あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

『芸予ブルー』_テーマカラー of 印象派_”瀬戸内シーカヤック日記”

瀬戸内シーカヤック日記: シーカヤックが結ぶ縁_心に残る海の日

2008年07月21日 | 旅するシーカヤック
何度も訪れるうちに知り合いができ、その方を通じて、瀬戸内のある施設で、休日の子供たちのクラブ活動としてカヤックに取り組もうとされている事を知った。

私にできる事があれば、お手伝いさせていただけるとうれしいのだが。
その方を通じて施設の方に話をしていただき、その後直接電話をしてみると、手伝いをさせていただく事を快く承諾していただけた。 ありがたいことである。
***
電話で伺ってみると、クローズされた安全なエリアでこじんまりとやっておられるとの事。 『では、7月21日、海の日はいかがですか?』 『ええ、ではその日に伺います。 子供たちも乗れるカヤックも持って行きます。 こちらこそ、よろしくお願いします』
***

朝、予定の時刻に施設に伺い、まずは挨拶。 その後、クラブ活動の状況を伺い、今日の準備を開始。
今日は、子供たちと施設の先生方を合わせて十数名での体験試乗会。
***
カヤックを浜に下ろし、パドルも準備。
まずは自己紹介をして、道具の説明から。 今日は、ワイドブレードのパドルから、アークティックウインド、そしてエルコヨーテのワークショップで制作したグリーンランドパドルも持参。
それぞれのパドルの特長を簡単に説明すると、見た事もないアークティックウインドやグリーンランドパドルに子供たちは興味津々の表情。
***
漕いだ事がある子供も居るが、初めての子供や先生も居られるので漕ぎ方を説明し、ひっくり返っても慌てないよう沈脱のデモも行った。
さあ、じゃあみんな交代で乗ってみようか!

『先生。 私は沖に出て安全を確保しますので、順番に乗せてあげて下さい。 小さいお子さんは、タンデム艇の前に乗せて、後ろを高学年の子か、先生が漕ぐようにしていただいた方がいいと思います』
***
子供たちはPFDを着け、お気に入りのパドルを手に、海に漕ぎ出す。 夏の青空の下、シーカヤック体験会のスタートだ。
不安そうな子供のところに寄って行き、声を掛ける。 『どう、大丈夫?』 『パドル、裏返しにしてごらん』
『そうそう、良いねえ。 上手いじゃん』 『もう少し広くパドルを持ってみて』
***
私は一番沖に出て全体に目を配り、安全に注意しながらのシーカヤック体験会。 最初は怖いと言っていた子供たちも、あっという間にどんどん慣れ、スイスイと楽しそうに漕ぎ進んでいる。
島で知り合い、今回の件でもお世話になった方にも来ていただき、子供たちと一緒にカヌーを楽しんでいただいた。

夏らしい青空。 きれいな海。 あちらこちらから聞こえてくる楽しそうな歓声。 そして、子供たちの、そして先生たちの笑顔。
***
昼前。 そろそろ時間である。 事故もなく無事終了。

道具を片付け、子供たちと一緒にお風呂で潮抜きをさせていただき、お昼ご飯をご一緒させていただいた。
お風呂では、一緒に漕いだ子供たちに話しかけられ、一緒に浴槽で遊び、お昼ご飯の席でも楽しい雰囲気。

みんなに喜んでもらえ、本当に来て良かった。
先生方には、片付けをしながら海の楽しさと、安全確保の大切さ。 そして装備や安全確保上の注意点などを、私のこれまでの経験からお話させていただいた。
うれしいことに、これからも時々、カヤックのクラブ活動をお手伝いさせていただけるようだ。
***
瀬戸内カヤック横断隊のテーマの一つである、『瀬戸内海洋文化の復興、創造、そして継承』
そこにおいて、サラリーマンカヤッカーである私なりの役割が少し見えて来たような気がする。 今までで最高の、どんな旅よりも心に残る『海の日』となった。

お世話になった方々、施設の先生たち、そして一緒に楽しい時間を過ごした子供たちへ。 本当にありがとう、そして、ありがとうございました。 また一緒に漕ぎましょう!

