あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

『芸予ブルー』_テーマカラー of 印象派_”瀬戸内シーカヤック日記”

瀬戸内シーカヤック日記: あるくみるきく_笠岡諸島、高島日帰りツーリング

2010年05月30日 | 旅するシーカヤック
2010年5月29日(土) 来週に迫った『旅する櫂伝馬プロジェクト』を控え、今週末はゆっくり休養することにしよう。
『来週があるんで、今日は日帰りツーリングにしとくわ』 『どこへ行くん?』 『せっかくじゃけえ、これまでゆっくり漕いだことがないところに行ってみようと思うとる。 笠岡の高島辺りに行ってくる。 そして日曜日はゆっくり休憩! ロードスターで、近くの島の温泉にでも入りに行こう』

キャンプツーリング派の私は、たまに行く日帰りツーリングはクルマで1時間圏内と、なんとなくこれまでの経験から自然と決まっている。 せっかく、のんびりまったりと海を楽しむのに、クルマで何時間も走って数時間漕ぎ、その日のうちにまたまた数時間かけて家に戻ってくるというのでは、なんともせわしないではないか。
また日帰りでは、漕いだあと温泉で潮抜きしてサッパリし、浜で夕日を眺めながら『グビリ』とビールを飲る、あの至福の一時も味わえない。

と言う訳で、東方面だと竹原、南方面だと倉橋島、西方面だと能美島/江田島/坂町あたりが、1時間圏内となる日帰りツーリングエリア。
だが、できれば自分にとって新しいコースも開拓したいという思いもあり、次回以降のキャンプツーリングコースのロケハンも兼ねて、珍しく遠出の日帰りツーリングに出かけることにした。
***
狭くて分かりにくい山道を走り、ようやく見つけた出艇地。 ここはなかなか良さそうだ。
だが風が強い。 時折ビューっと吹き抜けるオンショアの風。 『うーん、漕げなくはないけど、曇りがちだし、これでは気持ち良いツーリングはできないなあ』
という訳で、しばしのんびりと風待ち。

昼を過ぎ、ようやく風も収まってきた。 『さあて、そろそろ漕ぎ出すとするか』
 
稲積島を越え、明地島の南側をかすめて高島へ。 ここからは、高島に沿って反時計回りで一周する。

今は引き潮だが、高島の南側は、東に流れている。 そう、高島や白石島と鞆の浦との中間辺りに分水嶺があり、この辺りでは引き潮は東向きの流れになるのである。 『いやあ、そうだった。 横断隊の時には意識していたけれど、全く忘れていた。 やっぱり普段漕がないエリアを開拓するのは面白いなあ』

小高島の北側を通り、汐口鼻をグルリと回って高島の北岸へ。 すると、ちいさな集落が見えてきた。
 
『鳥居も見えるし、ちょっと上陸してみようか』

***
カヤックを浜に引き揚げ、集落へ。 少し歩くと小さな神社がある。 高島神社。 帽子を脱ぎ、サングラスを外して参拝。
少し集落を歩いてみるが、人気はなく、瀬戸内の小さな離島らしい静かな佇まいが好もしい。
 
浜側の道に出たところで、向こうから一人のお年寄りが歩いて来られた。
『こんにちは。 ここは景色も好いし、静かで良い所ですね』 『ああ、こんにちは。 どこから来られた?』
『はい、今日は神島からカヌーを漕いで来ました。 高島を一周して、ちょっとここに上がってみたんです』 『ほう、呉から。 あんた、自衛隊さんかね?』

どこに漕いで行っても驚くほど定番となっている、いつもの『自衛隊さんかね?』に笑いながら、
『いえいえ、違うんです。 普段はサラリーマン、会社員なんですよ。 土日だけこうしてカヌーで遊んでるんです』 『そうかね。 どこで働いとるん?』
『○○です』 『わたしゃあ、昔船乗りをしよったんじゃが、○○にはよう石炭を運びよったよ』 『え、そうなんですか!』

『いつ頃まで船に乗りよっちゃったんですか?』 『ああ、70歳まで乗りよった。 もう十数年前じゃなあ』 『いやあ、元気で若う見えますね。 とても80過ぎには見えません』
***
『船乗りはどうでしたか?』 『そうよのう。 まあ日本中いろいろ行ったよ。 それに、ええもわるいも、そりゃあ仕事じゃから』
『え、飲みに行ったか? そりゃあ船乗りじゃからの。 地元地元で、おいしい酒を飲むのも楽しみの一つよ。 船乗りいうたら、まあ、ある意味ヤクザみたいなもんじゃからなあ』と笑う。

