく別の日本に見えたようで、それなりに気に入っていただけた様子。
***
一旦家に戻り、少し休憩した後、長男のクルマで呉市内へ送ってもらい、予約していた『呉名物の一つである焼き鳥屋』さんで今日の打ち上げ。 そしてその頃には、驚く事にそれまで降っていた雨がスッカリ上がったのだ。 『雨女』恐るべし!!!

テーブルを囲んでビールを飲み、焼き鳥を食べながら、4人で今日一日の楽しいドライブを振り返り、またトルコや日本の話題で盛り上がった。 『焼き鳥』や『つくね』、『スープ豆腐』もお気に召したようだ。

いやあ、本当に楽しい一日であったなあ。 それにしても、今日は一日お疲れさまでした。 またぜひ遊びに行きましょう!

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瀬戸内シーカヤック日記: ロードスターで行く山陰堪能ツーリング_足立美術館、大山&日本海の幸

2010年10月24日 | 旅するロードスター/アテンザ
2010年10月23日(土) この週末は、シーカヤックツーリングは一休みして、妻と二人で山陰へドライブ旅行。 天気予報では、日曜日は残念ながら曇り~雨だが、土曜日はなんとか晴れそうだ。 ということで、季節も良い事ではあるし、今回はロードスターでのオープンドライブ!

まだ暗い5時半過ぎ。 ロードスターの幌を下ろし、クルマの少ない国道を駆け抜ける。 明るくなった頃、まだ紅葉が始まったばかりの中国山地のドライブを堪能し、最初の目的地である『足立美術館』に到着した。
 
***
今回の最大の目的が、ここ足立美術館である。 訪問するのは2度目だが、最初に訪れたのはもう20年ほど前だろうか。 そして、その時も妻と一緒であったなあ。
 
さすがに当時の記憶は定かではないが、建物が立派になり、お客さんもかなり増えているようだ。
 
なんとか晴れ間が覗き、広い敷地内を歩きながら、美しい庭園を堪能させていただく。
 
さすがに美しい庭園として知られているだけの事はある。 料金は高めではあるが、時にはここを訪れて、美しい庭の景色を静かに楽しむのは悪くないなあ。

その後、横山大観の画と、魯山人の器を見学。 素人の私でも魯山人の器には魅力を感じるし、なによりパネルに記されていた魯山人の語録が興味深い。
 
二十代の頃に訪れたときと、四十半ばを過ぎて訪れた今回では、心に残る印象の深さが全く違うようだ。 やはりそれが、歳を重ねるという事なのであろう。
***
『さて、まだ昼前だ。 次はどこ行こう?』 『明日は天気が下り坂っていうから、今日のうちに景色を楽しめるところへ行ってみようよ』
そう、シーカヤックの海旅と一緒で、さすがに泊まるところは決めているが、それ以外は風の吹くまま気の向くまま。 フラリ風来坊の旅のスタイルは変わらない。
『ようし、じゃあ大山へ行ってみるか』

これまた数年振りとなる大山訪問。

大山へ登る途中のカフェで、日本海を眺めながら、おいしいランチとコーヒーを楽しむ。 のんびりまったり。
***
幌を下ろしたロードスターで、大山の森を抜けるワインディングロードを堪能。 うん、これぞライトウエイトスポーツの一番おいしいシーンである。
 
なんとか空模様も味方してくれ、様々なスポットで大山の絶景を楽しむことができた。
 
紅葉はまだ始まったばかりだが、来て良かった!
***
大山を降りると、美保関へ。

夕暮れ時の海沿いオープンドライブもまた乙なもの。
 
灯台の回りの展望台や遊歩道をそぞろ歩き。

夕暮れ時で人気もまばらな中、厳かな雰囲気の美保関神社に参拝し、青石畳通りを散策。
 
***
予約していた民宿に入り、楽しみにしていた晩ご飯。 この民宿は、夕食に海の幸がたっぷりと供され、それでも一泊二食で一人8千円弱というリーズナブルなプライスで大人気の宿。 今回初めて泊まるのだが、1ヶ月後の予約でないと、週末は空きがなかったほどである。
 
『これ、食べきれるかなあ?』 『ゆっくり食べればいいんじゃない。 なんとかなるよ』
生ビールを飲みながら、おいしい日本海の海の幸をたっぷり堪能。 1時間ちょっと掛けて、豪華な夕食をゆっくりといただくことができた。
『あー、おいしかった。 ごちそうさまでした!』 満足満足。