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瀬戸内シーカヤック日記: 一畑電鉄自転車の旅&島根半島ツーリング(2)

2008年07月13日 | 旅するシーカヤック
風が強くてシーカヤックツーリングを諦め、折り畳み自転車を使った、一畑電鉄で行く『松江と出雲のソバ三昧の旅』を終え、夕方宿に戻ってきた。
***
明日の、カヤック潮抜きと私の体を洗うための水を分けていただくことをお願いし、宿の外にある井戸水用のホースからタンクに水を詰めていると、女将さんが出て来られた。
カートップしてあるシーカヤックを眺め、『これはカヌー?』 『はい、そうです。 海用のカヌー、シーカヤックです』
『川用と海用じゃあ、違うんですか?』と聞かれたので、その特性や構造の違いについて説明する。

『今日は、これを漕いで浜でキャンプしようと思っていたんですが、風が強くて諦めました。 それで、去年、家族で泊まりにきたここに、電話したんですよ』 『そうですか。 なんだか見た事があると思いました』

『あそこの浜は、キャンプする人が多いんですよねえ』 『はい。 でも地元の方に聞くと、だんだん減っているらしいですよ。 高齢化も進んで、夏場の駐車場管理も難しくなったそうです。 今日も、シャワーはまだ使えませんでした』
『昔は時々、ビーチグラスを拾いに行っていました。 温泉もあったんじゃないですか?』 『ええ、それがもう何年も前にやめちゃったらしいです。 残念ですね』

『明日は漕ぐんですか?』 『ええ、そのつもりです。 風が止むと好いんですけど』
***
翌朝。 布団の中で目を覚まし、耳を澄ませたが、風の音は聞こえない。
ケータイを取り出し、天気予報を確認。 次に、ネットで風力と風向を確認。 うん、今日のコンディションは良さそうだ。 

朝食を終え、荷物を片付け、7時前に宿を出る。
『お世話になりました。 今日は漕げそうです。 じゃあ、行ってきます』 『良かったですね。 いってらっしゃい』
***
クルマを走らせ浜へ。 うん、今日はいいじゃないか! まさに、『待てば海路の日和あり』

シーカヤックを浜に下し、飲み物と安全装備を積んで出発。

いつ来ても良い雰囲気。 日本海、さすがに海がきれいだ。

途中、箱眼鏡で漁をしている小さな漁船の傍を通る。 『おはようございます』
すると驚いたようにこっちを見て、『あー、びっくりした。 誰も居らんおもうとるけえ』 『スミマセンでした』
『どこまで行くん?』 『日御碕方向へ。 天気と気分次第です。 今日は波はどうですかねえ』 『昨日は風が強かったが、今日はええんじゃないか。 昼からは少し西風が吹くじゃろう』 『そうですか。 ありがとうございました』
***
この辺りは、テトラや護岸、建物など一切の人工物がなく、とても良い雰囲気の残る貴重な自然海岸である。

5月連休以来となる日本海を快調に漕ぎ進む。 出発して1時間半ほど漕ぎ進んだ頃から、太陽に嫌な雲が掛かりはじめ、西風が強まってきた。
今日はここまでにして、帰りは洞窟巡りと、海上散歩を楽しむとするか。

奥が明るい洞窟。 天井が抜けているのだ。 中に入ると、沢山のコウモリが迎えてくれた。

奥に入って上を覗き込むと、こんな感じ。

入り組んだ半島を丹念に巡っていると、奥まった入り江に、とても良い雰囲気の浜を発見! ここはキャンプ場?
***

再び漕ぎ進むと、山から甲高い鳴き声が聞こえてきた。 最初は鳥が威嚇しているのかと思ったが、目を凝らしてみると、2頭の鹿(シカ)が、細い山道を駆け上って行った。

小さな入り江に入り、カヤックを揚げる。 PFDを着け、水中眼鏡を着けて、しばし海中観察。
透き通った日本海の海。 小さな魚の群れ。 大きな鯛のような魚。 海草類。 水中を覗くだけで、別世界が楽しめる。

見た事がない、こんな不思議な(?)生物を発見。 ウミシダのようにも見えるが、手足のような部分をヒラヒラと自律的に動かしながら、海中を泳いで行く。 いったい、これは何?

