あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

『芸予ブルー』_テーマカラー of 印象派_”瀬戸内シーカヤック日記”

瀬戸内シーカヤック日記: 芸予ブルーに恵まれた『しまなみキャンプツーリング』_大三島&生名島

2013年11月24日 | 旅するシーカヤック
2013年11月23日(土) 金曜日は関東まで日帰り出張で、早朝に家を出て夜中に帰還するという強行軍であったが、プレゼンも好評で、その後のディスカッションも盛り上がり、気持ち良く週末入り。

今日は久し振りに大三島周辺でツーリングを楽しむ予定。 妻は、京都にいる次男のところに遊びに行き、京都の紅葉を楽しむのだそうだ。
お互い、良い秋が楽しめると好いね。

海沿いの道を走りながら、今日の音楽は『チャイコフスキー 交響曲 第6番 ロ短調 作品74 <悲壮>』
指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン 、 演奏:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

『いやあ、素晴らしいなあ。 この週末は朝から最高の気分じゃないか』

忠海からフェリーで大三島へ。

今日は素晴らしいツーリング日和である。

通い慣れた、いつもの出艇場所。

今日は、大横島までのお気軽ツーリング。 安全装備とドライスーツ、そしてお茶。
天気も良いし、気軽なものだ。


『芸予ブルー』 いやあ、今日は本当に最高のコンディション!

パドルを漕ぐ手を止める。 しばらくは、パドルから水滴が落ちる音が聞こえるが、やがてそれも静かにフェードオフ。
この辺りは定期船も少なく、今日は船のエンジン音も聞こえてこない。

。 。 。 。

ただただ静寂。

風もなく、静かな芸予諸島の海。

海のブルーに浮かび、空のブルーに優しく包まれ、手漕ぎの小舟で漂う一時。 『いやあ、芸予諸島のシーカヤッカーで本当に良かった!』

***

大横島に到着し、お気に入りの浜へ。

今日は少し濁りが出ているようだが、それでも充分美しい。

流木に腰掛け、絶景の瀬戸内海を眺めながら、お茶をゴクリ。 『嗚呼!』


海のブルー、空のブルー、そして白い雲。 このコントラストが何とも言えない美しさ。

今日は、約2時間の海散歩。


***

お昼ご飯をスーパーで買い込むと、向かうは『鷲ヶ頭山』

俺にとって大三島といえば、鷲ヶ頭山は外せない。
鷲ヶ頭山を訪問しない大三島観光なんて、まるで『クリープのないコーヒーなんて』のようなもの。


今日は晴れて景色をたっぷりと楽しめる。

先ほど訪れた大横島もよく見える。

この絶景を眺めながら、ベンチに座ってお昼ご飯。 今日は、スーパーで買い込んで来た『焼豚玉子丼』

お弁当も、そして景色も、『ごちそうさまでした』

***

大三島から生口島へ。

ちょっと、パティスリー・オクモトさんに寄り道である。

ここは、イートインが楽しめる手軽な休憩場所。

おいしいスイーツで、疲れた体と心を癒す。 『いやあ、本当に美味しいなあ。 ここに来て正解だ』

***

生口島からは、因島経由で生名島へ。

今日は、出航5分前でフェリーが満車。 最後から2台目で滑り込みセーフ!

いつもお世話になる、お気に入りのキャンプ場。

このキャンプ場に初めて訪れたのは、2006年。
瀬戸内 シーカヤック 日記: しまなみキャンプツーリング(1)_生名島
最初の訪問から、このキャンプ場の景色の良さと管理人さんの人柄、そして岩城島や弓削島を含む様々な島が点在しておりシーカヤックツーリングに最適なエリアである事に惚れ込み、年に何度も通うようになったお気に入りの大切な場所である。

