あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

『芸予ブルー』_テーマカラー of 印象派_”瀬戸内シーカヤック日記”

瀬戸内シーカヤック日記: とびしま海道_一泊二日でのんびりサイクリング & 竹原『誠家』ラーメン

2014年02月23日 | 旅するシーカヤック
金曜日の夜は、妻と待ち合わせ。

この週末の夜は、広島文化学園HBGホールで行われる、広島交響楽団の定期演奏会を楽しむ予定。


今回は、『故郷の調べ』というテーマで、

1) スーク 弦楽セレナーデ 変ホ長調Op.6
2) モーツアルト ヴァイオリン協奏曲 第3番ト長調K.216
3) ヤナーチェク シンフォニエッタ

の3曲が演奏される。


***

圧巻は、シンフォニエッタ。
初めて聴いた曲だが、後半のズラリと並んだ金管楽器の咆哮がなんとも大迫力。

コンサートが終わった後で妻と、『いやあ最後の曲、良かったねえ。 まだまだ知らない曲がいっぱいあるなあ』 『ほんと。 あの曲の感じは好きだわ』

***

2014年2月22日(土) 金曜日の夜のコンサートから始まったこの週末。 『今日はとびしま海道へ行ってくるよ』
岡村島に到着すると、結構な風が。

無理すればシーカヤックを漕げない訳ではないけれど、心身ともに快適なツーリングを楽しむのが俺の信条。
じゃあ、という訳で、いつもカヤック&バイクの装備からMTBを下ろす。

もう10年以上愛用している、スペシャライズドのMTB。 このきれいな水色のカラーが、俺のお気に入り。

風はあるものの、今日は晴れて『芸予ブルー』

まずは岡村島を反時計回りで一周する。

先日の整備と、草臥れたサドル交換で、年を重ねたこの自転車も快調である。

岡村島から大崎下島に渡る橋へ。

この橋を超えると、広島県。

大崎下島は、大長ミカンと農船で知られる島。

***

大崎下島も、反時計回り/カウンタークロックワイズで一周する事に。

とびしま海道沿いの島々は、車も少なく自転車で走るのは快適である。

今日は北東~東の風なので、島の西側では比較的穏やかだが、島の南側を漕ぐときは結構な向かい風。


御手洗に近づいたところで、神社にお参り。

境内の片隅には、咲き始めた梅を発見。

今回の旅の安全を祈願。


***

昼ご飯は、御手洗の『みはらし食堂』さんでいただくことに。

お気に入りの中華そば。

あー、美味かった。 『ごちそうさまでした』

***


宇津神社のところに行くと、広場に多くの人が集まっている。

『これ、いまから何かあるんですか?』とおばあちゃんに聞いてみると、
『これからここに屋台が並んで出店ができるんよ』 『えー、そうなんですか』と言うと、隣のおばあちゃんが笑いながら、『ウソよね、うそ嘘』

『ここにね、トラックで野菜やら食料品やらを売りにくるんよ』 『なるほど、移動販売ですね』 『そうそう』

『バーバラさん言うて言いよるんよ。 いつも同じ音楽を掛けながらトラックが来る。 バーバラ、バーバラいうて、いつも同じ音楽。 じゃから、バーバラさん』
『そのトラックはどこから来よるんですか?』 『今治から来よるよ』 『え、じゃあわざわざフェリーで渡って来るんですねえ』

『すぐ近くにスーパーがあるじゃないですか。 それなのに、こっちの方がええんですか?』 『スーパーは、いつも同じようなモノじゃろう。 こっちのは、採りたての新鮮な野菜を持ってくるし、岡村とか豊島とかいろいろ回って最後がここじゃけえ、売れ残らんように安うもしてくれる』

『なるほど。 それに、待つ間にこうやって人と話しよりゃあ楽しうてええですねえ。 特に今日は天気もええし』 『そうよ、そう』

しばらくすると、音楽とともにトラックが2台やってきた。

すると、待ちかねたように多くのおばあちゃん、おばさん、少しのおじさんがトラックに群がる。

トラックの中には、白菜やキャベツ、人参、もやし、花、などなどが並んでいる。
おばあちゃんたちは、手慣れたもので、店の方々が準備を始める前に目当ての品を探し出し、少し離れた場所に折り畳みテーブルを使ってしつらえられた精算場所に持っていく。