『石炭はな、北九州の若松のところから積んで、広島に運びよった。 他にも機械を運ぶ船にも乗って、呉のIHIからいろんなところに機材を運んだもんじゃ』
『原発をたくさん作った時期があったじゃろう。 あの頃は、福井の方に設備を運んだな。 時代、時代で運ぶものが変わる』
『あと、北海道にも行きよったなあ。 製紙会社と契約した船で、北海道からは新紙を積んで東京や名古屋、大阪に運び、帰りは古紙を積んで北海道へ持って行く』 『古紙? そう、再生紙の原料にするんよ。 帰りを空荷で戻っても油代はかかるしな。 それに船いうもんは、空荷じゃと安定せん。 空荷の時には、タンクに海水を入れてバラストにする。 そうせんと荒れた時に揺れて揺れて』

『そうそう、日本鋼管の所を埋め立てる時には、石を運ぶ船にも乗ったなあ。 あれは小さい船よ。 あの神島の所で山を崩して石を船に積む。 埋め立ての所に持って行って、錘で船を傾けて石を落とす』 『あー、あの船ですか。 昔テレビで見たことがあります。 あれって、船がひっくり返るんじゃないかとハラハラしながら見てました』 『あの神島の所は、埋め立ての石を採るんで山が一つ消えたんよ』

『ところで、昔の高島はどうじゃったんですか?』
『うん、ここもやっぱり人が減って。 もう年寄りばっかりよ。 60代いうたら若手じゃから』 『前は、学校もあったんよ。 でも廃校になって、今居る二人の子供らは、スクール船で本土の学校に通いよる』 『昔は半農半漁。 石を採る仕事もあった。 北木や白石と一緒』
『昔は、ここらの山は禿げ山じゃった。 ほとんど木はなかったな。 それが、砂防かなんかで植林して、こうなった』 『あの山の上の建物。 あれは地元の資料館。 行ってみたらええよ』

『じゃあ、そろそろ行くわ』 『いやあ、楽しいお話、ありがとうございました』
『まあ、小さい島で見る所はないけど、ゆっくりしていきんさい』 『はい、ありがとうございます』
***

こんな小さな島に、地元の歴史にまつわる資料館があるとは知らなかった。
 
きれいに清掃され、土器や昔の島の写真などが展示されており、なかなか良い雰囲気。
この島には多くの磐座があるという。 次回は是非、キャンプツーリングで訪れ、ゆっくり歩いて見たいものである。
***
再び漕ぎ出し、浜へ戻る。 と、浜にはカヤックが。 フェザークラフトである。
 
上陸して挨拶し、お話しすると、この浜からいつも出ているとのこと。 今日はここから、カヤックで鞆の浦の花火大会を見に行こうかと思っていたけれど、出発が遅くなったので、高島か白石あたりでキャンプ予定だそうだ。
しばしお話した後、静かに出発された。 『じゃあ、良い旅を!』 『そちらも、気をつけてお帰りください』

これまでゆっくり回ったことがなかった高島。 今年25漕ぎ目となるお散歩ツーリングは、地元の、元船乗りというおじいちゃんのお話も伺うことができ、資料館も教えていただき、ロケハンツーリングとしては大成功。 次回は是非、キャンプツーリングで磐座巡りを楽しみたいものである。

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瀬戸内シーカヤック日記: しまなみ海道_大三島堪能キャンプツーリング

2010年05月16日 | 旅するシーカヤック
2010年5月15日(土) この週末は、しなまみ海道の大三島にある、お気に入りの浜をベースにキャンプツーリングを楽しむ事にしよう。

金曜日の夜。 『この週末はどこへ行くん?』と妻。 『そうやなあ。 天気も良さそうやし、久し振りに大三島に行ってみようかと思っとる』と私。 『そうなん。 分かった』 
自由に旅する私を理解してくれ、まるで『泳ぐことをやめたら窒息してしまうサメ』のような私の特性を納得し、放し飼いにしてくれる妻に感謝!
***
いつものように、2号線からしまなみ西瀬戸自動車道を経由して、大三島の海水浴場へ。 週始めの予報では雨マークが付いていたのだが、週末が近付くにつれて晴れマークに変わり、今日は快晴が期待できそう。
きれいな弧を描く砂浜。 まるで沖縄の様なエメラルドグリーンの海。 そして海に浮かぶ小さな島々。 これぞまさに、瀬戸内をベースとするシーカヤッカーである私がイメージする瀬戸内海そのものである。
 
今日のツーリングコースは、大横島。 少し北東寄りの風が吹いているので、湾に沿って北上し、途中から風に乗って大横島へと渡る。
 
大横島に到着すると、お昼までもう少し時間があるので、反時計回りで一周してみることに。 北端の岬をグルリと回ると、その先には、先日、櫂伝馬の打ち合わせで訪問した『大崎上島の木江』が見えてきた。

島を一周し、北端にある浜にカヤックを揚げる。 さて、お昼ご飯にしようか! クーラーバッグから、途中で買い込んで来たお弁当を取り出し、『いただきます』
美しい瀬戸内の海を眺めながらのランチタイム。 これでお昼ご飯がおいしくない訳がない。

お昼ご飯のあとは、ポカポカふかふかの気持ち良い浜に寝転び、しばしの休憩。 『ああ、これこれ。 この自由さ、快適さが、海旅の楽しみの一つなんだよなあ』
聞こえてくるのは波の音と鳥のさえずり、そして沖を行き交う船の音だけだ。
 