管理人さんに挨拶し、手続きしながら、いつもの四方山話。 この一時も、通い慣れたキャンプ場での楽しみの一つ。

『じゃあ、今回もお世話になります』 『はい、ゆっくり過ごして下さい』 『ありがとうございます』


準備を済ませると、フェスパへと向かう。

ちょうど夕暮れ。 良い感じの日没である。

お風呂で1時間ほどのんびり過ごし、キャンプ場に戻ると鍋とビール。
『いやあ、今日は本当に最高の芸予ブルーを楽しめた。 ビールも一際美味しいなあ』

〆は冷酒。 誰もいない晩秋のキャンプ場で、独り静かに飲むお酒。 あー、良い夜だった。 『オヤスミナサイ』

***

2013年11月24日(日) 朝食を食べ、コーヒーをゆっくり楽しむ。 今日も穏やかな朝である。

着替えると、クルマから自転車を下ろし、朝のお散歩ツーリングに出発だ。

まずは生名島内を走り、いつもと違う道に曲がると、ミニバイク用のサーキットを発見。 『へえ、こんなところにあったんだ』

サーキットから先は、朝の運動にちょうど良さそうな、そこそこの登り。
50歳のオヤジがエッチラオッチラ。 誰と競うのでもなく、ただひたすら自転車を降りる事のないよう、峠の頂上を目指してペダルを踏む。
基本的に俺の休日の軸はシーカヤックではあるが、同じ漕ぐと言っても使う筋肉の違いは当然ながら、瞬間的な筋肉に対する負担の掛かり方がシーカヤックと自転車では全く異なる。

こうして、カヤック&バイクで週末を楽しむというのは、バランスが取れてなかなか良い感じ。

峠を越えて、生名港で一休み。

弓削では松原へ。

弓削のターミナルで小休止し、生名島へと戻る。


コスモス。

メンヒル。

キャンプ場。

『どうもお世話になりました!』

家路の車内は、『チャイコフスキー 幻想序曲 <ロメオとジュリエット>』
指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン 、 演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

途中、レストラン黒浜で牡蠣フライ定食。

この大きなサクサク牡蠣フライを食べると、瀬戸内に冬が来たんだなあって実感する。

『ごちそうさまでした』

この週末も、大満足の休日であった。 『さて、来週はどこ行こう?』

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瀬戸内シーカヤック日記: YB125SP_雨の日曜日は『アンデルセン』でモーニング

2013年11月17日 | 旅するシーカヤック
2013年11月17日(日) 今日は、昼から雨の予報。
午前中はなんとか晴れ間も覗く様なので、久し振りにYB125SPを引っ張り出すとしようか。

***

ここのところ職場の都合で妻の勤務が変則なため、日曜日は出勤の日が多い。
という訳で、今日は久し振りにバイクで日帰りツーリング。

いつものように、朝5時前に目が覚める。
天気予報をチェックし、防寒対策を済ませ、6時過ぎに家を出る。 『じゃあ、アンデルセン。 行ってくるよ』 『はい、気をつけて』

休日の朝の国道。 少し寒いが、クルマも少なく海沿いの快適なツーリング。

7時半過ぎ。 今日の目的地である『アンデルセン』に到着。

ここのモーニングセットが最高なのである。

今日は、『半熟卵とポテトグラタンセット』

***

まだ開店して間もないというのに、レジにはお客さんが並んでいる。
通りに面したテーブルは、既にほぼ満席だ。

しばらく待っていると、注文したセットが運ばれてきた。

『おー、美味そうだなあ!』

また少しすると、カフェラテが到着。

『いただきます』 まずはサラダから。 『うん、これはフレッシュだ』

軽くトーストしてあるパンにバター。 『いやあ、さすがアンデルセン』

もちろん、熱々のポテトグラタンは最高だ。 半熟卵を崩して食べると、その濃厚な味わいが最高である。


***

『ごちそうさまでした!』

食後は、

カフェラテをゆっくり楽しみながら、iPod-Shuffleでクラシックを堪能。 『うん、良い朝だ!』

さて、そろそろ家に戻るとするか。

日曜の朝は、広島の誇る名店『アンデルセン』でモーニングをゆっくり楽しみ、ちょっぴり贅沢な時間を過ごすことができた。
いやあ、この週末も充実した休日であったなあ!