夕食は一般のお客さんに混じって食堂で食べるのだが、地元の家族連れも大勢来店しており、観光客向けの『なんちゃって海鮮料理』ではなく、地元の人たちも通うほどおいしく、かつリーズナブルな食堂/民宿であることが分かる。
うん、また良い宿を見つけたなあ!!!
***
2010年10月24日(日) 朝食を食べていると、予報通り雨が落ちはじめた。 『今日は観光はなしだな。 出雲蕎麦を食べて、温泉入って、広島に戻ろう』

10時に、お気に入りの『ラムネ温泉』へ到着。 浴場へ入ると、既に一人の先客が。
湯船に浸かると、『どこから?』と話し掛けられた。 『広島からなんですが、昨日は足立美術館と大山に行って、美保関近くで泊まったんですよ。 その帰りです』
『ほー、大山。 キノコ狩り?』 『いいえ、景色を見に行っただけです』 そこから会話が始まった。 どうやらこの方は、キノコ狩りが趣味のようだ。
『今年は変な気候でしたが、ようやく松茸が豊作になったいうてニュースになってましたね』 『そうやね。 でもわしは松茸はあまり好きじゃない。 まああれば採るが、舞茸と香茸がメインよ』

『秋になったら、いろいろな山に行きよる。 でもキノコも減って、もう何年もしたら、キノコ狩りはできんようになるんじゃないかのう』
『毒キノコ? そりゃああるよ。 まあ、舞茸や香茸は分かり易いけどの。 毒キノコは、飲み込んだらいけんが、まずはちょっとだけ噛んでみるんよ。 毒キノコじゃったら、舌にピリッと刺激がくる。 そこで吐き出したら大丈夫』

『わしらは、毒キノコを食べる会も作っとる。 <毒なば会>いうての』 私は笑いながら、『そりゃあ酔狂ですね!』

するとおっちゃんも笑いながら、『そう、まさに酔狂よ。 みんなわしらと同じくらいの歳、60代ばかり。 いろいろなキノコを採ってきて、その中から毒キノコだけを選んで、別の鍋をつくるんよ。 そして、舌にピリッと来る感じを楽しむんじゃなあ』

『それって、フグの肝を食べる人が居るんと一緒ですか?』 『いやあ、フグは怖い。 ホンマに死ぬからのう。 わしらは、ピリッと来るんを楽しむだけ』
『でも、歳とって体力が落ちると毒が効くようになるから、いつまで続けられるやら』 『ほんま酔狂ですね!』
***

『らむね温泉』の後は、出雲蕎麦の『一福』さんへ。 今日は久し振りに、温かい天婦羅蕎麦をいただいた。

帰りには広島市内のデパートに立ち寄り、『広島いけばな 代表作家展』へ。
 
今回、妻がお世話になっており、かつては次男も教わっていた先生が、作品を展示されているのである。
 
ゆっくりと様々な流派のいけばなを拝見させていただき、先生にご挨拶。 いろいろと大変だったという今回の準備についてお話を伺った。
さすがに広島の代表作家展。 各流派の代表が、名誉をかけ、いい意味で競い合って、凛と引き締まった空気感が感じられた。 これぞまさに切磋琢磨。
足立美術館の庭園も良かったが、このいけばな展からも、とても良い刺激を受けた。

やはり、様々な良いものを見て、いろいろな経験を積む事は大事だなあ。 その一つ一つが自分の血となり肉となるのだ。
***
秋の山陰オープンドライブ。 美しい庭園に、大山の絶景。 日本海の海の幸と、温泉、出雲蕎麦。 そして〆は、いけばな代表作家展。
うん、またまた良い週末であった。

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瀬戸内シーカヤック日記: 秋の『とびしま海道』大崎下島、岡村島、小大下島ー散策ツーリング

2010年10月17日 | 旅するシーカヤック
2010年10月16日(土) この週末は、久し振りに地元の『とびしま海道』へ。
天候に恵まれ、透明感のある秋の青空の下、シーカヤックをカートップしたアテンザワゴンでとびしま海道を快適ドライブ。
 
立ち寄った大崎下島にある御手洗(みたらい)の展望台からの眺めは、いつもながら素晴らしい。 絶好のツーリング日和!
 