これはすごい。 また一つ、島の日常文化を知る事ができた。

移動販売の事を教えてもらったおばあちゃんが、買い物を終えて帰り際にこちらを見て、『兄ちゃん、分かったろ』と笑う。
『ええ、本当に屋台みたいですねえ。 こりゃあすごい。 みんな楽しそうですね』

***

農船が舫われている大長地区。


自転車で、今日の宿へ。

瀬戸内のあちらこちらに、安く泊まる事ができる宿泊場所がある。
俺はそれを、『なんちゃって別荘』と呼んで愛用しているのだが、ここもその一つ。

芸予諸島の景色を眺めながら、ビールを飲み、本を開く。

今日はシーカヤックこそ楽しめなかったが、約40kmのサイクリングを楽しみ、『バーバラさん』と呼ばれて愛されている移動販売の事も知る事ができた。
『あー、楽しい一日だったなあ。 ビールも美味い』


***

2014年2月23日(日) 今日は、蒲刈でマラソン大会が行われるとの事で、9時40分からは通行止めを含む交通規制があるらしい。
という訳で、今日は早めの退散の予定。

朝起きると、コーヒーを飲みながら日の出の時刻をチェック。 今日は、6時46分くらいの予定。
クルマで御手洗の展望台へ。

10分ほど待っていると、ようやく日が昇ってきた。

今日は水平線に雲もなく、日の出を楽しむには絶好の日和である。

最高の日の出を山の上から、そして海沿いで楽しみ、宿泊施設へと戻る。

朝ご飯のソバを食べ、クラシック音楽を聴きながらコーヒーを飲み、朝の一時をのんびりまったり。

カヤック&バイクの装備は、とびしま海道やしまなみ海道で遊ぶには最高の組み合わせ。
天候に応じて、芸予諸島の自然を楽しむ事ができるのだ。

***

家に戻ると、こんどはロードスターで妻とお出かけ。

今日は竹原へ。 前から気になっていたラーメン屋さんを訪問することに。

目指すお店は、『誠家』さん。
開店と同時に店に入り、白ラーメンと黒ラーメンを注文。


こちらが白ラーメン。

そしてこちらが黒ラーメン。

いつものように、交換しながら両方の味を楽しむ。
このラーメンは美味しいのだが、驚いたのが入ってくるお客さんが全員、『汁なし担々麺』を注文している事。
『これは、気になるねえ。 また来なければ』

今日は天候に恵まれたドライブ。
屋根を開けたロードスターで、往路は『五嶋みどり』、復路は『庄司紗矢香』の、いずれもヴァイオリン協奏曲を芸予諸島の景色とともに楽しみながらのオープンドライブは最高であった。

***

金曜日の夜のクラシックコンサートから始まり、とびしま海道での泊付きサイクリング、そしてロードスターでのオープンドライブ。
この週末も充実していたなあ! さて、来週はどこ行こう?

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瀬戸内シーカヤック日記: シーカヤック教室番外編_2013年度・屋外食事会

2014年02月16日 | 旅するシーカヤック
2014年2月16日(日) 今日は、毎年夏のシーカヤック教室でお世話になっている施設から、屋外食事会に招待していただいている。
久しぶりに子供たちや先生方に会う事ができるので、楽しみだ!

***

昨日と同様、YB125SPを引っ張りだし、島へと向かう。
今日は風も弱く、快適な海沿いツーリング。


施設に到着すると、まずは待合室に案内された。

そこでお茶をいただきながら、開始時間を待つ。
その間、同じようにこの食事会に招待された方々ともお話しさせていただき、交流を深める。

待合室には、様々な活動の記録写真などがおかれていたのだが、たまたま近くの方が『シーカヤック部』の写真を見て話をされていたので、『私、そのシーカヤック教室を担当させていただいているんです』と挨拶をして、しばし四方山話。
その方は、以前この近くの施設でシーカヤックの体験教室に参加されたとの事で、川用と海用のカヤックの違い、キャンプツーリングや荷物のパッキングの事などに関心を持っておられたようで、お話しさせていただいた。