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瀬戸内シーカヤック日記: 晩秋の晴天を堪能_地元でまったり日帰りツーリング

2013年11月16日 | 旅するシーカヤック
2013年11月16日(土) 今日の夜は、親父とお袋を招待して外食する予定があるので、日帰りツーリング。

朝食を食べると、ドライスーツと貴重品、温泉セットを持ってクルマへ。
最近クルマには、ウイルダネスシステムズのケープホーンが常時載っているので、いつでも気軽にツーリングに出掛けることが出来るのである。

また、ドライスーツも気軽に海に出る事が出来る要因の一つ。
夏が終り、秋が来て涼しくなり、やがて冬が訪れて寒くなると、かつてはウエアリングが結構めんどうな上、漕ぎ終わると結構ビショビショに濡れていたものだが、ドライスーツにしてからは、普段着の上からポンと着るだけで真冬の海にも漕ぎ出すことができるのだ。

家から約1時間弱で、お気に入りのエリアの出艇地に到着。
今日は日帰りツーリングなので、ドライスーツを着用し、お昼ご飯セットと安全装置を積み込むと海へ。

空は晴れ、少し薄雲があるものの、晩秋の気持ち良いツーリングである。


***

漕ぎ進んでいると、海沿いの紅葉が眼に入ってきた。

ちょっと寄り道。

ここは、景色も良くて好い感じ。


***


小さな島をグルリと廻る。

懐かしい浜に、ちょっと上陸して一休み。

ここからは、南下。

少し離れた長島へと向かう。

太陽が出ていると、汗ばむほどの陽気。 でも、雲で日が陰ると涼しくてちょうど良い感じ。
今年の秋は、朝晩は涼しいが昼間はまるで夏の様で、変な気候である。

長島をグルリと廻ると、お気に入りの自然海岸へ。

この辺りは、20年以上前からずっと通い続けているのだが、まったく飽きることが無い。 素晴らしいツーリングエリアである。

最南端から少し北上し、いつもの浜へ。

出発してから約2時間。 11時過ぎに浜に上陸。

***


日帰りツーリングセットを取り出し、お湯を沸かす。

お湯が沸いたら、カップラーメン。
『いただきます』 きれいな景色を眺め、波が打ち寄せる音を聴きながら、楽しいお昼ご飯。

『ごちそうさまでした』 あー、旨かったあ!

食後は再びお湯を沸かし、コーヒータイム。

お気に入りの海で独り過ごす、こんな時間が貴重なのだなあ。

***

しばし休憩すると、再び長島へ。

少し潮が引いてきたので、お気に入りの景色が楽しめそうだ。

ここの浅瀬がお気に入り。

夏の強い日差しだと、まるで沖縄かと思う様な海の雰囲気になるのであるが、今日はさすがに晩秋の芸予諸島の雰囲気だ。
でも、やっぱり美しい景色であるなあ!


今日は結局3時間半ほど、通い慣れたお気に入りの自然海岸エリアでたっぷりと日帰りツーリングを楽しむことができた。
帰りは、温泉で潮抜きしてまったりサッパリ。 いやあ、今日も満足満足!