岡村島の浜にカヤックを下ろし、お弁当と安全装備を積み込んで出発だ。
 
海の青、空の青、そして白い雲。 あたかも斎島から空に伸びるレーザービームの様な不思議な飛行機雲を眺め、秋らしい瀬戸内の景色を堪能しながら、快適なパドリング。

***
今日の目的地は小大下島。 岡村島の隣にある、かつては石灰工場で栄えたという、小さく静かな島である。
 
浜の片隅に、そっとカヤックを引き揚げ、島内の散策へと出掛けてみた。
 
空き家の軒に吊るされている、いくつもの櫓。 昔の軍人さんを奉ったお墓。 使われなくなった木製の蜜柑箱。
瀬戸内の島らしい狭い路地を歩いていると、昭和の匂いのする懐かしい光景やモノが次々と現れる。
 
独特の雰囲気を醸し出している水源地。 煉瓦の煙突の上には、海月の様な秋の雲が、フワリフワリと漂っている。

海沿いでお昼ご飯のお弁当を食べると、海を眺めながら途中で購入してきた大長みかんを頬張り、のんびりまったり。
***
岡村島の浜に漕ぎ戻り、夕方からは大崎下島へ買い出しへ。 いつものスーパーに入ろうとしたとき、ふと目に飛び込んで来たものは。。。
 
路地で魚を売るおばあちゃん。 大きな木の板の上には、ピカピカぎらぎらの太刀魚が捌かれている。

『こんにちは。 これ、いくらですか?』 『そうねえ、一匹400円』
『刺身で食べたいんじゃけど、捌いてもらえるん?』 『ええ、捌いたげるよ』
『じゃあ、スーパーで買い物をしてから買いにくるけん、一匹お願いします』

買い出しを終え、おばあちゃんのところへ。

『ここはねえ、特に名物もないけど、魚は新鮮でおいしいよ。 食べてみんさい』 『この太刀魚も、表面の銀ギラが取れてないじゃろう。 鮮度が落ちると、このギラギラが取れていくんよ』
『このギラギラの成分はねえ、化粧品にも使われよるんよ。 知っとる?』 『ああ、聞いた事がありますねえ』

『最近、太刀魚も減っとるいうて聞きますが』 『そうじゃね。 やっぱり減っとるらしいよ。 でもこの太刀魚は、ここの港に揚がったもん。 今日の昼に揚がったばかりじゃけえ、見てみんさい、目も透明できれいじゃろう』 『ほんまですね。 こりゃあ新鮮じゃ』

『刺身で食べる前に、水でさっと流しんさいよ』 『はい、ありがとうございます。 食べるの楽しみです』

シーカヤックツーリングの楽しみの一つは、こんな地元ならではの食材との出会い。 うん、これは良い旅になりそうだ。
***
浜に戻り、妖しく美しい夕焼けを眺めながら、新鮮な太刀魚の刺身でビールをグビリ。 あー、これぞ至福の一時!!!

今日は車中泊。 『では、おやすみなさい』
***
朝起きると、展望台へ登ってみた。 残念ながらまだ雲が多く、絶景とは言えないが、明るくなりつつある東の空が美しい。
うん、今日も晴れそうだ。
 
昨日の鍋の残りにうどんをいれて、簡単な朝食を済ませ、いつものようにドリップコーヒーを楽しみ、荷物を片付けると、朝のお散歩ツーリング。
 
大崎下島との間の瀬戸を北に漕ぎ上がり、小島、中ノ島をグルリと巡る。 この辺りは、狭い瀬戸に小さな島が点在し、その間にいくつもの橋が架かって、海からの眺めが楽しめる。
『うーん、絶景、絶景』
 
1時間半ほどのんびりと朝のお散歩ツーリングを堪能し、浜に戻ってきた。まだ短パン&裸足で海に入れるくらい海水温は高いが、海も空気も透明感が増し、瀬戸内でもグッと秋が深まりつつある事を体と心で感じることができた。

架橋直後の喧噪も収まり、瀬戸内らしい静かな『とびしま海道』で、のんびりとパドリングを楽しんだ。 小大下島の散策、大崎下島で仕入れた新鮮な太刀魚の刺身、妖しく美しい夕日、御手洗と岡村島の展望台。。。 うん、またまた良い週末だったなあ!

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瀬戸内シーカヤック日記: 秋のしまなみ_お散歩ツーリング

2010年10月11日 | 旅するシーカヤック
2010年10月10日(日) 大崎上島から生名島へ。 竹原を昼前に出たので、生名へは遅い到着。
でも今日は風が強く、漕ぎ出しても楽しめそうにないので、まずはゆっくりと島を一周してみた。

生名島と佐島とを結ぶ橋は、工事が進み既につながっていた。
 
今日は生名島のお祭りの日。 神社に立ち寄り、旅の安全をお願いした。
 
***
 
途中の集落では、神事が行われている。 うちの地元とは全く違うお祭りの神事。
 
さすがに3連休。 キャンプ場は、デイキャンプを楽しむ人たちで賑わっていた。

しばし海を眺めていたが、次第に風が強くなり、沖には白波もたってきた。 漕ぐのは明日にしよう。
フェリーで因島に渡り、静かな町を散策し、買い出しをして生名に戻った。