***

時間になり、今日のプログラムが始まる。

音楽の演奏、招待者の紹介などの後、しっかりと手を洗い、班に分かれて食事の準備を開始。

俺は今回、サンドイッチ担当に。
子供たちと手分けしてツナ缶を開け、油を切り、キュウリをスライスして大きなボールで混ぜ、塩コショウ&マヨネーズで味を整える。

ツナサラダサンドイッチを作りながら、フルーツサンドイッチの作成もお手伝い。

1時間ほどで、大量のサンドイッチを手際良く作り終えた。


***

12時からは、ジュースで乾杯して食事会の始まり。

『いただきます』

みんなで作った様々な料理を楽しみながら、子供たちや先生方との会話を楽しんだり、シーカヤック部の子供達&先生達と写真を撮ってもらったり。
シーカヤック部の女の子が、『また夏になったらシーカヤック漕ぎたい。 楽しみ!』と言ってくれたのは、本当にうれしかったなあ。

***

食事を終えると、記念撮影をして屋外食事会は終了。

最後は玄関で、手作りのお菓子と薄茶をいただき、『ごちそうさまでした』


帰りは快晴の中、海沿いの景色を堪能しながらYB125SPのジェントルな走りを堪能した。

『ああ、楽しい一日だったなあ。 今年の夏も、シーカヤック教室が楽しみだ!』

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瀬戸内シーカヤック日記: YB125SP_太華園『中華そば』&盛水産『かきこまち』日帰りツーリング

2014年02月15日 | 旅するシーカヤック
2014年2月15日(土) 今日は朝から強風の休日。 とてもシーカヤックで海に出られる状況ではないので、久しぶりにバイクツーリングに出掛ける事にした。

冬のバイクツーリングで重要なのは、しっかり防寒できるウエアリング。
とは言え、俺の場合はシーカヤックツーリングと基本的にアンダーウエアは共通。

シーカヤックでは、あったか下着とベストの上にドライスーツとなるのだが、バイクツーリングの場合には、あったか下着とベストの上に、薄手のダウンジャケット、そして風を通さないアウターウエア。 そして下は防寒ズボン。

***

久しぶりにYB125SPのカバーを外す。
ヘルメットをかぶり、グローブをつけて、キーをON。
チョークレバーを引き、セルスイッチを押すと、バッテリーが放電しているようで少し弱々しいスターターの音。

『キュルキュルキュル』

一度エンジンが掛かったが、すぐにストール。 何度か始動をトライし、無事にエンジン始動。

『ようし、出発だ』

***

時折風でバイクが横に流されそうになる強風の中、海沿いの道を竹原に向かう。
家から約1時間で、今日の目的地である『太華園』さんに到着。

俺は、ここの中華そばが大のお気に入り。 尾道の朱華園と同じ系統であるが、こちらのスープの方が俺の好みなのだ。
ただ、チャーシューは朱華園の方が好きなので、もし太華園の中華そばに朱華園のチャーシューを組み合わせる事ができれば最高である。


中華そばを注文し、しばしカウンターで待つ。
ふと顔を上げると、ご主人と目が合った。 俺はニコリと笑い『お久しぶりです』

ご主人もニコリとされ、『今日も海に出たんですか?』 『いいえ。 今日は風が強くて海は真っ白ですよ』
『なので、今日はバイクで来ました』 『そうですか。 遭難したら大変ですもんねえ』

『はい、中華そばです』

『いただきます』

ハフハフ、フーフー。 麺をズルズル、ズルリ。 スープをゴクリ。
途中でチャーシューをパクリ。 メンマをガブリ。

『ごちそうさまでした』

***

再びYB125SPにまたがり、安芸津へと戻る。

妻から、『安芸津の方に行くんなら、白菜とか鍋に入れられる野菜を買ってきて』と頼まれていたので、地元の野菜を売っている市場に立ち寄る。

ここで、白菜、人参、椎茸を購入。



最後は、最近牡蠣を購入するならここと決めている『盛水産』さんへ。

先日ここで購入した牡蠣を、カキフライにして食べたのだが、揚げたてのカキフライをパクリとつまみ食いすると、何もつけなくても口の中に『牡蠣』の濃厚な旨味が広がった。 『この牡蠣、本当においしいね』、と家では大好評であったのだ。

『こんにちは。 電話でお願いしていた牡蠣、買いにきました』
するとご主人が出てこられ、『はい、これ。 500gずつに分けておきましたよ』 『ありがとうございます。 本当に、ここの牡蠣は美味しいですね。 この前食べて、本当に美味かったです』
ご主人はニコニコと、『ね、美味いでしょう』 『はい。 また買いにきます』


風が強くて海に出る事ができない休日。

久しぶりにYB125SPでの日帰りツーリングを楽しんだ。 おいしい中華そば食って、お気に入りの牡蠣を購入。
今日の夜は、安芸津の美味い牡蠣で、エビスビールを一杯飲るか!