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瀬戸内シーカヤック日記: まるで夢の様な二日間_長門湯本温泉、別邸・音信(otozure)

2013年11月10日 | 旅するシーカヤック
『のお。 今度の11月8日じゃが、わしゃあ有休を取ろう思うとるんじゃ』 『そうなん』
『せっかくじゃけえ、どっか泊まりに行こうかのう』と、宿を探していると、『おお! こんな宿があるで』 『えー、どんなとこ?』

二人でMacBookProの画面を見ながら、『へえ、ええ値段じゃねえ』 『ほんまじゃのう。 どうや、せっかくやから行ってみるか?』
『えー、ほんまに』 『ええじゃあなあか。 お前も休みを取れよ。 どうのこうの言うても、50年に一度の事じゃけん』

2013年11月8日(金) 老夫婦二人を乗せたロードスターは、幌を下ろして北へと向かう。
戸河内ICで高速道路を降り、まずは恐羅漢へ。 『俺、前から一度恐羅漢へ行ってみたかったんじゃ』



狭くて曲がりくねった山道を走ると、残念ながら曇り空ではあるが、時折絶景が眼に飛び込んでくる。



そんな時はクルマを停めて降り、しばし秋の中国山地の景色を堪能。 『好い景色だねえ』



恐羅漢のスキー場まで行き、今度は日本海まで下る道すがら。

俺好みの紅葉スポットにロードスターを停め、雲の切れ間から太陽が覗くのを待つと、その瞬間が!

『いやあ、恐羅漢まで足を延ばして正解やったのう』

中国山地を降りてしばらく走ると、今度は日本海。

恐羅漢の紅葉と、日本海のブルーのコントラストが堪らない。

その後、須佐のホルンフェルスにも立ち寄り、海を堪能。

『お、あそこまで降りる事ができるみたいやな。 せっかくやから、行ってみようか』

今日はうねりが入る日本海。 時折凄い波が打ち寄せ、凄い迫力である。 『ザップーン、ドッパーン』


***

今日はロードスターに、ドライブ用のCDを新たに積んで来た。

家を出てから高速道路を降りるまではクラシック。
高速道路を降りてから、中国山地を越えて宿までは、松田聖子、佐野元春、森高千里、椎名林檎。

妻のお気に入りは、松田聖子。
俺の想い出は、森高千里。

まだ子供達が小さかった俺が30歳前後の頃、ワンボックスカーでキャンプやデイキャンプに行く道すがら、よく利いていたCDである。
一番お気に入りの曲が、『私がオバサンになっても』

オープンカーが欲しかった俺は、家族を乗せたワンボックスカーを運転しながらこの曲を聴いて、いつか俺もと思っていたのだ。

今日は、ロードスターの幌を下ろしてドライブしながら、懐かしい歌を聴く。
『私がオバさんになっても、ドライブに連れてって~。 オープンカーの屋根外して、格好良く走ってよ~』 『私がオバさんになったら、あなたはオジさんよ~。 カッコいい事ばかり言っても、お腹が出てくるのよ~』

いやあ、時が経って本当にオジさんとオバさんになってしまったが、そしてオープンカーを運転しても俺は格好良くはないが、それでも約20年前の夢がかなったんだなあ。 感涙!

***

午後2時前。 予約していた宿に到着。

今日の宿は、長門湯本温泉にある、大谷山荘の別邸、音信(otozure/おとずれ)

幌を下ろしたロードスターで門をくぐり、宿の玄関に付けると、宿の方が近寄って来られた。
名前を告げ、荷物を降ろすと、『では、よろしければ車の方はこちらで移動させておきますが』 『では、お願いします』

重厚な扉が自動で開き、玄関を入ると驚きの空間。 『おお、これは』
まずは、茶室へと案内される。

『では、お好きな所でおくつろぎください』 待っていると、お菓子が運ばれてきた。

久し振りに、『クロモジ』で頂く和菓子。 『お、これ美味しいね』と、妻と顔を見合わせる。

そして、薄茶。 きめ細かな泡が美しい。 いただきます。 『ズズスイーッ』 『ズッ ズッ ズルーッ』と、泡まで美味しくいただいた。

***

『では、部屋までご案内します』 茶室から移動し、まずはデスクへ。 ここで、チェックイン。

申し込み時に記載した情報を確認しながら、『間違いないようでしたら、名前を年齢をお願いします』
『はい』と言って名前を記入し、年齢の欄に【50】と書きながら『そうか、今日から50歳って書かないといけないんだね』と苦笑い。