『あー、気持ち良かった!』 さて、そろそろ浜に戻る事にしよう。
帰りは直線コース。 追い潮に乗り、軽やかなパドリングでアッと言う間に浜に戻ってきた。 『いやあ、やっぱり大横島は良いなあ』
***
ツーリングを終えると、カヤックを浜に揚げ、テントを張り、着替えて買い出しへ。
キャンプツーリングの良い所は、漕ぎ終えたあとに、訪れた島を楽しむ時間がたっぷりとれること。 暗くなるまでには、まだまだ時間がある。
温泉で潮抜きをしたあとは、ちょっとドライブに行ってみようか。
 
目指すは、山の上の展望台。 以前、訪問した時に見つけておいた、とっておきの場所。
写真では伝わらないが、本当にここの景色は絶景である。
目の前に横たわる珍しい山の尾根。 箱庭の様な海に点在する島々。 次第に傾いていく日で、キラキラと輝く海。 神々しささえ感じる景色。
まさに、声を失うとはこのことだ。 しばし静かに景色を眺め、瀬戸内の美しさを五感全てで堪能した。
***
買い出しを終え、浜に戻る。 ベンチに陣取り、夕日を眺めながら、まずはいつものビールである。
『プシュッ。 トクトクトクトク』 『いただきまーす』 まずは『ゴクリ』 うーん、美味い!
一息つくと再び『グビリ、グビグビ』 『プハーッ』 ああ、堪らん! この一瞬のために漕いでいると言っても過言ではないくらいの幸福感。
 
今日は、久し振りに『里山こんろ』を持ってきた。 久々の焼肉だ!
 
瀬戸内の夕日を眺め、ビールをグビリ。 海を眺めて焼肉をパクリ。 美しい夕焼けに乾杯して、再びゴクリ。
これ以上、何が要る?
 
次第に傾いていく夕日を眺めているとき、ふと見ると、なんと夕日の横に短い虹が!
これは素晴らしい。 沈み行く夕日と、妖しささえ感じさせるきれいな虹。 こんな景色、見たことない!!!
 
今日の充実した一日を思い出しながら、美しい夕日につつまれ、最高のキャンプの夜となった。
***
翌朝。 日が出た頃には雲が多かったのだが、朝ご飯を食べていると、どんどん雲が晴れて来た。
今日もいい天気になりそうだ。
 
安全装備だけを積み込み、おだやかな海に漕ぎ出した。
今日は福島までのお散歩ツーリング。 暑くも寒くもない気候。 まるで湖の様な波のない海を、静かに漕ぎ進む。
 
とはいえ、やはり今日は大潮。 福島の付近では、しばしザワザワとした潮流の流れを楽しみ、帰路についた。
今日は、2時間半ほどのツーリング。
***
 
帰りには、大山祇神社に参拝し、最高の天気と海況に恵まれた、今年23&24漕ぎとなる週末の海旅を終えた。

いやあ、またまた海旅をたっぷりと堪能した最高の週末! それにしても、日帰りツーリングとキャンプツーリングとは、その深さや充実感が全く違う、まさに異次元だというのを再認識した。 ほんと、シーカヤックはキャンプツーリングに限るなあ。 

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瀬戸内シーカヤック日記: 『旅する櫂伝馬プロジェクト』_大崎上島での説明会

2010年05月12日 | 旅するシーカヤック
2010年5月11日(火) 今日の夜は大崎上島で、『旅する櫂伝馬プロジェクト』参加関係者への説明会である。
 
竹原港から高速船に乗り、木江港へ。
いつもはシーカヤックで漕ぐ海域。 夕日を眺めながらのしばしのクルージングは、瀬戸内らしい短い海旅。
***
今日の説明会は、木江支所で午後7時半から。 港から歩いて行く途中に、『厳島神社』があるので、『旅する櫂伝馬プロジェクト』の成功を祈願するため参拝した。

『神様。 当日の天候と航海の安全。 よろしくお願いいたします!』
 

そう、この『大崎上島にある厳島神社』から、『いつくしま』という櫂伝馬で、宮島の『厳島神社』まで、昔ながらの手漕ぎの和船である櫂伝馬で、一泊二日の旅をしようというのが、今年が初回となる『旅する櫂伝馬プロジェクト』なのである。
***
予定時刻を少し過ぎた、午後7時半過ぎ。 今日の説明会に都合がついた十数人の参加メンバーもほぼ集まり、メディアの取材の方も来られているなか、実行委員長の啓志君が、プロジェクトの趣旨や概要の説明を開始。

約30分の概要説明のあとは、私の出番。
前日の夜に急遽思い付いて作っておいた、航海予定経路や潮汐、休憩場所、要注意箇所などが分かる広域のマップを使って、6/5~6/6までの具体的な航海予定と、安全確保のための注意事項を説明していく。
 
時に笑いあり、そしてまるで漫才の様な突っ込みありの、楽しくそして充実した説明会であった。 いやあ、来て良かった!