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瀬戸内シーカヤック日記: 朝のお散歩ツーリング_情島、伏龍特別攻撃隊基地&トリオコンサート@呉

2014年02月09日 | 旅するシーカヤック
土曜日は、暖かい呉にしては珍しく雪が積もり、さすがにどこにも出掛けることができそうもない。
じゃあ、という訳で、朝から大和温泉へ。

雪だから人も少なくゆっくりと温泉を楽しめるのではないかという読みはバッチリ当たり、空いた温泉で約6時間ほど、潮湯やサウナでのんびりまったり。

ダイエット目標も達成!

***

2014年2月9日(日) 朝7時過ぎ。 『じゃあ、ちょっと近場で漕いでくるよ。 今日は早めに帰るから、昼ご飯はどこかに一緒に食べにいこう』

泊付きツーリングが基本の俺だが、仕方なく日帰りツーリングの場合は、家から車で1時間のエリアに決めている。
という訳で呉からだと、竹原や岡村島、江田島、倉橋島あたりが、日帰りツーリングエリアとなる。

今日は朝のお気軽お散歩ツーリングなので、一番近い音戸からの出艇にした。

***

日の出を眺めながら、『チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲』をBGMに音戸へと向かう。

家から30分でこんな便利な出艇場所があるなんて、芸予諸島の海沿いに住んでいるということが、シーカヤッカーにとってどれだけ恵まれているのか分かるだろう。

家から来てきた”温か下着”の上にドライスーツをまとい、安全装備を積み込むと、出艇準備は完了。

近くの山には、昨日の雪がまだ残っており、冬を感じさせる朝のお散歩ツーリング。


今日は風もなく、少し曇りがちではあるが、絶好のツーリング日和。

このあたりは、広島らしい『牡蠣棚』が。

まだ短いが、牡蠣棚にはワカメの新芽が伸びつつある。 春はもう近い。

小情島、鈴鹿島を巡り、情島へと向かう。

情島の港で一休み。 ポットに詰めてきた、熱い柚子ショウガ湯で体を芯から温める。 『ホッ!』

***

ここからは、情島の岸沿いに北上。 島のほぼ北端近くの小さな浜へ。

シーカヤックを引き揚げ、浜に上陸。

この浜には、太平洋戦争時代に『伏龍特別攻撃隊』の基地があったとかで、石碑が残っているのである。

伏龍特別攻撃隊

この引用HPの記載にあるように、”潜水服・圧搾空気ボンベを装着した隊員が十人で一隊を編成し、長さ2メートルの棒の先についた機雷で敵艦船の船底を突き撃沈させるという、特攻隊のなかでも最も悲壮な部隊だった”、という、信じられないような非人間的な作戦の名残。 『嗚呼。。。』

一人静かに、石碑に手を合わせる。

***

徐々に青空が覗きつつある冬空。

今日は約1時間半ほどのお散歩ツーリング。

残念ながら日帰りツーリングではあったが、やはり海を漕ぐのは楽しいな!

帰りは、ここで信号待ちで止まるとシャッターを押す、二つの音戸大橋が見通せる定番スポット。


***

家に戻ると、着替えて妻と二人で呉に出発。
『今日はコンサートがあるから、もし当日券が残っとったら聴きに行こうや。 俺がバレンタインのプレゼントにしてあげるよ』

呉市文化ホールに行き、『今日の当日券、まだ有りますか?』と聞くと、『ええ、まだありますよ』との事。


座席表を見せてもらいながら、『2階のこの席は空いてますか』と、一番端のせり出した場所を聞いてみると、『空いていますよ。 ここは、好きな方には人気なんです』
『じゃあ、ここをお願いします』 という訳で、1番2番の席のチケットを購入。
『当日券。 空いててよかったね』