再び、部屋へと案内していただく。

歩き進める度に、眼に飛び込んでくる光景が素晴らしい。 感動、そしてまた感動。

部屋に入ると、もうそこは別世界。

薄手のカーテンを開けると、

そこには、まるで絵画の様な景色が広がる。 『これは。。。 素晴らしい』 絶句である。

部屋には、専用の露天風呂も備え付け。
まずは、冷蔵庫からビールを取り出し、妻と二人で乾杯である。

『じゃあ、乾杯! おめでとう』と妻。 『どうもありがとう。 50年間生きてきて、これは最高の誕生日だね』

先週末は島根半島の浜でテントを張り、独りでキャンプツーリングを楽しんだのだが、この週末は全く異なる世界の音信/otozure。
人生、このコントラストがまた楽しいじゃないか。

***


部屋ではすぐに時計を外し、この音信/otozureの世界を時刻を気にする事無く楽しむ事に。

美しい景色を眺めながらビールを飲むと、『じゃあ、そろそろお風呂に入りに行こうか?』

この宿では、俺たち二人分のカードキーを渡してくれている。
それなので、いつもなら『じゃあ、何時にどこそこで待ち合わせしよう』という会話になるのだが、ここでは『どれくらい入る?』 『鍵が二つあるんだから、それぞれ入りたいだけ入って部屋に戻ろうや』 『なるほど、そうじゃね』
と、自由な時間が過ごせるのである。

さらには、玄関を入って靴を脱ぐと、そこからは靴下か部屋に置いてある足袋で施設内を歩くことができる。
多くの旅館は、部屋まで靴で行き、靴を抜いて部屋に上がる。 そして、部屋から出て館内を歩くときは、靴かスリッパなのであるが、ここ音信では足袋なのだ。

この、スリッパを履かずに館内を歩くことができることの自由さと快適さを、この宿で初めて知ることができた。 『これって素晴らしいよね』

そして館内には自動販売機は無く、部屋の冷蔵庫にはビール、水、ジュースなどなど、充分な量のフリードリンクが準備されている。
広い施設で部屋数も少なく、館内で他のお客さんとすれ違う事も少なく、とても静かな時間を楽しむことができるのである。

すべてが『非日常』 なんとも素晴らしい工夫/演出である。

***

宿の温泉にゆっくりと浸かり、岩盤浴で汗を流し、まったりさっぱり。
部屋に戻ると、まだ妻は帰ってきていない。

俺は、冷蔵庫からビールを取り出し、一人グビリ。 『あー、最高やなあ!』


***

夕方、6時半から食事。

大谷山荘別館ではあるが、本館とは別物と考えてもらって良いとのコンセプトを具体的に示すように、音信専用の食事スペースがある。

まずは、精進料理の一式。 いずれも美味しくいただいた。

妻とビールで乾杯した後は、山口名物の名酒、獺祭。
酒に弱く、日本酒が飲めない妻も、『あ、これなら飲める!』と美味しそうにチビリチビリ。

その後も、趣向を凝らした料理が、適切なタイミングで運ばれてくる。

そして、吸物。

俺はこれを一口啜り、お椀の中に沈んでいるレンコンとホタテで出来ているという練り物をいただいた瞬間、『あー、なんじゃこれは』と感激し、自然に独り呟いていた。
それを観た妻は、『ねえ、泣かないでよお』と笑い。

『俺、これまで50年生きてきたけど、こんな旨い吸物を食べたのは初めて。 魚の出汁が利いて、飲んだ後に体に滲みる吸い物は確かにあったけど、これは別次元。 本当に、俺は今感動しているよ』 確かに、眼は微かに潤んでいる。

これまで俺は、ちょっと魚のアラやなにかで出汁をとった汁が吸い物だとばかり信じていたのだが、それが大きな間違いである事を知る事になった。
『こんな吸い物があったなんて』 感涙!