そして夜は、啓志君の家に泊めてもらい、ビールを飲みながら関係者と語り合う楽しい一時。

山あり谷あり、そして思いも掛けぬ様々な艱難辛苦が待ち受けている準備ではあるが、関係者の方のご協力やアドバイス、サポートをいただきながら、なんとか一歩一歩進んでいる。
『サポートいただいている方々。 アドバイスや助言をいただいている方々。 そして叱咤激励をして下さる方々。 皆さん、本当にありがとうございます』 感謝、そして、ただただ感謝。
***
実行予定日も、もう目の前。
このプロジェクトを企画するに至った経緯は、『旅する櫂伝馬の原点』を参照いただきたい。

また、プロジェクトの詳細に付いては、大崎上島にゆかりのある方が作られた、『旅する櫂伝馬のHP』に詳しく紹介していただいている。 『ありがとうございます』
***
当然の事ではあるが、自然の中で行うイベントであり、天候次第で中止や予定変更の可能性もある。
ただ、大崎上島の若い人たちが、高い志(こころざし)を持ち、新たな目標に向かって一致団結して取り組んでいるチャレンジであり、それに少しでも関わる事ができていることは、『瀬戸内海洋文化の復興、創造そして継承』の実践を”志”とする私にとって、最高のよろこびである。

そして、我々が出来得る限りの準備と努力をしたら、あとは『人事を尽くして天命を待つ』のみ。

『でも、厳島神社の神様。 6/5~6/6が好天に恵まれますよう、なにとぞ、なにとぞ、よろしくお願いいたします!』

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瀬戸内シーカヤック日記: しまなみ海道_生名島、佐島、赤穂根島、岩城島、周遊ツーリング

2010年05月09日 | 旅するシーカヤック
2010年5月8日(土) この週末は、お気に入りの島、生名島をベースにした『しまなみ堪能キャンプツーリング』

朝早くに、生名島のいつものキャンプ場に到着した。 今日は、既に管理人さんも来ておられるようだ。
『おはようございます。 今回もよろしくお願いします』と挨拶し、手続きを済ませる。

五月連休の様子を伺うと、今年は天気にも恵まれて比較的人出が多かったとの事。 それはよかった!
静かなキャンプ場が好きな私は、他に人が居ないか、もし居られても一組位の時にしかこのキャンプ場には来ない事にしているのだが、連休や海水浴シーズンなどの書き入れ時に、他の方々にキャンプ場を利用していただけることは嬉しいことである。

また驚いた事に、私のブログを見てここに来た人も居られたのだとか! そして、このゴールデンウイークには、カヤックを積んでキャンプ場に来た人が例年になく多かったのだそうだ。 それはそれで驚きでもあるが、『自称_上島町のなんちゃって観光大使』としては、やっぱりうれしいなあ。

櫂伝馬の大崎上島も、この生名島をはじめとする上島町も、私がお気に入りになった島々は、本土と陸続きとなる橋が架かっていないことが共通している。 逆に、橋が架かってしまった岡村島や大崎下島へは、最近足が遠のいているのも事実である。 瀬戸内の島々を定点観測している私が見ていると、やはり橋が架かると、島の雰囲気が大きく変わるのは、残念ながら否定する事ができない。

橋が架かっていない事は、それはそれで住んでいる方々に不便さはあるのだが、島を訪問する人間から見ると、やはりそれはその島々の独特のそして貴重な特徴や、長年培われてきた独自の文化&雰囲気が、離島であるがために残されていることが、その島のとても大切な魅力になっていると感じている。
***
『じゃあ、行ってきます! 今日は空気もきれいだし、なにより好い天気なので、最高の漕ぎ日和ですよ』
 
昨日の雨で空気は澄み渡り、暑くもなく寒くもない最高のコンディション。 今年初めて、短パン&Tシャツで漕ぎ出した。

最初の頃こそ、少し風があったのだが、途中からは瀬戸内らしい凪の海。 クリアな空気で、新緑の美しさがより一層引き立ち、美しいしまなみの景色を堪能しながらのツーリング。
『いやあ、これは気持ち良い。 今年のツーリングで最高のコンディションじゃないか!』
 
生名島と岩城島との間の瀬戸を南下し、そこからはバウを少し東に向けて佐島の西岸へ。 そう、佐島の南西端には、私好みの浜があるのだ。
 
透き通った海の水。 細かく砕けた花崗岩の砂浜。 眺めているだけで心が癒される。

再び漕ぎ出し、赤穂根島の南岸を漕ぎ進み、いつも通り少しザワつく津波島との間の瀬戸を漕ぎ抜けると、バウを北に向ける。
 
***
岩城島に上陸。 公園で潮の付いた顔を手を洗い流し、いつもの『よし正』さんへ。 ここの定番、『よし正定食』が一番のお気に入り。
 
今日もボリュームたっぷりの定食。 これでなんと650円である。 安いなあ!
あー、お腹一杯。 満足満足。 『ごちそうさまでした』
***
食後はいつものようにスーパーを覗き、ターミナルのお土産をチェック。 さて、帰ろうかと思ってふとバスの時刻表を見ると、10分後にバスがでるようだ。