夜は、静岡おでんと焼そば。 デイキャンプの人たちが帰った静かなキャンプ場で、のんびりまったりと静かな夜を過ごす。
***
2010年10月11日(月) 暑くも寒くもない朝。 外で遊ぶのに快適な季節がやってきた。
今朝も少し風が残ってはいるが、空は晴れ、お散歩ツーリングは楽しめそうだ。
 
安全装備と飲み物だけを積み込み、いつもの海へと漕ぎ出した。
 
秋を感じる透明な空気感。 下は素足にサンダル半パンだが、上はこの秋はじめての長袖Tシャツ。 うん、良い季節になった!

いつものように龍神様に手を合わせる。 少し風はあるが気持ちの良い朝のパドリング。 ああ、気持ち好い。
 
島と島との間にある浅瀬。 カヤックの底から10センチほどしか水深がないので、この一帯だけ海の色が異なっている。 少し離れた場所は、潮流がザワザワと賑やかで、この辺りの複雑な海底地形が海の色や潮流に現れ、多様な表情を見せて楽しませてくれる。
***
お散歩ツーリングの後、カヤックと装備の潮抜きをし、装備を防波堤に干して、お茶の時間。
 
人気の少ないキャンプ場のベンチでお湯を沸かし、秋の気配と空気、そしてしまなみらしい景色を楽しみながら、ドリップコーヒーを啜る。 うん、これは贅沢な時間だなあ。

『お世話になりました。 また遊びにきます』 管理人さんに挨拶し、キャンプ場を後にした。
秋の気配が深まりつつある瀬戸内海。 ほんと、キャンプツーリングに絶好の季節がやってきた。 さて、次はどこ行こう?

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瀬戸内シーカヤック日記: 下関『おいで』&『味覚』、小倉『もり田』

2010年10月06日 | 旅するシーカヤック
2010年10月2日(土) この週末は下関への旅。 ここ数年、下関には年に1-2度訪れている。
時にはエルコヨーテさんの工房で、エクストリームNさんも一緒に男だけの最高に楽しい宴会を楽しみ、時には下関のビジネスホテルに泊まって、エクストリームNさんとの再会の一時を堪能するのである。

今回は、エクストリームNさんとの数ヶ月振りの再会。 楽しみだ!
***
待ち合わせは夕方なので、昼間はたっぷり時間がある。
せっかくなので、山口県の中で気になっているスポットを探検してみる事にしようか!

『特牛』 日本の難読地名の一つでもある『特牛(こっとい)』
ここにある漁港に、イカ釣り漁師達が集まる『おいで』という食事処/居酒屋があるとの情報が、前から気になっていたのである。
 
特牛に到着し、漁港に行ってみると、そこはまさに遠征烏賊漁の基地の雰囲気。
 
すでに水揚げを終えた雰囲気の漁港の傍には、売店も、お風呂も、そしてコインランドリーもあり、瀬戸内の小さな漁港とは、そして日本海の小さな漁港とも全く違った独特の雰囲気がある。

『うーん、これぞまさに、日本海のイカ漁基地だ!』
***
今日のお目当ては、イカ釣り船の漁師達も愛用しているという『おいで』
 
新鮮なイカが食べられるということで有名な店である。
 
お店の中は、まさにプロの漁師が通う店の雰囲気がプンプンと漂っている。 『うーん、これは好いぞ!』

メニューを見ると、昼メニューと夜メニューが。 今日は、昼メニューからの選択である。
『すみません。 イカ刺し定食下さい』

回りを見渡すと、対馬や壱岐の海図が壁に貼ってある。
 
『はい、お待たせ。 この青海苔に醤油を少し垂らして混ぜて。 良い香りがするからご飯につけて食べるといいよ』 運ばれてきたイカ刺し定食を食べながら、店のご主人からお話を伺う。

季節によって変わるイカの種類、東北から九州まで様々な地域からイカ釣り舟がやってくること、お客さんが絶えないため正月休み以外はお店の休みがない事、3メートルくらいの波なら大きなイカ釣り船は出て行く事などなど。

『ここらの小さい船は出られんが、あの大きいイカ釣り船なら3mの波なら出て行く。 逆に、荒れたときは数は釣れんけど値が高くてもうかるらしいよ』

『北の方は兵庫や青森、北海道。 南の方は長崎の船も来よる。 正月休みはみんな地元に帰るけど、それ以外はたいてい船が居るね』

『イカ釣りの許可はその年には出んのよ。 1年前に申請して、許可が出る。 灯りを点けるのに油代もかかるし、釣れたら釣れたでトロ箱代や氷代がかかるし、経費でたいへんらしいよ』