山陰らしい、静かで美しい、ちいさな漁村の風景。
***
朝7時半に出発し、約4時間のお散歩ツーリングを終えて浜に戻ってきた。
さすがに今日は土曜日。 海水浴に来ている人たちが何組か浜に居たので、邪魔にならないよう上陸。

道具を運んでいると、浜で話し込んでいた地元のおじさん二人組に話しかけられた。
『あのカヌーで来たんの』 『はい、そうです。 昨日も出そうと思うたんですが、風が強くて止めたんですよ』
『あんた、去年も来とったか?』 『ええ、ここは好きなんで、3年前から毎年夏に漕ぎにきよるんです』
『あんたあ、広島か?』 『ええ、そうですが』 『わしゃあ、昔船に乗って仕事しよって全国まわっとるけ、言葉を聞いたらどこの人かわかるんよ』
***
地元のおじさんの内の一人は、最初は内航船で仕事をし、その後上級の免許を取って外航船で仕事をしていたそうだ。
私もおじさんたちの横に座り込み、海を眺めながら話し込む。
『そりゃあ、すごいですね。 県民性とかも違いますか』 『そりゃあ違う。 同じ九州でも、○○県は△△。 □□県は人情が厚くて、すごくええ』
『外国は、どこらへ行かれよったんですか』 『グアムやハワイ、フィリピンが多かった』 『いろいろ行けて、ええですねえ』 『そんなにええこたああるもんか。 コンテナ船の荷物の積み降ろしいうたら、アッと言う間で。 着いた思うたらもう帰りの便じゃ』 『そうなんですか』
『でも、いろいろな国の食べもんは食べたよ。 でも○○○は食べんかったが!』 それを聞いて、もう一人のおじさんと私は笑いながら『えー、そうなんですか!』 『あんなもん食いよったら、○○○がとろけるけえのお。 危のうて』 『いやー、やっぱりそういうもんですか』

『わしゃあ、40年ほど船で仕事しよったけえ、今は遊んで暮らせるんじゃ。 時々、漁船で漁に出るし』 『今年はイカはどうですか』 『それが、あんまり居らん。 市場へ買いに行ってみい。 こんなんが千何百円するわい』
***
『それにしても、ここの浜はええですねえ』 『ええじゃろ、ここは自然の港じゃけ』 『そうですね。 でも冬はすごいらしいじゃないですか』 『そうよ。 あそこまで波が来るんじゃけえ。 昔は、波で運ばれたここの浜の砂が、あそこの川を塞き止めて、大水が出たとき大変じゃった』
『そんなに凄かったんですか』 『そうよ。 でも今は、山に木がいっぱいあるけえ、大水は出んようになったけどの』
『昔はなんで禿げ山だったんですか?』 『それは、木を、木材を切り出しよったからよ』

『いやあ、いろいろなお話が聞けて楽しかったです。 ありがとうございました』 『にいちゃん、また遊びに来いよ』 『はい!』
***
カヤックをカートップし、体を洗って着替えていると、シーカヤックを積んだクルマが一台やって来た。
帰りの準備が終わったので、その方のところへ。 『こんにちは』 すると、『こんにちは。 どちらからですか』
『広島からです』 『瀬戸内も、島がいっぱいあって良いところでしょう』 『ええ、でもこの時期は海水浴シーズンで、出せない浜が多いんですよ。 それで夏には毎年ここに来るんです』