このバス、前から気になってたんだよな。 時間もたっぷりあることだし、ちょっと聞いてみようか。

出発前に戻って来られた若い運転手さんに、『このバス、島を一周するんですよね』 『ええ、そうですよ』
『料金はいくらですか?』 『はい、無料です』 えー、無料なんだ!!! これは乗るしかない。
『一周、乗っても良いですか?』 『ええ、どうぞ』と笑顔で答えて下さった。
 
地元の生活バス。 途中からは帰宅する幼稚園の園児達も大勢乗り込み、車内は賑やかに。
子供達は、自分達が降りるバス停が近付くと、『ちゅぎ、おねがいしまちゅ』と運転手さんに伝えるのだ。 可愛いなあ!
そしてバス停に到着し、降りる時には『ありがとうございまちた』と挨拶していた。 感心感心。

シーカヤックで岩城島を一周した事は何度もあるが、陸路で一周したことはなかったので、興味津々で車窓の景色を堪能した。
約30分ほどで、出発したバス停が近付いてきた。 俺も、『つぎ、おねがいします』と言わないといけないのかな、なんて半分冗談で思っていたら、残っていた子供が、『つぎ、おねがいしまーす』と言ってくれた。
ホッとしたのが半分、言えなかったのが残念なのが半分、なーんて。

でも、降りる時には私も当然、『ありがとうございました!』と挨拶した。
***
浜に戻り、再び漕ぎ出す。 時計回りで岩城島を一周。

途中の造船所では、完成まじかの兄弟船?の傍を通り、出発した浜に戻ってきた。
 
今日は9時に出発して、戻ってきたのが午後2時過ぎ。 お昼ご飯や30分ほどのバスツアーを含め、計5時間ほどのロングツーリング!
今年最高のコンディションの中、しまなみツーリングをたっぷりと堪能した。

***
フネを揚げ、シャワーを浴びて着替えると、因島へ買い出しに。 キャンプ場に戻ると、次第に日が傾いていく中、夕食の準備に取りかかる。
小さな釜に無洗米を入れ、適量の水を入れてしばらく置いておく。 30分ほど待ち、カセットコンロに火を入れて、ご飯を炊く。
最初は静かだが、しばらくするとグツグツ、ポコポコと音がしてくる。 火を小さくし、蓋の隙間からシューシューと湯気が吹き出し、しだいにお焦げの香ばしい匂いが漂ってきたら、火から下ろしてしばし蒸す。
そしてこの釜炊きご飯が、なんとも言えずおいしいのである。 お米の一粒一粒がキリリと立ち、そしてツヤツヤと光り輝き、なんとも言えない甘みと味があるのだ。 この釜炊きご飯があれば、玉子と納豆でも充分なくらい。

ご飯を蒸している間に、レトルトの親子丼を温め、玉子とシーチキン、サラダの残りのカイワレで『カイワレとツナのオムレツ』をつくる。 
 
ビールを『トクトクトクトク』と注ぎ、『いただきまーす』と一人乾杯。 『グビリ、グビグビ。 うーん、最高に美味い』

オムレツをつまみながらビールを飲んでいると、もう一組キャンプ場に来られている家族のお父さんが歩いておられた。
こちらを見られたので会釈すると、向きを変えてこちらに来られる。
『こんにちは』と挨拶すると、『こんにちは。 あの、ブログの方ですよね』と驚きの返事が!

『え、ご存知なんですか?』 『ええ、ブログ見たことがあります。 確か、息子さんとも漕ぎに来られた事がありますよね』との事。
お話を伺うと、お子さん達がキャンプに来たいと言うので、初めてのキャンプとしてここに連れて来られたのだとか。 今日は天気も最高だし、お子さん達もよろこぶ事だろう。
『ではまた』 『ええ、またブログ見てみます』 いやあ、驚いた。 こんな所でブログを見て下さっている方にお会いするとは!
ほんと、今日は最高の気分である。
***
その後は、一人夕日を眺めながら、最高のコンディションだったツーリングを思い出しながら、旨いビールを飲み、ワインを楽しんだ。
 
***
2010年5月9日(日)
翌日は、ここに漕ぎにきたときの定番である、平内島、亀島、鶴島のお散歩ツーリングを楽しむ。
 
カヤックを揚げ、道具を水洗いして乾かしている間に、コーヒーをいれて、ベンチでのんびりまったり。
余りの気持ち良さに、ポカポカと差す日差しを浴びながら、ベンチに寝転んで青空を眺めた。 なんと爽快な休日なのだろう。 完全にリフレッシュ!
***
連休明けの週末。 お気に入りのキャンプ場をベースに、今年最高のコンディションの中、2010年の21&22漕ぎをたっぷりと堪能することができた。
瀬戸内、最高!!! さて、次はどこへいこうかな?