***


刺身は、氷を刳り貫いて鎌倉のように仕立てた中に綺麗に盛りつけられている。 横の小鉢にはフクも。
『あー、なにこれ! この焼き目の香ばしさと、トロの旨味。 凄すぎる』

肉料理は、下に加熱された石が置かれており、暖かい状態がキープされる。
運んで下さった方が『この塩は、長門の”百姓の塩”です』 『え、そうなんですか! この塩を作っている人は知り合いなんです』

刺身は、冷たいものは冷たく、 そして肉は、暖かいものは暖かく。 料理を供する人の基本なのではあろうが、本当に美味しいものを美味しい状態で食べてもらいたい、眼でも舌でも楽しんでもらいたいという、総料理長さんの気持ちが伝わってくる素晴らしい最高の料理。

感涙!

***


フク唐揚げ。

鍋。

ご飯と漬け物、そして汁。 『あ、このお漬け物、とても美味しいよ』と妻。

〆は、デザート。 これまた、何も言うことは無い。
『ごちそうさまでした!』

***

食事を終えると、大満足した妻と私は部屋へ。
『ちょっと、CDと本でも借りに行こうか』

一階にある文庫へ行き、本を借りる。 今日は、ピカソの画と説明が記された本をセレクト。


部屋に戻り、本を開く。

へえ、ピカソって、身長が低くてガッチリ体型、眼が印象的で坊主頭だったんだって。

ゲルニカ。 やはりピカソは素晴らしい。


***

これまでの人生で最高の晩ご飯を頂いた後は、部屋でピカソの画集を楽しみ、ゆっくり休憩した。
その後お風呂に入り、夜のお楽しみであるBarへ。









しばし1Fを散策して席に着く。


俺は、マティーニを注文。

妻は、シャンパンとオレンジジュースのカクテル。

『乾杯!』

しばしBarでお酒を楽しみ、部屋へ戻る。



部屋では、低い音量でジャズやクラシックを流し、ビールを飲みながら本を開く。

気が付くともう12時近い。 『そろそろ寝ようか。 オヤスミナサイ』

***

2013年11月9日(土) 朝起きると、なんと6時半。 いつもなら、4時半頃には目が覚めているのだが。。。

さすがに昨日は、あまりに素晴らしい宿で過ごす時間を久し振りに夜遅くまで楽しんだので、グッスリ眠ることができたようである。

電動のカーテンを開けると、

そこには再び、昨日から慣れ親しんで、お気に入りになった景色が眼に飛び込んでくる。

朝食。

この会場は、本当に個室っぽくて雰囲気が良い。

そして、これが朝ご飯。 『いやあ、これは充実しているなあ』

後から運ばれてきた、ご飯、味噌汁、出汁巻き卵、西京焼。 『おー、これだけでも充分な朝ご飯や』

そして食べ始めると、『お、この西京漬旨いなあ』 『出汁巻き卵も美味しいよ』
『あー、なにこの梅干し』 『やっぱり、出汁が美味いと全ての料理がおいしいな』 『ごちそうさまでした』

食後には、なんと誕生日プレゼントという事で、スタッフの方から一輪挿しとそれにさした花を頂いた。

『ほんとうに、お誕生日おめでとうございます』 『いやあ、お恥ずかしい。 でも、こんなものいただいて、本当にありがとう。 嬉しいです』


部屋に戻り、しばし休憩。

今日も晴れの様で、窓の外は気持ちの良い景色。

CDを掛けながら、本を開く。 今日は、久し振りに眼を通す『カーバーズ・ダズン(村上春樹)』


11時前。 荷物を片付け、部屋を出る。

『本当に、夢の様な二日間だったね』と俺。 『これは石庭を越えたよね』と妻。

まさか、長門湯本にこんな素敵な宿があったとは!