お話を伺うと、その方は地元の方で、半年前に自艇を購入され、主に島根半島でのツーリングを楽しんでおられるとの事。
『ところで、ホームページとかやっておられますか?』と聞かれた。 『ええ、ブログですが。 瀬戸内シーカヤック日記です』 『それ、見ましたよ。 日御碕まで行ったりされていますよね』 『おはずかしい。 でも、ありがとうございます』
***
『じゃあ、帰ります』 『お気をつけて』
一畑電鉄、自転車、そしてシーカヤックで堪能した島根半島ツーリング。 今回も、宿の女将さん、浜のおじさんたち、そして地元のシーカヤッカーさんなど様々な出会いがあり、楽しい旅であった。
やっぱ、島根半島は好いなあ。

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瀬戸内シーカヤック日記: 一畑電鉄自転車の旅&島根半島ツーリング(1)

2008年07月12日 | 旅するシーカヤック
2008年7月11日(金) 今日は有給休暇。 いつもより早く、朝4時起床。
この週末は、久し振りの日本海。 3年前から毎年夏に訪れている浜をベースに、島根半島ツーリングを楽しむ予定。
***
中国山地を超え、ほぼ1年振りとなる浜へ到着。

でも今日は風が強い。 谷から吹き下ろしてくる南西の風が、湾内を渡り、沖へと吹き出している。

天気は良く、風もオフショアなので波は高くない。 これくらいなら漕げるかな? と思ってシーカヤックを浜へ下ろしてみたのだが、ちょっと風の感じが変わってきた。
どう変わったか具体的に説明するのは難しいのだが、なんだか嫌な感じ。 まあ、明日まで待ってみようと思い、カヤックを再び担いでクルマへと運ぶ。 が、カートップすると後ろからの風でカヤックが煽られ、タイダウンするのに一苦労。
やっぱり今日はやめておいて正解かな。
***

とはいえあまりの暑さに、風裏になる浜の端っこに行き、PFDを着け、水中眼鏡を装着してしばし海中散歩。
だれも居ない静かな浜。 きれいな日本海の海。 これは気持ち良い!
***
今日はシーカヤックをあきらめ、また風が強いのでこの浜でのキャンプも難しそうだ。
海から上がり、着替えると、そうそうに浜を引き揚げ、イザと言う時のためにメモしてきた、去年家族で泊まった近くの宿に電話を入れた。
運が良い事に、今日は空きがあるとの事。 早速予約し、クルマを停めさせていただけるようお願いすると、快く了解いただいた。 残念ながら今日は海に出られない状況になったので、せっかくなら気になっていた『一畑電鉄』で観光しようと言う魂胆である。
宿の女将さんに聞いてみると、一畑電鉄には自転車が乗せられるとの事。 『自転車、ありますか?』
『はい、持ってきています』 そう、最近ステーションワゴンには、長男が自動車を買った時にディーラーから成約プレゼントとしてもらった折り畳み自転車が積んであるのだ! やっと出番が来た!
***

最寄りの駅に行き、駅員さんに聞いてみると、一日フリーパスがあるとの事。 また、これを買えば、普通なら一回300円の自転車持ち込み料も不要になるのだとか。 いたれりつくせりである。

これまでも、輪行ではMTBを電車に積んだ事はあるが、その時は畳んで輪行袋に入れた状態であった。
でも、一畑電鉄では、そのまま乗せられるのだ。 なんだか不思議な感じ。
***

松江に着くと、自転車を下し、宿の女将さんから教えていただいた、そばのおいしいという『八雲庵』さんへと向かう。

雰囲気の良いお店。 人気のお店のようで、地元のお客さんも多い。

出雲そばといえば、やっぱり『割子そば』 せっかくなので5色割子を注文したが、そばそのものの味を楽しむなら、普通の割子の方が良かったかなあ。

食後は、松江の街を自転車で散歩し、再び松江温泉駅へと戻る。 次の列車までしばらく時間があったので、駅前の足湯へ。
平日なのに人が多い。 少し熱いが、足湯は気持ち良い。 自転車を漕いだ疲れが抜けて行くようだ。
***
自転車を積んだ列車は、途中での一度の乗り換えを経て、約1時間で出雲大社の最寄りの駅へ。 宍道湖は、南西の風で大荒れ。 白波がザブリザブリとすごい状態! 今日はやめておいてよかったなあ!