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瀬戸内シーカヤック日記: 周防大島&上関キャンプツーリング(2)_ダブルヘッダーツーリング

2010年05月04日 | 旅するシーカヤック
2010年5月3日(月) 周防大島の浜に張ったテントの中で目覚める。

暑くも寒くもない、キャンプに最適な気候の快適な夜だったので、薄いダウンのシュラフに包まって、朝までグッスリと眠ることができた。
***
朝食は、私の定番である『うどん』 朝の海を眺めながら、玉子を落とした温かい月見うどんをすすっていると、目が覚めてくる。 他の人たちも起きてテントから出てきはじめた。 『おはようございます』 『おはよう』 朝の挨拶を交わす。

食事が終わるとコーヒーを飲み、荷物を片付ける。 朝漕いだら、次の場所に移動する予定である。
8時20分。 出艇の準備が完了。

昨日はこの浜から西に漕いだので、今日は東へ。
沖にある島の西端を目指し、穏やかな朝の瀬戸内海を漕ぎ進む。 島を超えたらバウを東に向け、沖家室島へ。
沖家室島までの瀬戸は潮が重く、なかなか進まない。 一漕ぎ一漕ぎ、しっかり水の重みを受け止めながら、焦る事なくジワリジワリと漕ぎ進む。
 
沖家室島にタッチして、Uターン。 再び重い潮の中を漕ぎ戻る。
***
ふと、パドリングを止めてみると、そこは静寂の空間。 うっすらとした朝靄に覆われた、べた凪の瀬戸内海。 パドリングの音が消えると、よりいっそう聴覚が研ぎすまされる。

『タン タン タン タン タン タン』 遠くから聞こえてくるのは、沖を行く貨物船のディーゼルエンジンの音。

『コケコッコー』 後ろの集落からは、朝を告げる鶏の声。

『ホーホケキョ ケキョケキョ』 山からは鳥のさえずり。

朝靄の海。 波一つない海面に、小さな小舟に乗って独り漂っていると、なんだかとても不思議な気分。 長さ5m、幅60cmほどの、まるで笹舟の様な小舟で、こんな広い海の上に、ぽっかりと浮かんでいるのだ。 これって現実なのか?
広く大きな海の上で、自分が乗っているシーカヤックの薄いFRP一枚隔てた下は海なのだということを、再認識する。

独りきりの心地良い空間で、なんとも言えない不思議で貴重な一時を過ごすことができた。 これぞ、ソロツーリングならではの時間である。
『うん。 今朝はここに漕ぎにきて正解だったなあ』
***
再び漕ぎ出し、浜に戻ると、ちょうどH君主催のツーリングが始まるところであった。
『今日はどこですか?』とH君。 『うーん、今から考えるよ』と私。 『それじゃあまた』 『そちらこそ楽しんで』
 
シーカヤックをカートップし、着替えると、お昼ご飯を食べに『芋喰い島』へ。 おいしいワンコインランチを食べながら、『さて、どこ行こう?』

しばし逡巡し、『そうだな。 久し振りに、刎島へ行ってみるか』
***
周防大島を出て、平生へと向かう。 いつもの浜に到着し、すぐにシーカヤックを降ろして出艇準備。
日帰りなので、装備は安全装備とお茶だけだ。
 
目指すは、目の前にある刎島。 この無人島は、お気に入りの島の一つ。
 
太陽はギラギラと照りつけるが、海に出ると涼しい海風もあり、なかなか快適なパドリング。 干潮時に現れる砂州と青い海とのコントラストが織りなす優しい景色を楽しみ、すぐ裏側に回ると、今度はロックガーデンの荒々しい風景が堪能できるというのが、この刎島の面白いところである。
***
1時間ちょっとのお散歩ツーリングを楽しみ、浜に戻ってきた。
今日は、朝は周防大島の南岸、午後からは上関の刎島と、久し振りのダブルヘッダーツーリングを堪能した。 『いやあ、これで連休らしいキャンプツーリングになったなあ、大満足!』

シーカヤックを引き揚げ、道具を片付けると、近くの温泉へ。
この温泉がオーシャンビューのお風呂で、眺めは最高。 傾いていく太陽と、日に照らされてギラギラと輝く海、そして浮かぶ島々を眺めながらの癒しの入浴。

駐車場からも、お風呂からとほぼ同じ景色が堪能できるので、風呂上がりにパチリ。 『あー、さっぱりした』
 
***
今日は、埠頭で車中泊の予定。 たっぷりと時間があるので、夕方には近くの山にある展望台へ。
初めて訪れたのだが、なかなか良い景色である。
 
少し靄がかかっているのが残念だが、瀬戸内らしい景色が堪能できる良いスポット。

今回のキャンプツーリングは、最高の天気の中、周防大島の南岸と、上関の刎島を楽しむことができて、なかなか充実したツーリングとなった。 やっぱ、シーカヤックはキャンプツーリング/旅するシーカヤックに尽きるなあ。

今日のダブルヘッダーを2漕ぎとすると、昨日と合わせてこれで今年は20漕ぎ目。 なかなか良いペースである。
さて、次はどこ行こう?