食後には、焼きたてのスポンジケーキをデザートにサービスしていただき、『ごちそうさまでした! おいしかったです。 今度はぜひ、ビールを飲みながらイカ刺しを食べにきますよ』
***
食後は、大河内温泉へ。 ここの温度の低い源泉風呂が好きなのだ。
 
人の少ない静かな温泉。 アルカリ性で、ヌルリとした泉質を楽しみ、体が温まると三十数℃と低い湯温の源泉でしばし体を冷やす。 これを繰り返していると、体の芯から疲れが抜けていくのが分かるのだ。
***
夕方。 エクストリームNさんがホテルに迎えに来てくれる。
 
昔懐かしく、そして妖しい雰囲気を醸し出している『まるは通り』にある、これまた地元に密着した居酒屋の雰囲気を醸し出している『味覚』へ。
 
初めての店だが、引き戸を潜るとほぼ満席。 お店の方のご好意でお客さんにズレてもらって、なんとか二人分の席を確保していただき、まずは乾杯!
 
おいしい刺身に魚料理、ステーキ、銀杏。 いずれもおいしく、店の雰囲気もストライクゾーンど真ん中!

会話も弾んで、『うーん。 これは良い店を見つけたなあ』
***
翌朝は、再びホテルに迎えに来ていただき、まずは近くの温泉へ。

海を眺めながらゆっくりと朝風呂を楽しみ、お昼ご飯はエクストリームNさんお勧めという、小倉のお寿司屋さんへ連れて行っていただいた。

そのお店は、『もり田』

お店に入ると、カウンターだけ8席ほどの小さなお店だが、聞くところによると、様々な有名人/著名人の方も常連さんだとか。

『おまかせ』ということで、最初の一品は巻物。 一口で頬張り、なんどか噛みしめて飲み込むと。。。

(なんなんだこれは!)と心の叫び。 驚きの表情でエクストリームNさんを見ると、(そうでしょう!)という表情。
昆布の旨味と香りの心地良い余韻が、いつまでも口の中に残る。

次の一品は『かつお』。 『そのままで食べて下さい』ということで、パクリと口に放り込み、噛みしめると、再び『ああ! いったいこれはなんなのだ』

カツオの味が口一杯に広がり、当分の間そのカツオの風味と香りが、口中にそして脳内に漂うのである。 決して魚臭いわけでなく、カツオの旨味と風味が増幅されそして凝縮された、これまでに経験した事のない余韻。

『こんな寿司があったのか!!!』

その後は、『これもそのままでどうぞ』 『これは少しむらさきを付けて』 『ふくの白子です。 熱いので少しさましてからどうぞ』

一口食べては驚き、一口食べてはNさんと顔を見合わせ、再び一口食べては感動する。

ただ、『はい、大間のマグロです』って出された時には、『おー、これが噂の!』と思うとともに、心の中で『兄弟船』を歌っていたのは隠せない事実。 うーん、たまにしか見ないのだが、それでもTV番組の影響ってすごいなあ。
***
これまで寿司とは、ネタの鮮度『だけ』が命と思っていたが、このお店で寿司をいただくと、その『創造性』と『これまでとは別世界の寿司の旨さ』に目から鱗の状態である。 ほんと、ペッパーのかかった寿司をつまんだのは、今回が初めてである!

私が知っているとても狭い範囲ではあるが、この創作寿司と対極にあるのが、地元倉橋にある『さしみ屋_北吉鮮魚店』。
北吉鮮魚店の刺身や煮魚/焼き魚は、直球ど真ん中、まさに鮮度命の魚料理。 そして『もり田』の寿司は、鮮度や品質はもちろんだが、ご主人の一工夫が、味にこれまでしらなかった球の伸び/切れ、そして予想外の変化を与えて、客を楽しませ、驚かせる。

また、寿司がおいしいだけでなく、気さくで遊び好き、話題豊富なご主人と奥さんとの会話も楽しく、本当に最高のお店であった。
『ごちそうさまでした!』

この『もり田の寿司』を知らないと言う事は『ある意味幸せ』ではあるが、この『もり田の寿司』を知ったと言う事は『とても幸せ』なことである。
***
いずれもストライクゾーンど真ん中の、下関エリアのB級グルメから特級グルメまでを堪能させいただいた旅。 エクストリームNさん、本当にありがとうございました!

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