普段は通らない裏道を通り、海沿いの道のサイクリングを楽しむ。

その後は、これまたやどの女将さんが勧めてくれた『かねやさん』へ。 ここでは、先ほどの反省を活かし、シンプルな割子そばを注文。 ツルリ、ツルツル。 ソバの風味がしっかりと感じられ、とてもおいしい。
***

次は出雲大社へ。

今年は、『平成の大遷宮』などもあり、御仮殿がしつらえてあるなど、いつもとは違う雰囲気が味わえる。
旅の安全を祈願。

再び駅に戻り、自転車を積んで平田市へと戻った。
***
今日は、風が強くて海にはでられなかったが、そのおかげで一畑電鉄に乗り、松江と出雲でそばを堪能した。
自転車を電車に積んでの旅も楽しめたし、これまで知らなかった裏道の散歩も楽しんだ。
状況に応じて楽しむのも旅の醍醐味。 とはいえ、せっかくここまで来たのだ。 明日は風が止んでくれるといいなあ。

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瀬戸内シーカヤック日記: ビーパル、カヌー特集

2008年07月10日 | 旅するシーカヤック
2008年7月10日(木) 今日は、待っていた『ビーパル、カヌー特集号』の発売日。
***
以前、瀬戸内カヤック横断隊の内田隊長から、横断隊の時に私が撮影した隊長の写真をビーパルで使うかもしれないとのメールをいただいていたのだが、没になったときのことを考えて、家族にも黙って今日のこの日を待っていた。

会社の帰り、書店に立ち寄り、本日発売の札が掛かったビーパルを5冊ほど購入。
早速ページを開いてみると、私の撮影した写真が載っていた!

いやあ、うれしいなあ。
今年は、モンベルのカヌーカタログに続き、2度目となる写真の採用。 ただただ、内田隊長に感謝である。
***
この特集号には、内田隊長はもちろん、昔からのカヌー仲間であり瀬戸内カヤック横断隊仲間でもある『村上水軍商会』の村上さんや、『HORIZON』の尾崎さんも載っていて、とても親しみを感じる。
家族4人がそろった今日の夕食の食卓でも、ビーパルの話題で盛り上がった。

それにしても、16年もカヤック一筋で真面目に遊んでいると、いろいろ楽しい出来事があるものだ!

***

お気に入りのページ:
P21の野田さんの文章が、私のお気に入りである。 昨日、奇しくも16年前に読んだ野田さんの言葉をブログに書いたが、このページで訴求されている事は、以前と変わっていない。

男はひとりで遊べなければいけない ひとりで酒を飲めなければならない ひとりで考える時間を持てなければいけない

更にそのページの下の方には、『男のあそびとは・・・』という一文がある。 ぜひ読んでみていただきたい。

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瀬戸内シーカヤック日記: しまなみキャンプツーリング_今年31日目のパドリング

2008年07月09日 | 旅するシーカヤック
生名島のいつもの浜からシーカヤックを出し、大潮の瀬戸内を漕いでいつもの岩城島へ行き、いつもの浜に上陸。
いつもの『よし正』さんで、いつもの『よし正定食』を堪能し、いつもの『レモンアイス』を食べて、生名島に戻ってきた。

『いつもの○○○』

シーカヤックを漕いで静かな無人の浜に行って独り静かに過ごすのも楽しいし、『いつもの島』へ行き、『なじみの人々』に会いながら、のんびりまったりと過ごす時間も、これまた別の楽しみがある。