***

お昼ご飯は、たいちゃんでお好み焼き。

お好み焼きの、肉玉そばと肉玉うどんを注文し、半分ずつに分けてもらう。

たっぷりのキャベツが時間を掛けて蒸し焼きにされるお好み焼きは、キャベツの甘さが引き立って旨い。
生ビールを注文し、熱々のお好み焼きを、ハフハフ、フーフー。

『ごちそうさまでした!』

そして、コンサートへ。

『川久保賜紀 遠藤真理 三浦友理枝 トリオコンサート』
ピアノとヴァイオリン、そしてチェロのトリオである。

気に入ったのは、F.クライスラーの”中国の太鼓”。 M.モノー、”愛の賛歌”。

S.ラフマニノフ”悲しみの三重奏曲 第1番 ト短調” 最後に至る重々しい曲調が俺の好み。

トリのF.メンデルスゾーン”ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調 op.49”は最高。 特に、第4楽章には痺れた! まさに素晴らしいの一言。

そしてアンコールは、思いがけずも『亡き王女のためのバヴァーヌ(ラヴェル)!!!
まさか、アンコールで俺が好きなこの曲が聴けるなんて。 最高である。

***

朝は地元でシーカヤックでのお散歩ツーリングを楽しみ、午後は妻と一緒にクラシックのコンサートを堪能した。
またまた最高の週末であったなあ!

さて、次はどこ行こう?

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瀬戸内シーカヤック日記: しまなみ海道_生口島一周タンデムサイクリング&大三島の宿”紺玉”

2014年02月02日 | 旅するシーカヤック
2014年2月1日(土) この週末は、妻が久し振りに土日休みなので、『せっかくやから、どっか泊まりにいこうか?』 『どこ行くん?』
『山陰や山口方面は雪の心配があるし、近場でゆっくりしようや。 しまなみ海道あたりで、タンデム自転車でも漕いで、宿で美味しい魚でもどうかな』 『ええよ、そうしようか』

と言う訳で、土曜日は朝からしまなみ海道へ。
まずは、タンデム自転車のレンタサイクルがある生口島の瀬戸田サンセットビーチへと向かう。

まずは、受付で『自転車借りたいんですが。 タンデム自転車をお願いします』
『乗られた事はありますか?』 『ええ、何度か』 『じゃあ、大丈夫ですね』
手続きを済ませ、自転車を借りて準備をしていると、これから釣りに行く様な格好をした一人の男の方が近寄ってこられ、『あの、ブログやっておられる方ですよね? あのカヤックと自転車を積んでるクルマを見て分かりました』
俺は照れながら、『ええ、そうです』 すると、『ブログ、毎週見てますよ。 それにしても、いろんな所に行かれてますねえ』
『はい、お恥ずかしい限りです。 今日は、妻とタンデム自転車を漕ぎにきたんですよ。 シーカヤックはやられるんですか?』 『ええ、何度か漕ぎました』

『じゃあ、楽しんで来て下さい』 『はい、ありがとうございます』
いやあ、驚いた。 これまでも時折、浜でカヤッカーの方にお会いした時、『ブログの方ですよね』と聞かれた事はあったが、最近は他のシーカヤッカーの方に海でお会いする事も無く、声を掛けていただいたのは久し振りである。
それにしても、こんな素人のブログを毎週読んでいただいているなんて、そして声を掛けていただけるなんて、嬉しいものである。

***

そんなこんなで、嬉しい出会いから今回の旅はスタート!

思ったよりも気温は低く、出発時の温度はなんと3℃。 アンダーウエアを急遽追加し、上着もダウンジャケットに変更して出発。

今日は妻と二人で生口島一周、約28kmをカウンタークロックワイズで漕ぐつもり。
漕ぎ出して、しばらく進むと『ちょっと休んでいきんさい』と声を掛けられた。

見ると、駐車場の片隅にミカンの箱をおいて、お接待されているおばちゃんが。
『ミカン、食べていきんさい』 『はい、ありがとうございます』
『いつもここでお接待されているんですか?』 『人からもろうたミカンじゃけど、せっかくじゃから休みの日にはここに置いて帰るんよ。 今日も、もうすぐ帰るつもり。 でも、連休なんかは一日居るんよ』
『へえ、そうですか。 でも喜ばれるでしょう』 『冬は人が少ないけど、春になったら自転車の人も増えるよね』
『あー、このミカン、美味しいです。 これは漕いでる途中には良いですね』 『そうじゃろう』