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瀬戸内シーカヤック日記: 周防大島&上関キャンプツーリング(1)

2010年05月04日 | 旅するシーカヤック
2010年5月2日(日) 連休前半は風が強い日が続いていたが、ようやく天気が落ち着きそうだ。 さあて、どこに行こうか?
***
朝、4時半に起床。 朝食を摂り、5時になったらPCを立ち上げて、最新の天気予報をチェックする。 キャンプツーリングに出発する朝のルーチンワーク。
今回は、昨夜の時点で目的地を4ヶ所に絞り込んでいた。 朝の天気予報で、どこを漕ぐかの最終決定をするのである。 『先船を漕ぐな!』

ようし、決まった。
***
朝、5時半。 『じゃあ、行ってくるけん』 『どこに行くことになったん?』 『周防大島』 『分かった。 気をつけて』
***
9時。 出艇準備完了。 今日は、周防大島の南岸を漕ぐ予定。

風もなく穏やかな海。 誰もいない静かな浜から漕ぎ出した。
 
岬を超えると、そこから先は人の手の入っていない自然海岸が続いている。 宮本常一氏は確か、『人の手の入った景色は良いものだ。 それはどんなものであれ、生活を良くしようとして手を入れているからである』という様な文章を残されているが、高度成長期を経て”過度に”人の手が入った今でも、先生は同じ事を言われるのだろうか、などと考えながら自然海岸沿いに漕ぎ進む。

最近漕いだ倉橋島の南岸や島根半島に比べると透明度は低いが、それでも充分きれいな海であり、初夏を思わせる陽気の中の快適なツーリング。

1時間ほど漕ぎ進むと自然海岸は途切れ、集落が見えてきた。 浜では親子が何かを探している様子。
近付き、『こんにちは。 何か獲れるんですか?』と聞いてみると、お母さんが、『潮が引いて岩が出たら、子供に小さいカニでも探させようと思って』との事。 のんびりまったり海辺で遊ぶ連休の一日。 子供もよろこぶ事だろう。

波止から出て、その少し先まで漕いでみたが、ここから先は護岸が続いている。 やはり、現代のシーカヤッカーにとっては、人の手の入っていない海岸の方が好もしいようだ。 さて、引き返すとしようか。
***
帰りは、湾をグルリと回って帰る事に。 途中の雰囲気の良い浜にカヤックを引き上げ、しばし休憩。
 
こんなきれいな浜を独り占め。 気分は爽快である。
***
再び漕ぎ出し、漕ぎ進むと海蝕洞が。

すぐ横には浜があり、時間も11時半過ぎ。 ここでお昼ご飯にしよう。
 
快適な浜に座り込み、持参したパンを食べ、お茶を飲む。 のんびり、まったり。 
***
出発した浜に戻ると、ちょうど12時。 今日は、3時間のツーリングであった。

太陽はギラギラと照りつけ、長袖シャツを着ていると汗が噴き出してくる。 これは完全に誤算。 ここ数週間の気候で、寒さ対策はしてきたが、半袖Tシャツは1枚しか持ってきていない。

汗をかきかき、テントを張り、荷物を運ぶ。

夜までまだたっぷり時間がある。 テントの前にシートを敷いて、ゴロリと横になり、ラジオを聞いたり、本を読んだり、iPod-nanoで音楽や落語を聞いたりして過ごす。

しかし暑い。 あまりの暑さにたまらず散歩に出かける事にした。
1時間ほど、近くを散策した後は、近くの温泉へ。 汗を流し、筋肉をほぐす。 『あー、気持ちいい』
***
夕方、その浜に、昔なんどか海でお会いした事のある山口のカヤッカーの方が二人来られた。 今日はここでキャンプされるとの事。
挨拶を交わし、しばし四方山話。 一人の方は、私のブログを見ていただいているとの事。 様々な場所で出会うシーカヤッカーの方に、『ブログ読んでますよ』と声を掛けていただく事が増えており、これは本当にうれしい事である。

また、その方達によると、近くで商業ツーリングをしているH君も、今晩この浜に来るらしい。

三浦半島や伊豆などとは違い、エリアが広くてカヤッカー人口が少ない瀬戸内では、他のカヤッカーと出会う事は余りないのだが、珍しく今回は知り合いが集まりそうだ。

夜、H君や懐かしいK竹さん達と、しばし焚き火を囲ませていただき、東西のシーカヤック文化の違いやガイド業のあり方などについて語り合ったあとは、いつものようにバカ話をしながらおいしいお酒をいただいた。 皆さん、ありがとうございました。
***
少し暑かったが、絶好のコンディションの中、漕いで遊んで、話して飲んで。 のんびりまったりとした休日の一日を堪能した。
さあて、明日はどうしようか?