『シーカヤックによる海旅』の楽しみは、幅が広く、そして奥が深い。
***
これまたいつものようにお借りした自転車、『いきなスポレク15号』で因島に渡り、必要な買い物を済ませ、これまたいつもの銭湯で汗を流して、生名島に戻る。

夕方に一時雨が降ったが、その雨も上がり、初夏の夕焼けとなった瀬戸内海。
***

夕食は、カップ焼きそばと、『里山コンロ』で炙った『ししゃも&ししとう』
シンプルだが、炭火で炙った香ばしい”シシャモ”と、これまた熱々でほんのり辛い”ししとう”が、ビールに絶妙のコンビネーション!
『パクリ、グビリ!』 うーん、美味い! ビールを楽しんだ後は、ワインをグビリ。
静かに夜は更けて行く。
***
翌朝。 昨日とは打って変わって『朝靄の瀬戸内海』

簡単な食事を済ませ、着替えて出艇の準備。

今朝も、おだやかな凪の海。

鶴島を回り、因島の家船と言えばここ、『箱崎漁港』へ。

その後も、因島の造船所や、しまなみの橋などに寄り道し、1時間半ほどのツーリングを楽しんで生名島へと戻った。
***
数えてみると、今日が2008年に入ってから31日目のパドリング。
とはいえ、決して回数にこだわっている訳ではない。 もしも回数にこだわるのなら、そのためだけに日帰りツーリングに行く機会は何度もあったのだが、そうはしなかった。 『ただ単に漕ぐことに意味はない。 海を旅することにこそ意味があるのだ!』

私にとって、シーカヤックとは旅そのもの、そして極端に言えば人生そのもの。 そんな私のこだわりは、31日の内の約8割を超える25日を、キャンプや民宿泊などの”泊付きツーリング”で漕いでいる事。

いずれにせよトータル31日ということは、この半年は例年に比べて天候に恵まれ、しかも、実質約一ヶ月近くを水の上で過ごした事になる。
***
最後に、私が昔読んで、私のカヤックスタイルに影響を与えた、野田知佑さんの言葉で締めくくろう。

『汚い川でちょっと漕いでごまかすより、一年に一度でいいから、理想的な川でフルに楽しんだ方がいいと思う』

『最後に、カヌーツーリングの良いところを百パーセント味わうには『単独行(ソロ)』がいい。 集団で仲間たちと下るのも楽しいけど、単独行の深い味わいには比較できない』

『さて、諸君、ここまで教えたからにはすぐ今からパドルを握って野に出たまえ。 暖衣飽食は老人にまかせて、少し辛いがスリルに満ちた荒野を一人で漕いでいきたまえ。 あらゆる面白い事、そして沢山の苦難が諸君の上に振りかかることを祈る』

川と海という違いこそあれ、まさに約16年前に読んだ野田さんのこれらの言葉が私のカヌーライフのスタートであり、今なお実践していきたいと思っている理想のツーリングそのものなのだ。
年に一度で良い。 こんな旅ができて、こんな出会いや発見があって、この運命のツーリングに来て良かった。 そう思える旅を、少しづつでも増やして行きたいと思っている。

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瀬戸内シーカヤック日記: 初夏のしまなみキャンプツーリング、生名島&岩城島

2008年07月06日 | 旅するシーカヤック
2008年7月5日(土) 朝起きると、外は大雨。 『ありゃ、これはやられた』と、昨夜のうちにクルマに積んでおいたシーカヤックにデッキカバーをかけるため、外に出た。
スコールのような激しい雨の中、ずぶ濡れになりながらデッキカバーを装着し、家に入って着替える。

***

コーヒーを飲みながらパソコンで天気予報を確認し、『じゃあ、行ってくるわ』と、降り続く雨の中を出発した。
尾道三原福山方面は、大雨洪水注意報だとか。 まさにこれから行くところじゃないか。 ワイパーを最強にするような強い雨の中、海沿いの道を走ってしまなみへと向かう。