ここで、美味しいミカンを2つほど食べさせていただき、『じゃあ、そろそろ出発します』 『はい、気をつけて』

***

漕いでいると途中から汗ばみ始めたので、ダウンジャケットを脱いで薄手のジャケットに着替える。
ただ、顔が寒いので、ネックウオーマーで顔を防寒して怪しい姿でペダリング。

この時期のしまなみ海道はサイクリストも少なく、漕ぎ易い快適なタンデム自転車旅。

途中では、暖かい飲み物と、途中の三原で買ってきたレモンパン&アンパンでエネルギー補給しながら漕ぎ進む。


瀬戸田まで来ると、まずはお昼ご飯。

11時半の開店に合わせて、ラーメン屋さんに一番乗り。

妻は中華そば、俺はニンニク中華そば。
『いただきます』 『おー、このニンニク中華、美味しいなあ。 ニンニクがええ感じや』
おいしい中華そばで体が温まり、少し漕ぐと汗ばむほどである。

お昼ご飯のあとは、最近お気に入りの美術館巡り。

ここ瀬戸田では、もちろん『平山郁夫美術館』である。 ここは数年前以来となる2度目の訪問。

いやあ、先日の奥田元宋も良かったが、やはり改めて観ると平山郁夫も素晴らしい。

小学生や中学生頃に書いたという画を見ると、そのレベルの高さにただただ驚かされる。

そして極めつけは、『求法高僧東帰図』、『パミール高原を行く』、『アンコールワットの月』などなど。
仏教やシルクロードをテーマにした一連の作品群には、完全に心を奪われる。 まさに至福の一時。

『いやあ、やっぱ一流の作品を観るのは楽しいな』

***

素晴らしい絵画を鑑賞したあとは、その心地良い余韻を楽しみたくなり、『ちょっとお茶しに行こうか』

瀬戸田といえば、お気に入りの『パティスリーおくもと』さん。
おいしいスイーツをいただきながら、サービスのコーヒーをいただき、楽しい一時。

再び漕ぎ出し、無事にサンセットビーチまで戻ってきた。

『タンデム自転車はサドルが今一で少しオシリが痛いけど、アップダウンも少なくて距離もちょうど良いし、楽しかったね』

***


大三島に移動し、まずは大山祇神社に参拝。

今回の旅の安全を祈願し、

妻は珍しいおみくじを発見して運試し。



その後、マーレグラッシアの潮風呂でのんびりまったりした後、今日お世話になる宿『紺玉』さんへ。

荷物を置くと、鷲ヶ頭山へ。

今日は、夕日が楽しめそうだ。

呉から大三島なんて近いので、なんでわざわざそんな所に泊まるのか? という意見もあるだろうが、俺は近場だからこそ泊まる価値があると考えている。
夕方になり、観光客が居なくなった町の雰囲気は、知っている大三島とはまた別の顔を見せてくれるし、こんなにゆっくり夕日を楽しむことができるのも、宿に泊まるからならではである。







いやあ、今日のサンセットは綺麗だったなあ。 妻も喜んでくれたようだ。 うれしいな。


***

紺玉さんに戻ると、楽しみにしていた夕食。

何と、刺身は大きなカワハギとオコゼ/虎魚!!!

カワハギは、肝もたっぷりあって美味そうだ。

ビールで乾杯し、おいしい刺身をたっぷりといただく。
『肝、旨いなあ』 『オコゼもおいしいね』

煮魚は、タモリ。

オコゼの唐揚げも。 熱々のうちにいただくと、これまた最高である。

ビールの後はぬる燗の日本酒で、美味しい魚料理をたっぷりと堪能させていただいた。 『ごちそうさまでした!』

***

翌朝も、オコゼのアラが入った美味しいお味噌汁の付いた朝ご飯をいただき、大満足。
『お世話になりました。 また泊まりにきますよ。 次回は呉から自転車で来ようかな』 『ええ、また来て下さい』

帰りは、盛港からフェリーで忠海まで。

今回の旅は、ブログを見て下さっている方との出会いから始まり、妻と一緒での生口島一周サイクリング、平山郁夫美術館、お気に入りの中華そばとスイーツ、温泉、しまなみの魚料理と、またまたバリエーションタップリで堪能することができた。
『いやあ、またまた最高の週末だった! さて、次はどこ行こう?』

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