ロードスターに、リモワのスーツケースを積み、幌を下ろしてジャケットを着け、『本当に、夢の様な二日間でした。 ありがとうございました』
『いいえ、こちらこそありがとうごさいました。 ぜひまたいらして下さい』

***


帰りは津和野経由。

印象派シーカヤッカーとしては、お気に入りの葛飾北斎美術館を見学。


今回お世話になった、長門湯本温泉 別邸 音信(おとずれ)。
美しい景色を眺めながら、静かな空間で本を開き/音楽を聴き、これまでで最高においしい料理をいただき、温泉と岩盤浴をゆっくりと楽しみ、大切な妻と二人で、まるで夢の様な二日間を過ごす事ができた。

『俺が50年間生きて来られたのは、お前のおかげだよ。 本当に、感謝している』 『また来年か再来年には、ぜったい泊まりに来ような』
楽しみだ! 

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瀬戸内シーカヤック日記: 絶景_島根半島ブルーに恵まれた印象派キャンプツーリング

2013年11月03日 | 旅するシーカヤック
2013年11月2日(土) この週末は3連休のようだが、俺の勤める会社は普段通りの土日休み。 それでも待ちに待った週末である。 しっかり楽しみたいものだ。
金曜日の夜の時点では、地元倉橋島でのキャンプツーリングを計画していたのだが、土曜日の朝起きて天気予報をチェックすると、日本海側が晴れで穏やかな予報。

妻に、『今日、予定を変更して島根半島に行く事にしたから』 『どこで泊まるん?』 『いつもの浜でキャンプするよ』
『じゃあ、行ってくる!』と朝6時に家を出発。

三次辺りでは、霧、霧、霧。

車の外気温計は、5℃を示している。

いやあ、もう晩秋の雰囲気だなあ。

***

中国山地を越えて、日本海へ。

天気予報通り、雲一つない秋晴れの島根半島。

お気に入りの浜で出発の準備。

シーカヤックを浜に降ろし、安全装備と軽食を積み、ドライスーツを着用すると、準備完了。

朝6時に家を出て、10時過ぎには漕ぎ出せるのである。 『島根半島、近いなあ!』

風もなく、穏やかな日本海。 絶好のツーリング日和である。

妻にメールすると、呉は曇りなのだとか。 倉橋島キャンプツーリングから急遽、島根半島キャンプツーリングに変更したのは良い判断だったなあ!

島根半島ブルー!

『いやあ、今日のツーリングは素晴らしい』





見つけた洞窟は、反対側につながっておりシーカヤックなら抜けられそうな大きさなのだが、今日は前年ながらうねりが入って荒れており、通過するのは次回の楽しみに。




漕いでいるとお腹が減ってきたので、休憩予定の浜へ。

ここの湾内は水深が浅くて砂地であることに加え、水の透明度が高いので、まるで沖縄の海の様である。

上陸!

『こんな綺麗な浜はなかなか無いよなあ。 素晴らしい』

シーカヤックを浜にあげ、お茶とおむすびで簡単お昼ご飯。

この美しい海の景色が、なによりのオカズである。

***

おむすびを食べ、しばし絶景の島根半島を眺めて休憩。

『ようし、そろそろ出発するか』

少し雲は出てきたものの、島根半島ブルーはまだまだ美しい。

結局、今日は3時間弱ほど久し振りの島根半島をたっぷりと楽しんだ。

『いやあ、最高のツーリングやったなあ』


***

シーカヤックをカートップし、カヤックと道具、ドライスーツを潮抜きすると、いつもの浜へ。

テントを張ると、松江市内へ。

いつもの店で買い出しを済ませ、温泉で自分自身の潮抜き。 『あー、気持ちええなあ』

テントを張った浜に戻る。

ふと海を見ると、一艘のシーカヤックが。

やっぱ、シーカヤックって画になるなあ。 美しい!