途中、ケータイが鳴る。 キャンプ場からだ。 しばらく走り、広い路肩に駐車して、電話を掛け直した。
『すみません、さっきは運転中だったんで出られませんでした』 『今、すごい雨なんで、どうされるかと思って』
『ええ、昼頃にはやむと思うんで、行きますよ。 もうすぐ尾道ですから』 『そうですか。 じゃあ、待ってます』
***
因島のスーパーで買い出しをし、店を出るともう雨は上がっていた。 『うん、ばっちり。 予定通りや!』

フェリーで生名島に渡り、11時過ぎ、いつもの浜へ。 シーカヤックを下ろし、準備をしていると、おじさんとおばさんが歩いてくる。 因島からみかん畑の耕作に来られている方だ。
『こんにちは』 『おお、げんきじゃったか?』 『はい。 今日は久し振りに来てみました』
『ありゃ、今日は赤いカヌーじゃないんね?』 『ええ、このフネに買い替えたんですよ』

『今日も、みかん畑の仕事ですか?』 『おお、そう』 『今は、何をされるんですか?』
『摘花が終わって、防虫よお。 今が一番大事なんよ』 『へえ、みかんは冬だけ忙しいんじゃと思っとりました』 『なあにが、冬はもぐだけじゃけど、夏が忙しいんよ』 『ご苦労様です。 私ら食べるだけのもんは、知らんかったですよ』

『じゃあの』 『はい、じゃあまた』 いつものように、舟で因島に戻って行かれた。

***
私の方も準備完了!

今日は少し、”デッキリギング”を変えてみた。 これは結構いい感じ。 しばらくこれで試してみるとしよう。

激しい雨で空気中の汚れが流され、すっきりくっきりと澄んだ空気の中を、『レモンの島、岩城島』に向かって漕ぎ出した。
岩城島は造船の島でもある。 土曜日も稼働している、忙しそうな造船所がいくつもあり、その横を小さなカヤックで漕ぎ抜けて行く。

1時間ほどで、いつもの浜に到着。

歩いて『よし正』さんへ行き、いつものよし正定食を注文。 『よし正定食一つ。 ご飯少なめでお願いします』
日替わりメニューで味も良く、ボリュームもたっぷり。 お気に入りの食堂である。
人気のお店なので、今日も人が一杯だ。
***
食後は、島の裏通りを散策し、小さな雑貨屋さんでデッドストックの『マブチ水中モーター』と『計算尺』を発見!
即購入。 様々な島の雑貨屋さんで聞く話であるが、島の店にはプロの業者さんが訪ねてきて古い珍品を仕入れて行くので、なかなか貴重な品が残っていることは少ないのである。

その後は、フェリー乗り場に行き、岩城島と言えばこれ、『レモンアイス』を買う。

冷たいレモンアイスを食べながら、島の道を歩いて浜へと戻る。
***
さあ、生名島へ帰るとするか。

今日は大潮。 このあたりでは、どこが潮がきついかだいたい分かってきたので、時間を見ながらコースを選定。
ちょうど時間も良く、あまり潮の影響を受けずに漕ぎ進む事ができた。
結局今日は、実漕ぎ2時間ちょっとのツーリング。 夏にしてはそれほど暑くもなく、好い感じのパドリングが楽しめた。

***
浜にシーカヤックを揚げ、PFDやパドルをキャンプ場に運ぶと、管理人さんが来られていた。
『こんにちは。 また、お世話になります』

シーカヤックを運び、濡れたウエアを干し、シャワーを浴びると、管理人さんがいつもの貸し自転車を準備して待って下さっていた。 もう、すべてお見通しである。 いつものキャンプ場というのは、やはり様々な意味で快適である。

『じゃあこれ、いつものようにお借りします。 今日も、因島の銭湯へ行ってきたいんですよ』 『はい、じゃあゆっくりして来て下さい。 気をつけて!』

『いきなスポレク15号』を走らせてフェリー乗り場に行き、自転車と人とで110円なりの料金を支払い、目の前にある因島へと渡った。

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