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瀬戸内シーカヤック日記: ロードスター_10万キロ記念

2010年05月01日 | 旅するロードスター/アテンザ
2010年5月1日(土) 快晴だが強風の今日は、妻とドライブ。 ロードスターの幌を開け、海沿いの道を走る。
あと10km。 あと5km。 あと3km。 あと2km。 あと1km。 あ、とうとうきた!
 
10万km達成の瞬間。 安全な場所にクルマを停め、カメラを取り出して記念撮影。 新車で購入してから約8年で、10万キロを超えたのだ。
***
つい数ヶ月前、幌が劣化したのを交換するかどうか迷っていた。 10万キロも目の前なので、タイミングベルトも交換する時期である。 幌とタイミングベルトの見積もりを取ると、結構な金額であった。 『うー、頭が痛い』

シーカヤックスペシャルと化しているアテンザワゴンもあり、実際のところ、ロードスターはなくても全く問題ない。
通勤と妻とのドライブ、たまの一人旅に使う、遊びのクルマなのだ。

だが、ロードスターがあることで、生活がどれだけ楽しいものになっているか! 雨の日以外は基本的にオープンドライブと決めている私。

通勤も、海沿いの道を幌を下ろして走っているとまさにドライブ気分。 サラリーマンだから、会社に行きたくない日や、会社で嫌なことが有る日もあるが、オープンドライブを楽しんでいると、嫌なことも忘れてしまう。 ある意味、おれのサラリーマン生活を精神的に支えてくれている柱の一つなのかもしれない。

数週間逡巡したが、結局手放すという答えを出すことはできなかった。 それだけ愛着が湧いていると言うことだろう。
幌とタイミングベルトを交換して持ち続けることに、妻も気持ち良く賛成してくれた。
***
子供の頃からクルマが好きで、幼稚園の頃には当時住んでいた社宅の近くの空き地に放って置かれていた廃車に乗り込んで、ハンドルを回したり、ギアを入れたりして遊んでいた。
小学生の頃にはクルマの絵をよく描いていたし、母の田舎に行くと、耕耘機のギアを切り替えて遊んでいたことも覚えている。

そして、小学校の中学年から高学年の頃はクルマのプラモデルを毎月のお小遣いで買って作っていたし、中学校に入った頃にはモーターファンという自動車雑誌を買って読んでいたものだ。 カローラレビン/スプリンタートレノ、カローラリフトバック、サニー、チェリーX1、スカイライン、初代シルビア、サバンナ、ランチアストラトス。。。 ああ!

そして大人になり、会社に入って最初に買ったクルマが『フェスティバキャンバストップ』 当時の国産車としては珍しかったキャンバストップを開けてドライブするのが大好きだった。

その後結婚して、子供が産まれたあとは、『ボンゴワゴン』 二児の父親になったちょうどその頃、初代ロードスターが世に出たときは、『ああ、いつかはこんなクルマが欲しいなあ』と思っていた。 ロードスターは、ボンゴワゴンとは対極にあるクルマである。

それから十数年後、長男も中学校に入り、クラブ活動が忙しくなって家族で出かけることがほとんど無くなった頃、『子離れ夫婦』になる日も遠くないことを実感した。 そして長年の念願がかなって、ようやくロードスターを購入。

***
 
頭の中身を褒められることはないが、『頭の形、良いですねえ』と何度か感心されたことはある。
 
ロードスターにキャンプ道具を積んで、長男とキャンプにも行った。 ダッチオーブンやコットも持った、リッチなキャンプ。 燃費も良いし、ミニマリストには、充分実用的なクルマである。
 
横浜単身赴任時代には、夜明けの首都高湾岸線や湘南のドライブも楽しんだ。 このクルマは、都会の風景にも、瀬戸内の田舎の景色にもすんなりと溶け込み、マッチする。 
 
瀬戸内をドライブしていると、つくづくロードスターは海沿いの景色が似合うと思う。 幌を下ろしたドライブの、なんと爽快なことか。

***
さて、
今日の目的地は、竹原にあるお気に入りのラーメン屋さん、『太華園』
 
大好物の中華そばを食べた後は、これまで入ったことのない道にわざと入ってプチ探検を堪能。
 
煉瓦工場を発見。 その近くには、これまで見たこともない高くて立派な煉瓦の煙突や、美しい煉瓦の壁があり、なかなか良い雰囲気を醸し出している。
 
海沿いのジャガイモ畑。 なんだか瀬戸内じゃあないような、不思議な雰囲気のある景色。

うーん、なかなか好いじゃないか! 地元にも、まだまだ知らないところが沢山あるのだなあ。
***
今日は、快晴のドライブで、ロードスターが10万キロを超えるという記念日となった。
10万キロとはいえ、調子はすこぶる良く、通勤での燃費は15km/Lを越え、先日の下関往復では、16km/L超えを記録している。 まだまだ元気なNB_1.6L_5MT。
これからも、このロードスターと一緒に、様々な旅の想い出が増えていくのだろう。 楽しみだ。

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