ここからは、待ちに待ったビールの時間である。

今日は、いつものスーパーで刺身を買い込んで来た。 島根産のイカと甘エビである。

ビールは、久し振りに『銀河高原ビール』

『プシュッ』 『トクトクトクトク』 濾過していない銀河高原ビールの旨そうな事!
『いただきます』 『グビッ グビッ グビリ』 『プハーッ 最高や!』


綺麗な海をたっぷりと堪能し、温泉でのんびりまったりして、冷えたビールと地物の刺身。 これぞ、キャンプツーリングの醍醐味である。

そして、島根半島キャンプでは欠かせない割り子そば。

いやあ、ほんまにええ一日やったなあ。

***

2013年11月3日(日) 朝起きると、いつものように天気予報をチェック。 松江でも、今日は雨が降るらしい。
まだここでは雨は落ちていないが、湿度も高く雨の予感。

まだ暗いうちから起き出して、ヘッドランプを点けて朝ご飯の準備。
今朝は、昨日の晩ご飯のお菜として買っておいたのだが、刺身と割り子蕎麦でお腹が一杯になったので残しておいたおでんである。
少し涼しい朝に、温かいおでん。 これもええなあ。

食事を終え、コーヒーを飲むと、道具を片付ける。

幸いまだ雨が落ち始めていないので、朝のお散歩ツーリングを楽しむ事に。

今日は千酌湾をグルリと廻ってみようか。



残念ながら曇り空ではあるが、海の透明度は抜群である。

島根半島らしい景色も楽しめる。

漁師さんも、栄螺漁のようだ。

いったん、北浦まで漕ぎ進み、

ここからUターンして、今度は再び北へ。

遠くに、気になる小島が見える。

その小島に近寄っていくと、近くに居た船から『どこから来たん?』と声を掛けられた。

『おはようございます。 ちょっと千酌から漕ぎ出して、いったん北浦まで行き、千酌湾を一周しようかと思うて』
『そうね。 この島の松は、もう300年位になる』

『そうなんですか。 それにしても好い景色ですね。 晴れていたら最高なんでしょうね』
『ほうよ。 じゃあ、あんたも気をつけて』 『はい、ありがとうございます』

ほんと、絶景である。

今度は晴れの日に、ゆっくり漕いで楽しみたいものである。
結局今朝は、1時間ちょっとのお散歩ツーリング。

海から上がると、雨が落ち始めた。 『おー、ラッキー! こりゃあ、ええタイミングで漕げたなあ』

帰りには、いつものように佐白温泉へ。

ヌルリとするアルカリ温泉で体を癒し、お気に入りのレストランでお昼ご飯。

『定食と玉子でお願いします』

『いただきます』 この定食が絶品である。 玉子掛けご飯もおいしいな。

この定食が、なんと700円。 玉子追加しても750円である。 驚きのコストパフォーマンス。
野菜が美味しく、ご飯がおいしく、玉子も絶品。 もちろんメインの魚も最高だ。 文句なしの絶品日替わり定食である。

『ごちそうさまでした!』 温泉も激安の300円。 玉子追加の定食が750円。 佐白温泉は、涙ものの大満足。

***

温泉を出る頃には本格的な雨に。
土曜日は、絶景の島根半島をタップリ楽しみ、今日も朝のお散歩ツーリングとお気に入りの温泉&ランチを堪能した。
『いやあ、最高の週末だった! さて、来週はどこ行こう?』

***

最近お気に入りの動画。 ゆず『守ってあげたい

俺は、なによりも大切なものを、本当に守れているのだろうか。。。

***

今日は、少し早めに仕事を上がり、檀密主演の『甘い鞭』を映画館で観てきた。

『いやあ、凄まじい映画。 インパクトのある映画であったなあ!』

決して万人向きではないが、いろいろな意味でインパクトのある、そして檀密の本当の凄さを実感した映画であった。
この映画は、檀密しかできないだろうな。

決してハァハァするどころではなく、本当に引き込まれ、そして後を引く、凄まじい映画である。

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